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一人一人の笑顔を思い浮かべてプログラムやシステムを作っていきました―Hioki10April,2013 www.fitnessjob.jp今回の受賞を涙して喜んでくれた会員さんたち 滋賀県北東部に位置する長浜市。琵琶湖がすぐそばに控えたのんびりとした城下町に日置智子さんのスタジオ『サンセット』がある。今回の最優秀賞の受賞に際し、多忙ながら東京まで足を運んでくれた。会った瞬間、小柄で細く、どことなく女優さんのようなオーラがある。とはいえ、近づきがたいのではなく、話し出せばとても気さくな人柄なことがすぐにわかる。 「気になったら放っておけないんですよ」「何とかしたくなってしまって」。短いインタビュー時間の中で、何度も口にした言葉である。生まれ持った性格なのか、職業がそうしたのか。つねに真摯に相手を想う気持ちの発言に、素朴に、どうしてだろう、と思った。 今回、最優秀賞の受賞を、『サンセット』の会員さんに報告したそうだ。すると、まるで自分のことのようにみんなが喜んでくれ、中には涙を浮かべてくれた人もいたという。「本当にありがたいことです」と、そのことを思い出して、日置さんの瞳がうるむ。そこには20年以上の付き合いの会員さまもいたというから、まるで親戚のような付き合いなのだろう。和やかなスタジオの光景が目にが浮かぶ。ふと、これまでの日置さんの人生の階段はどんなものだったのだろうか、と興味が湧いた。子育てと資格の勉強死にもの狂いだった 日置さんのインストラクターとしての道のりとしては、『サンセット』の穏やかな雰囲気とは裏腹に、そう簡単なステップではなかったようだ。 滋賀県長浜市に生まれ育ち、中学時代からモダンバレエをはじめジャズダンス、エアロビクスなどを習い、大学時代はフィギュアスケートで国体にも出場。音楽を聴くと反射的に踊りだしたくなるような体と心はこの頃までに十分に培われていた。英語も大好きで京都産大英米語学科出身。地元に戻ってからは塾の講師をしていたという。そんなとき、ふと目にした新聞で、大阪でスタジオインストラクターの募集オーディションがあることを知る。 何かに突き動かされるように応募すると、あっけなく合格。しかし、すぐにインストラクターとして稼げるわけではなく、塾の講師をしながら、大阪に通って勉強をすることになった。さらに、そのスタジオもほどなく閉鎖するという事態に。ここで、日置さんはあきらめることなく、ほそぼそと長浜の公共体育館でエアロやジャズの指導を始める。そんなとき転機が訪れた。 生徒でもある友人から、スタジオをオープンする建物を紹介された。当時はまだこうした私営施設が少ない時代。モデルとなるスタジオもない中、日置さんは、使い勝手のよい空間をと、さまざまなデザインを提案して完成させひおき・ともこ 滋賀県・長浜市出身。同地域にあるスタジオ『サンセット』代表・チーフインストラクター。日本フィットネス協会認定ADD、ADI、日本マタニティフィットネス協会認定MBI、ABI、MY、アメリカスポーツ医学会認定ACSM、HFIなど資格多数。上記協会フォーラムで講師経験&スタジオインストラクターの養成も行う。日置智子さんインストラクター部門 最優秀賞INSTRUCTORインストラクター部門写真/大久保正彦

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