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カブキグラスフレックスクッション&ロシアの劇場で観劇中に生まれたアイデア 坂田さんがフレックスクッションの販売をスタートしたのは、2006年11月。そのアイデアが生まれたのは、そこから遡ること約10年。坂田さんが、松下電器(現パナソニック)の社員としてロシアに駐在していた頃である。ロシアのサンクトベテルブルグにあるマリインスキー劇場といえば、帝政ロシア時代から栄える世界最高峰の劇場の一つ。そこでは、稀有なことに、毎日バレエやオペラの異なる演目を楽しむことができる。 坂田さんが特にハマったのがバレエとオペラ。特にバレエの美しい動きが、大学時代に打ち込んだ相撲の動きに共通していると感じていた。相撲の「腰割り」や「四股」はバレエの2番のプリエと同じ動きだ。坂田さんはその後フランスの大学院に進み、そこでラグビー部に所属するが、そこでも相撲部のトレーニングを思い出すことになる。高校時代はアメフト部に所属していたが、当時よりも、足も速くなり、左右への動きも格段に良くなっていることを感じた。坂田さんは大学時代の相撲トレーニングによるものに違いないと感じていた。発売直前の方針転換 その後、日本に帰国した坂田さんは外資系企業に入るが、徐々に起業への準備を始めていた。会社では部下100名の営業責任者をしながらも、相撲トレーニングの価値を確かめようと、週末になれば古巣の立教大学相撲部に足を運んだ。コーチとして選手たちのサポートをしつつ、相撲トレーニングのエクササイズとしての可能性を探り始めた。立開発者サンテプラス株式会社代表取締役坂田直明さんロシアの劇場から生まれた、相撲エクササイズとカブキグラスを世界に フレックスクッションといえば、フィットネス指導者やトレーナーに広く浸透し、この商品が、相撲の股割りをする際に、土俵にお尻を置いて柔軟性を高めようとした経験から生まれたということを知っている人も多いだろう。このフレックスクッションの生みの親である坂田直明さんは、2013年3月にハンズフリーのオペラグラス「カブキグラス」も開発。ともに多くのメディアに取り上げられるヒット商品となっている。関連性を感じにくい「フレックスクッション」と「カブキグラス」だが、そのアイデアの発祥はともにロシアの劇場にあった。Hit File02ロシア赴任時代に通いつめたマリインスキー劇場。フレックスクッションもカブキグラスも、アイデアはここで生まれたMarch,2014 www.fitnessjob.jp11

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