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ティップネスでは2013年のプログラム開発に先立ち、メンバー10名に対してデプスインタビューを行なった。デプスインタビューとは調査対象者と調査官が1対1で1時間以上かけて行うもので、市場調査手法の中でも定性的な情報が得られる手法の一つ。10名の調査対象者は初心者から上級者まで、年齢層も参加している時間帯もプログラムも多種多様。そこで共通して挙げられた要望が「楽しいだけでなく効果があって欲しい」というもの。近年ジムで提供するトレーニングプログラムも益々エビデンスベースとなり、日常でのパフォーマンスへの効果が重視されてきているが、グループエクササイズでもその要素は欠かせず、楽しい中でもいかに運動効果を見せていくかが今後の顧客ニーズに応え、長く支持されるプログラムを開発~導入していくうえで重要な視点になることが明らかとなった。グループエクササイズも、運動効果重視06 東急スポーツオアシスでは、フリーインストラクターの査定が以前は指導技術に偏重していたが、現在は、インストラクターもクラブスタッフの一員として、お客様とのコミュニケーション力や提供するサービスの質を重要視している。また、定期的に「カルチャーサミット」と呼ぶ研修会を実施し、そこでは、インストラクター同士がディスカッションを通して、自分たちが提供している商品の価値を見直す場を設けている。例えば「安全とは何か」「サービスとは何か」といったテーマでディスカッションをすることで、同じフリーインストラクターの立場でも、教えている内容によって認識の差があり、高い意識を持っている仲間から直接話を聞くことで、多くの気づきが得られる。お互いを知ることで、レッスン参加者にもニーズに合わせたレッスンの紹介ができることになり、インストラクター同志も、インストラクターとお客様も繋がりが得られやすくなる。さらにそこで自身が足りないと思ったことがブラッシュアップできるように、オアシスではコミュニケーションや生理学や解剖学の基礎を学び直す講座なども用意し、フリーインストラクターたちの活動をサポートしている。フリーインストラクターも、人との繋がり重視07 ダンスやヨガの人気が定着する一方で、コンディショニングやファンクショナルトレーニング系のグループエクササイズも増えている。また、エアロビクスレッスンにも根強い人気がある。そうした中、これまでにレッスン数や種類が増えすぎてしまい、運営効率が落ち始めていることを危惧するプログラムディレクターたちも多い。それぞれのクラブがターゲットする顧客層を明確化するのはもちろん、曜日・時間帯別の利用者に整合させるようにプログラムの取捨選択が進められている。短期的な運営効率を考える場合、プレコリオによる人材育成とプログラム提供は効率的だが、中長期的には、対応力や開発力のあるインストラクターの育成やメンバーのクラブライフも考慮に入れた取捨選択が必要になる。プログラムの多様化により、取捨選択が課題に08October,2012 www.fitnessjob.jp19

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