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報を収集するというプロセスがあります。NVCにおいても4つのステップの1つ目が「観察」です。多くの場合、観察と判断(良し悪し)を混同してしまうことから、自分の感情に支配され、相手のニーズやリクエストが見えなくなることがあります。ただありのままに事実を観察する、そのうえで相手の感情を受け止めてみる、そこには何が必要で何を要求しているのかを読み取っていくことが、まずは相手に対する思いやりのステップとなるのです。ありのまま受け止める、ただ事実を観察するというトレーニングを、アレクサンダーテクニークを通して学ぶものの、私の場合なかなか自分の思考の癖や判断基準が出てきて苦労することが多いのですが…。 しかし、フィットネス指導者として人と関わることが多い日常ゆえに、自分をいつもニュートラルにおき、相手を判断なしに観察するということを心がけていくと、実は不思議とコミュニケーションはするするっと進むことが多いようにも最近は感じています。 自分との対話、大切な人との対話に思いやりを持って行いたい指導者の皆さんにおススメします。 NVCとは、Nonviolent Communication(非暴力コミュニケーション)のことをいいます。この言葉に出会ったのは、3年前アレクサンダーテクニークを学びだしたときに、アレクサンダーの先生でもあった安納献さん(監訳)がカードを使ってNVCを体験させてくれたことがきっかけでした。興味を持って、すぐに手に入れた本は、実は「『なんでわかってくれないの!』と思ったときに読む本」(トーマ・ダンサンブール)でした。この本の中で、「本当の意味でお互いが出会った時、コミュニケーションは美しいダンスになる」というくだりが大好きで、自分の日常の言葉の使い方、物事の捉え方、さまざまな刺激(ストレス)への反応の仕方を考えたものでした。トーマ・ダンサンブールという方は元弁護士ですが、マーシャル・B・ローゼンバーグのセミナーを受けて弁護士をやめてNVCの活動を始めたということですから、そのNVCを提唱した方の本が出たということですぐに購入したのがこの本です。監訳が安納献さんということも大きかったのですが…。 この本には、自分では「暴力的でない」と思って話していても、気が付くと口にした言葉が、他者に対してだけでなく自分に対しても傷つけたり苦しめたりしているということが書かれています。この本を読んでNVCのステップを学ぶことは、「人を思いやるコミュニケーション」を理解していくことになります。 アレクサンダーテクニークでも、まずは相手とのコミュニケーションにおいて、観察によって情有限会社アクトスペース企画代表取締役NPO法人いきいき・のびのび健康づくり協会会長Studio fi ve fにて、パーソナルセッションからセミグループレッスンまで指導中。機能改善体操の普及に邁進中!Profile尾陰由美子著者:マーシャル・B・ローゼンバーグ監訳:安納献 訳:小川敏子 出版社:日本経済新聞出版社第5回NVC人と人との関係にいのちを吹き込む法心と身体を磨くオススメ本インストラクターのための30February,2014 www.fitnessjob.jp 2014年、今年も皆様方にとって良い一年となりますようお祈り申し上げます。 さて、前回、中高年のフィットネス①で、親のことを書かせて頂きました。皆様方のご両親は、まだまだお元気で、介護はピンとこないかもしれませんが、お元気なうちから、運動の習慣や安定した生活をされているかを見てあげて下さい。私事ですが、貴重な体験をしたこともあり、身近な例としてお伝えしたかったのです。さて、今回パート②は、サンセットの会員さんを中心に、レッスンを始められた動機や、経過、効果についてです。30代から40代でご入会されて、10年20年とエクササイズを継続され、今や、エアロやヨガのみならず、ウォーキングやランニング、登山、習い事などをして、お元気に生活されている方が多くいらっしゃり、喜びを感じています。始められた当初は、朝、起きるのが辛い、肩や腰が痛い、更年期の不定愁訴、不眠等を訴えられ、不快症状の改善、健康の為、運動不足解消など、始められた動機は様々です。先日も、婦人会のレッスンをさせて頂いたことをきっかけに、血液検査の数値や姿勢の改善を目標に60代の方が、レッスンを始めらスタジオ sunset代表・チーフインストラクターJMFA/日本マタニティ・F協会 MB・AB・MY、JAFA/ADD・代議員、トニーTパルスリズムトレーナー、ACSM/アメリカスポーツ医学会HFI、インストラクター・オブ・ザ・イヤー2012最優秀賞受賞日置智子Profi leれました。運動が、身体にいいことは、分かっていながら、行動に移せずにいる方は多くいらっしゃると思います。すぐに実行されたことが、素晴らしいと思いました。 また、6年前、長浜市からヘルスアップ事業として、メタボリックシンドロームの方々に運動療法提供の依頼があり、50~60代の方約20人を受け入れました。サンセットでの、ヨガやエアロ週1回を3ヵ月継続され、ほぼ全員の方の体重、体脂肪率、血液検査の数値が正常値に入るなどの改善が見られました。その後も、約3分の1の方は、そのまま継続され、お元気に過ごされています。いつも「ご自分の身体の調子に耳を傾けて、無理せずマイペースで結構です」という言葉に、「気負いせずに続けて来られた」と、おっしゃって下さいます。また、「健康診断の結果が、全て正常値でした」と嬉しそうに報告して下さる方や、「旦那さんに、『お前、疲れにくくなったな』と言われる」など、動機や感じられる効果も様々ですが、継続されるうちにイキイキ元気に、より美しくなっていかれるのです。 最後は、シルバー柔道体操(現在、やわら体操)についてです。柔道整復師の人とご縁があって、柔道の技・形を基にした体操の指導を依頼され、毎年、ゲートボール大会のウォーミングアップで、指導させて頂いています。早朝にもかかわらず、何百人の高齢者の方が長浜ドームに集まられ、カーンカーンと、ボールを打つ音が響きます。こんなに沢山の方々が、お元気で運動されているのだなあと、嬉しくなります。この体操も、動作の説明冊子の製作を皮切りに24年関わらせて頂いています。まだまだ、これからも続くといいなと思っています。第5回 中高年のフィットネス②レッスン風景やわら体操シルバーのクラスの集合写真

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