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34August,2012 www.fitnessjob.jpのでもありません。大事な基本はたった一つ。「自分という人間の考え方のクセと、それが影響する感じ方のクセを知ること」 まずは唯一無二の自分という人間の「考え方と感じ方」について「気づく」ということを行い続けると、少しずつ、他人についても理解ができるようになってきます。不思議ですね。自分を知り始めると、他人のことがわかるようになるのです!「自分を知り、他人を理解すること」。これは、何かを指導する立場の人間には大事な基本です。たとえば、みなさんにこんな質問をします。「あなたは、なぜトレーナーをしているのですか?」自分を知る基本の問いです。 答えはそれぞれ。教えることが好きだから、筋や骨のことを学ぶのが好きだから、人との出会いが好きだから、べつにそれが仕事だから…。理由は一つではないかもしれません。ぜひ、基本的な「なぜ?」を自分に問うてみて、はたして「今日の自分」は何と答えるのか、をやってみてください。「なぜ」という質問は、自分の「やる気の源泉」に気づく作業だったりします。次回から、続きをご紹介していきます! こんにちは、メンタルトレーナーの田中ウルヴェ京です。私はシンクロナイズドスイミングの日本代表選手として、また、日本、アメリカ、フランスの代表コーチとしてスポーツに長く携わってきました。その後、アメリカで6年半スポーツ心理学を大学院で学び、現在は、老若男女のスポーツに携わる方々に様々な側面からの心理指導をしています。ここ数年は、日本ピラティス指導者協会で指導者資格の開発にも関わっており、運動指導をされる方々への心理プログラム構築等も行っています。そんな国内外での経験、メンタルトレーナーとしてのノウハウを元に、この連載では皆さまにお話をしていきます。 さて、スポーツ場面でおこなう「心理」を、よく一言で「メンタルトレーニング」と称してしまうこともありますが、当然ながら「心の持ち方は、人それぞれ」です。(みなさん、現場で実際にクライアントを指導していて、日々試行錯誤されていれば十分ご承知かと思います!)つまり、我々指導をする側にとっても、クライアントにとっても、「どんなメンタルが、どんな時に必要か」は、マニュアル化できるものではありませんし、また画一的な指導で得られるも国立鹿屋体育大学客員教授(スポーツ心理)/日本ピラティス指導者協会(JAPICA)理事/ソウル五輪シンクロ銅メダリスト日米仏の代表コーチ、米国大学院留学後、現在はメンタルトレーナーの仕事だけでなく、ピラティススタジオDMJボディバランシングを持つ。JAPICAプログラムのコーチング、コミュニケーション開発。http://www.pilates.co.jp/japica/Profi le田中ウルヴェ京右足をゆすって貧乏ゆすりをする子は、「ああ、左脳を一生懸命動かして話を理解しているのだな」、後ろと前に激しく揺れる子は、「話に参加しようと頑張っている」など、脳の働きを自分が理解し、1つの仮説を立ててみることができるので、細かいことが気にならなくなり一層人間が好きになりました。 きっと、子どもの発達(発生学・知能の成長)を少しでも知ると、この世から児童虐待が減るのではないかなと思います。 今から、子どもを授かる予定の方には、ぜひお勧めしたい1冊です。 ほんの少し発生学を知ったあとで、私も運が良ければ、まだ子どもを授かる可能性があるので、もしも授かったなら、子どもからいろいろ教わりたいものです(笑)。 ジャン・ピアジェは、心理学を学んでいる方にはとっても有名な児童心理学者で、子供の知能や発達を研究した人です。 わたしは3年前に、子どもの動きの発達と脳の発育の関係に興味を持ち、動きを再教育し、脳を活性化させるプログラム「ブレインジム」のインストラクターになりました。 ブレインジムを通し、発達障がいの生きにくさが軽減していく過程を体験し、動きと脳はつながっていることを実感し、現在、フィットネスの運動指導の中にも考え方を活かしております。 ブレインジムのインストラクターライセンスを取得するときに、先輩である精神科医の方に紹介していただいたのが「ピアジェ」の書籍。 ピアジェの書籍は専門的なので、今回は、ピアジェの要素がたくさん詰まっている、「子どもへのまなざし」という書籍を紹介させていただきます。人や物、環境とかかわり、「運動する(動く)」ことで、思考を形成していく成長過程を知ると、「ギャー」と泣いたり、じっとしていなかったり、自己中心的になったり、残酷になったり、妄想したり嘘をついたり…大人から見たら叱ってしまいそうなことも、「ああ、成長してるんだな」と子どもの発育を実感でき、今まで以上に愛おしく思えます。 また、ブレインジムを通した活動においても、広告業界からフィットネス界に転身。関西在住、フリーインストラクター。指導者の勉強会「志楽塾」、サークル活動「健康サポートプロジェクト」活動中。ブログ:http://mimi320.weblogs.jp/blog/HP:http://kenko-support.net/Profile坂田純子Junko Sakataby Junko Sakata「子どもへのまなざし」 著者:佐々木 正美福音館書店(1700円税別)第26回 ジャン・ピアジェに学ぶ知能の発達トレーナー・インストラクターのためのあなたは、なぜトレーナーをしているのですか?スポーツ心理学第1回

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