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ダンス基礎練習 ストリート系ダンスの人気が高いことで、ダンスが活性化している。ただ一方で、課題となっているのが、ダンスの部活動としての基礎練習。本来ダンス別に特徴的な身体の使い方やリズムの取り方があるが、その基礎練習をしっかり行うことで、ダンススキルも、その表現力も、将来長くダンスを楽しむための選択肢も広げることに繋げられる。 ダンス技能向上委員会技能委員のMASAMIさんが部活動チームを対象に行うワークショップは、「ストレッチ」「リズムトレーニング」「筋力・コアトレーニング」「クロスフロア」の要素で構成されている。これらの練習はウォーミングアップ的に捉えられがちだが、日々の積み重ねによってこそ身に着けられるものであり、日々時間をしっかりとって取り組むことで、特に成長期にある中高校生にとってはケガの予防のためにも重要性が高い。 ストレッチや筋力トレーニングは、ただやみくもにやるのではなく、今どこを伸ばしたり強くしようとしているのかを意識して行うことや、リズムトレーニングやクロスフロアは、チームとしての表現力を高めるうえで欠かせない練習となる。 部活動に参加する生徒からも、外部講師への要望として、こうした基礎トレーニングの方法や考え方を教えて欲しいということが筆頭に挙げられている。部活動ダンス06お話を聞いた方 MASAMIさん日本ダンス技能向上委員会技能委員本名、武藤雅美。東京純心女子大学芸術文化学科卒。クラシック音楽出身で、アジア最大のコリオグラフコンテスト「Legend Tokyo」で審査員特別賞受賞。コリオグラファーとしての活動のかたわら、ダンススタジオ、フィットネスクラブ、部活での指導活動を行っている。★注目の動き★吸収力が高い時期だからこそ、確かな指導を。ホームルームで生徒たちと課題と目標を共有することで、成長のきっかけに。 「部活動でダンスをしている学生さんたちは、その他スポーツの部活動同様に、礼儀正しく、上下関係も厳しく、目上の人の言うことを素直に訊く習慣があります。外部講師として指導に行くと、1回のワークショップでも多くを吸収して、その後驚くほど成長する姿を何度も見てきました。その分、外部講師として何を伝えるのか、何を教えるのかは非常に重要で、ワークショップの内容も、そこで使う言葉も慎重に選んでいます。またワークショップの前と後に“ホームルーム”という時間を設け、顧問の先生や生徒たちと一緒に、チームの課題や目標を共有するようにしています。そうすることで、ワークショップから何を学び、その後の練習や活動にどのように活かしていくのかが明確になり、ワークショップの機会を最大限活かしていただけることに繋がります。生徒さんたち自身も、成長が実感できることから、その後のモチベーションに繋がります。ダンスに携わる一人として、大きな可能性を持つ中高生のダンサーたちに、できるだけ多くの気づきと成長のきっかけを提供していけたらと思います」August,2013 www.fitnessjob.jp17取材協力:トキワ松学園ダンス部部員:53名(廃部寸前の所から、ストリートダンスに転向。部員が集まるようになり、今では学校で一番人気の部活に)成績:高校生ダンスコンテスト'12 夏 特別賞受賞、高校ダンス部選手権大会 DANCE STADIUM 全国大会4位、日本ダンス大会 決勝7位活動:練習は週3回。中1から高3まで一緒に活動することで、ダンスの技術だけでなく、後輩の面倒をみることなどから多くを学び成長する。公演の運営も生徒たちの手で行っており、振付や音響の編集、衣装づくりや照明プランを考えての舞台監督、公演の流れなど1時間近くある公演を高2の生徒が全て担当する。

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