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養成で明日の自分を変える応援します!スキルアップJanuary,2014 www.fitnessjob.jp43 高齢者のQoL(人生の質)の視点から社会のあり方を考え、国内外に限らず幅広く講演をしている筑波大学大学院・田中喜代次教授から、高齢者に特化した運動指導者資格「高齢者体力つくり支援士」について話を伺った。 「30年前から肥満、高血圧、心臓疾患など様々な疾患を持つ人の運動療法を行ってきました。そこでひとつの手ごたえを感じました。疾患保有者もストレッチや筋力トレーニング、卓球、バレーボールなどの運動を実践することでQoLを高められるということです。運動によって身体がより動きやすくなり、スポーツができるようになる、すると仲間が増え、人生に楽しみが生まれる、そのサイクルで元気になっていく姿を見てきました。疾患保有者の身体的な質を向上させ、『人生の質を良くする支援』が、高齢者体力つくり支援士という資格なのです」 田中教授を中心に高齢者体力づくり支援の現場の第一線で活躍している先生方と、公益財団法人体力つくり指導協会が協同して開発したのが高齢者体力つくり支援士の養成講座である。 資格講習会は高齢者の心理的、身体的特徴を基軸とした専用の運動方法や、状況に応じた指導力を身に付けることができる講座でプログラムされている。受講後には、資格を活かして社会貢献を考えるようになる方が多いのも特徴だ。高齢化が進む現代社会では「体力つくり支援」という新たな職域さえ必要だと田中教授は言う。 「治療(投薬)の繰り返しだけでは、人の心はハッピーになりません。高齢者体力つくり支援士が運動・食事・病気・薬などの知識を持ち、トータルでサポートすることで人々のQoLを高めるべく一翼を担ってほしいですね」 高齢者が身体も心も健康に過ごせる社会を実現するうえで、高齢者体力つくり支援士の役割は大きい。 「高齢者体力つくり支援士の役割は、20、30年後を見据えたスマートな(賢い)生き方のサポートです。筋力や体脂肪率などの数値に一喜一憂せず、加齢による衰えを受け入れたうえで、運動を実践し、人生を豊かにする支援に徹します。生き様に加えて、死に様(満足死)まで見据えた支援をしていってほしいです」(田中教授) 最後に、今後の高齢者体力つくり支援士に期待することについて伺った。 「『健康づくり支援』のプロとなることを期待しています。外科的ハンデや疾患、精神的問題を抱えている人たちに対する運動指導のスペシャリストが、食事や薬の知識を持ち、患者の生きる気持ちにパワーを与える支援をしてあげてほしいですね」 現在、高齢者体力つくり支援士は、フィットネスクラブや介護支援施設、さらに高齢者向け健康づくりボランティアなど、幅広い分野で活躍している。身体の質を良くし、人生の質を良くする高齢者の方に生きる気持ちにパワーを与える支援をしてほしいです。田中喜代次さんKiyoji Tanaka筑波大学大学院 人間総合科学研究科 スポーツ医学専攻教授生活習慣病研究の第一人者であり、自治体や病院での運動指導、減量教室の指導を行う。研究論文、著書、講演等多数。~高齢者の健康づくり支援に特化した指導員資格~高齢者体力つくり支援士資格検定講習会(第23期マスターコース)高齢者体力つくり支援士事務局[公益財団法人体力つくり指導協会]TEL 03-5858-2100 受付時間 平日9:30~17:00まで http://www.sien.gr.jp/N8211Y2014年2月1日(土)~2月5日(水)横浜市スポーツ医科学センター他【田中喜代次】筑波大学大学院・教授【石井直方】東京大学大学院・教授【竹尾吉枝】NPO法人1億人元気運動協会・会長 他講習会は5日間の日程で行われます。4日目までは講義、実技を終日行い、最終日に検定試験を行います。詳しくはHPをご参照ください。 受講費用 120,000円(税込)※登録料別途 ※シニア(60歳以上)・学生割引制度有2014年1月10日(金)まで開催日会場講師内容料金申込締切 ※資格に関する質問、資料請求等は下記までお問い合わせください。

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