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お腹の中から赤ちゃんの脳は育ち始める 「赤ちゃんの脳の発達はママのお腹の中にいる時からスタートします。そこから生まれて1歳くらいまでは赤ちゃんは、ママのおっぱいも自分の身体の一部と思うくらい、心はママと一体。ママがイライラすると赤ちゃんも泣いてしまうように、この頃の赤ちゃんは、ママの環境をダイレクトに受けています。脳細胞が増える3歳まではママと一緒の時間がほとんど。ママの環境づくりが赤ちゃんの脳の成長に大きく影響することが分かります」 こう話すのは、日本マタニティフィットネス協会ディレクターの中川裕美子さん。日本マタニティフィットネス協会は1981年より産婦人科医たち監修の下、妊産婦の健康づくりや産後の育児環境の改善に関する研究やエクササイズプログラムの開発などを行なってきている。ここ数年、赤ちゃんの環境の全てとも言えるママの環境が変わり、赤ちゃんの発育・発達への影響が危惧されている。 「赤ちゃんは生まれた時点で、聴覚と触覚(皮膚感覚)はほぼ完成しています。赤ちゃんの脳はお腹の中から様々な刺激を受けて脳細胞を増やし始めます。乳幼児精神科医のスターンは、『乳児は触覚を視覚に変換できる』と言い、お腹の中でも母親がしていることを知覚していると言っています。これは『共感覚(ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる知覚現象)』として当協会のプログラムでも重視しています。つまりマタニティ期からママの過ごし方の違いが、赤ちゃんの脳の発達に違いをもたらすということです。ここで日本のママたちの環境を見てみると、心配な点が多々あります。子育て期に入るとママと赤ちゃんが2人だけで過ごす時間も多く、どうやって赤ちゃんに接したらいいのか、どう話しかけたらいいのか分からず、ほとんど1日話をしないママもいるようです。育児の不安やストレスも抱えがちで、その気持ちはダイレクトに赤ちゃんにも伝わってしまいます。マタニティ期間はもちろん、生まれた後もママが心身ともに元気でいることは、赤ちゃんの脳の発達には欠かせません。当協会のマタニティビクスやベビービクスのクラスでは、特にそうしたママの環境変化を考慮して、グループで行うことや、ママ自身が自分の心身の健康を考える機会にできることにも重点を置いているんです」 こうした状況に合わせてプログラムも進化を続けている。マタニティクラスでは、産前に子どもの抱き方を練習したり、産後の赤ちゃんの発育発達と、それぞれの時期でのコミュニケーション方法が予習できる内容を盛り込んだ。また、ベビービクスでは以前から採り入れているベビーマッサージの時に、赤ちゃんを見つめて、微笑んで、語りかけるといったコミュニケーションの方法や、赤ちゃんの褒め方まで習得できる内容となっている。 「現代ママの中には、『ぞうさん』などの童謡を知らない人もいます。ベビーマッサージをしながら歌を歌ったり、赤ちゃんを褒めたり、抱きしめたり。ママ自身が赤ちゃんとのコミュニケーションに自信が持てたり、他のママとの活きた情報交換ができることで、ママの心の状態が良くなり、そのことが何より赤ちゃんへのいい刺激を増やすことに繋がります。産後のママたちの中には、それまで運動不足で妊娠をきっかけに健康的な生活を考える人も少なくありません。妊娠10个月という限られた時間で、運動の楽しさや大切さを確実に知っていただきたい。そのことが、赤ちゃんの健康と知育にも繋がるからです」お話を聞いた方中川裕美子さんベビービクスインストラクター歴12年。幼稚園教諭からエアロビクスインストラクターに転身。自身の子育てをきっかけにベビービクスインストラクターに。「ママをハッピーにすることで、赤ちゃんがハッピーになり、赤ちゃんがハッピーに育てば、将来の日本が良くなる」を信条に指導を続けている。ママの環境が赤ちゃんの環境の全てママの元気が赤ちゃんの知育の第一歩マタニティビクス/ベビービクス01歳歳一般社団法人 日本マタニティフィットネス協会TEL.03-3725-0071 HP: http://www.j-m-f-a.jp E-mail:info@j-m-f-a.jp20406080100%%2040608010012345678912345678910出生前の発育出生後の発育年齢胎児月出生8ヶ月脳体重出生前後の発育曲線脳は3歳までに成人の約80%、6歳までに90%の大きさになる10August,2012 www.fitnessjob.jp

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