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Profile吉田直輔FIT WAY代表。元自衛隊体育学校レスリング班所属、元プロ総合挌闘家。トレーナーとしてだけではなく、小規模ジムのコンサルタント、テクニカルアドバイザー等も行う。トレーナーとしては「継続出来る....

Profile吉田直輔FIT WAY代表。元自衛隊体育学校レスリング班所属、元プロ総合挌闘家。トレーナーとしてだけではなく、小規模ジムのコンサルタント、テクニカルアドバイザー等も行う。トレーナーとしては「継続出来るフィットネス」を提供する。http://www.fi t-way.jp/運動指導者としての役割は何でしょうか?それはお客様の目的の一助となる事です。目的から大きく外れた内容を提示し、指導する事は、自己満足に過ぎません。私共運動指導者は、人に指導させて戴く職です。まず大切な事は心構えから指導まで、気持ちを込める事でしょう。人を指導するには理性が必要です。しかし、人に物事を伝えるには情熱が必要です。この単純で深い事を理解し、実践するかしないかで人に伝わる量と、深さ、理解度は大きく変わります。私共は、骨や筋肉と接する職ではなく、人と接する職です。その事を理解した上で、お客様に目的に沿った「成長」を実感して戴く事が、何より大切な事です。成長とは何か?成長は2つの事柄が絡み合っています。①自己概念、②現実の成長発達からなります。その内容を掘り下げてお伝えいたします。人は成長発達においてお腹がすけば泣く赤ん坊のままではなく、母親など他者からの評価や価値観などの影響を受けて、自己の概念を形成していきます。自己概念は自己理想や現実の自分の評価からなり、この自己概念と、現実の成長発達の経験の間に一致度が高いと精神的に安定して、一致度が低いと不安定になります。更にその一致度を知覚していれば成長要素は高まります。人は、成長という変化をしようという考えがあるから悩み、解決の為に行動します。この不一致の状態はこれからの学びの好機を与えてくれます。自分を理解し、その上で自分のあり方を決定し、自分に対して責任を引き受ける事。その為には問題の全てを他人に依存するのではなく、自分を受け入れ自分を受容する事から始まるのではないかと思います。自己責任を引き受けるためには自分の思う自分である事、自分を一人の人として認識し、自己概念を形成し、理想との差を埋める自分を現在進行形としてとらえ、その自分を受け入れる事、受け入れる事を理解し続ける事が「成長」には欠かせない事です。以上の事はお客様、そして運動指導者自身にも当てはまる重要かつ、基本となります。自己の概念を理解し、現実の自分を再認識し、理想に向かっている“人”こそが「成長」という「導」そのものです。変わる事(成長)を恐れてはなりません。トレーナー業界の摩訶不思議?常識?非常識?Profile木内周史S.Dream有限会社代表、NESTA JAPAN理事、太田情報専門学校講師。「Driveyour HE ART&BODY」をテーマにパーソナルトレーナー、チームコーチ、クラブスーパーバイザー、メーカーコンサルタント活動中。雑誌、DVD、TVCM出演多数。vol.3チューブの巻新タイトルも早3回目、前回の「タオルの巻」は反響が大きく、我ながらビックリしました。この特集は、教科書に書いてあることが必ずしも正しいとは限らないことや、過去の慣例に押し流されてしまっていたり、業界では常識化しているけれど他業種では通用しなかったりすることなどを過去の自分への戒めも含めて、問題提起させていただいております。よって、ここに書かれていることもまた、正解とは限らず1思考パターンとして受け取って頂けると有難いです。今回は、「本当はコワいチューブトレーニングの巻」。今回も不思議感いっぱいの謎だらけのトレーニング法です。決してチューブトレーニングが悪い訳ではないのですが、漸増負荷抵抗のチューブ特性を理解しない、目的にマッチしないチューブトレーニング法が目につきます。代表例は、ローテーターカフ(肩のインナーマッスル)のローテーショントレーニングでしょうか。柱に固定したチューブで行う肩の回旋運動。一般トレーニーからプロ野球選手までが行う肩のコンディショニングの基本種目です。でも、変です。肩は0°だし、終末に向かうに従って負荷が増すなんて…。実際の投球動作では、コッキング期・フォロースルー期いずれも随意的に力を込めている訳ではありません。むしろ1流選手は、脱力を心掛けているのに、チューブトレーニングでは頑張って“グイ!グイ!”。確かに、筋肉は強化されるけれども、神経にも「終末に向かって、力を入れろ!」というシグナルを再教育していることになっているのです。実際の投球動作とトレーニング動作が、正反対なのです。このトレーニングを真面目にやり続け、チューブがボロボロになる前に、肩ボロボロに。そんな選手を沢山見てきました。隣で教えているパーソナルトレーナーのお抱え選手、一昨年から肩の調子が悪いらしく、新トレーニングとしてチューブトレーニングを導入。可哀そうですが、口を出す訳にもいかず見守っていましたが、残念ながら予想は的中。肩インピンジメントです。間違ったトレーニング指導で被害者急増中です!では、どうしたらいいのか?勿論、肩のローテーショントレーニングは重要です。キーワードは、「慣性」です。慣性を生かすには、フリーウエートが一般的には有効です(今年、凄いスピード<慣性>ウエートスタックマシンが登場します!)。ダンベルを使用して横臥位で行うローテーショントレーニングが良いでしょう。他にも、打撃系のトレーニングでのチューブの使用法は間違っている、というより正反対。チューブを抵抗にしたらスピードが遅くなるだけです。本当のスロートレーニング??この練習を採用している選手の多くは、遅くて強いパンチとキックが武器ですが、ボコボコにKOされているのを良く見ます。では、どうするのか。チューブを後ろから引っ張るのではなく、前から引っ張ればいいのです。この場合は、筋トレとしてではなくスピードトレの道具としてチューブを使い、最高速を超えるパンチの感覚を神経筋に疑似体験させます。ただし、実践空手や相撲では最終局面での筋張力の発揮は大変重要なため、チューブトレーニングは有効です。チューブトレーニングの陰の部分を先に書きましたが、いい面もいっぱいです。例えば、スイング動作や投球動作の前足中殿筋には漸増的に負荷がかかり続けるため、「スタンディングヒップチューブアブダクション」は大変効果的なエクササイズという訳です。35March,2012 www.fitnessjob.jp