NEXT86
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フィットネスの時流を考える•フィットネスの時流を考える(11回) この期間にパーソナルトレーニングの分野も随分確立され、少しは雑誌の志に貢献できたかな…と勝手ながらに自己満足しています。 私はフィットネスクラブの事業会社に所属しておりますのでもちろん執筆活動は本来の仕事ではなく、「締切り期限」や「文字数」など多くの制約の中で文章を書くのは本当に大変でしたが、読者の方から時折「毎回、楽しみに読んでいますよ」「新しい考え方、視点に気づいた」など暖かい感想・コメントを頂いたりと励まされながら、毎回私なりの真剣なメッセージを発信してきたつもりです。またアウトプットのたびに、頭の中が整理できたりと自分自身も成長できる機会を与えて頂いたと思っています。 時代が進み、「人口減少や高齢化社会などの人口構造の変化」「共働き世帯の増加や有職者のサービス産業に占める割合の増加等からくる生活スタイルの変化・多様化」などいま日本社会は変化の過渡期を迎えております。常に変化対応を継続しなければならない時代に突入しましたが、間違いないのはフィットネスの役割はますます大きくなっていくことだと思っています。「社会や人々の人生や生活がより豊かになるために私たちに何が出来るか?」 このことを問い続け、チャレンジを続けていくことが大事だと思っています。 最後になりましたが、岩井編集長はじめ編集発行に携わっている皆様、読者の皆様の今後の益々のご活躍と雑誌NEXTの更なる発展を祈念して 最後のメッセージとさせていただきます。 本当にありがとうございました。(株)ティップネス 企画部長1994年(株)レヴァン入社。2001年合併よりティップネス入社。店舗、人事、マーケティング、開発等を経験し現在に至る。ティップネス丸の内スタイル、TIP.X TOKYO等都心店事業を担当。 上野和彦Kazuhiko Ueno NEXT創刊以来、続けていた連載も今回で卒業させて頂くことになりました。「インストラクター、トレーナー業を職業として成立させるサポートをしたい」という岩井編集長の志に感銘し、雑誌のコンセプトワークなどにも参画させて頂いた経緯から連載を寄稿することになりました。当初はこの雑誌が安定的に発行されるまで…というイメージで1年間程度と考えていたのですが結果的に約8年間の連載となりました。 編集長からは「職業成立の重要な条件である『ビジネスセンス、スキルアップ』を啓蒙する連載を」と依頼され、以下(4つ)のテーマで合計で(なんと)38回の寄稿をさせて頂きました。•マーケティングスキル(5回)•ビジネスデザイン(13回)•インストラクター、トレーナーの未来像(9回)第12回(最終回) ~連載最終にあたって「御礼」~(株)フィットネスビズ代表取締役社長。プロサッカー選手を目指すも挫折、フィットネス業界ではトレーナーやマネージャーを経験し、開業集客などを多数担当。現在はクラブ運営と収益改善のコンサルティングを実施。得意分野はマーケティングとマネジメント。伊藤友紀Profi le 今号からこちらのコラムを担当させて頂くことになりましたフィットネスビズの伊藤です。 こちらのコーナーでは顧客創造につながるキーワードを各回でピックアップし、トレーナーの方々にマーケティングを身近に感じてもらいながら、自分のクラブ運営やパーソナルトレーナーの活動について考えるきっかけになれば、というものです。 早速ですが、今回のテーマは「顧客接点を上流に」です。多くの産業では市場が成熟して顧客獲得が難しくなっている状況があります。そのようななか、顧客創造の手段として他業態でよく見られるもののひとつが顧客との接点箇所を従来と変えるアプローチです。 例えばフォトスタジオのスタジオアリスです。同店の主な顧客は0~7歳児を持つ親が対象で、その間の誕生日や七五三での撮影が売上の中心です。スタジオアリスでは、その顧客起点を従来よりも上流に置くことで、前述したメインゾーンに流入する顧客を増やすアプローチをしています。具体的には出産を控えた女性を対象に育児セミナーなどを無料で開催し、そのなかで妊婦姿などを同じく無料で撮影してプレゼントをしています。将来の顧客対象である妊婦の女性に対し、出産前にアプローチをしてスタジオの存在やお店・スタッフの雰囲気を知ってもらうことで、産後の来店を促しやすくすることが狙いです。これにより同スタジオでは無料セミナー以外での有料での妊婦の撮影が5割増えたほか、産後1歳未満の子供の撮影は8%増えたという定量的な成果も報告されています。 また最近では結婚式場運営のテイク&ギブニーズが結婚相談所大手のIBJと提携をしました。これはIBJの結婚相談所で結婚を決めた顧客に対して、テイク&ギブニーズの結婚式場を紹介してもらうというものです。従来のように結婚式場を探す段階でのアプローチから顧客接点をより上流へ置き、結婚相談所で結婚に結び付くカップリングが成立した時点で式場を紹介してもらう形にしています。これにより他社に先んじて対象者にアプローチをすることができ、確実に選択肢のひとつに加えてもらおうとの意図だと思います。 このように「現在の商品やサービスを提供している場から顧客接点を上流に置いてアプローチをすること」で新たな顧客創造を行うのが、ここで意図するものですね。これを皆さまのクラブやスタジオ、パーソナルトレーナーとしての状況に置き換えてもらうのが良いでしょう。換言すれば現状の顧客接点をベースにしつつ、顧客創造につながるようなコンタクトを新たにどこかへ設けることができないのか、というものです。皆さまの置かれた状況にあわせ、顧客創造について思索するきっかけにしてもらえればと思います。マーケティング思考を養う顧客創造のヒントマーケティング思考を養う新連載38May,2014 www.fitnessjob.jp

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