『月刊NEXT』 No.47
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“おっさん”インストラクターから、輝くインストラクターへのメッセージ中井英人さん フィットネス業界も、世の中も、どんどん変化しています。その環境でプロとして仕事を続けるうえでは、自分自身の価値観を明確に持つことが重要です。「なぜインストラクターとして仕事をしているのか」「自分はどんなところに喜びを感じるか」などを明確にしておくと、安定できるようになります。やる気の浮き沈みも少なくなり、トレンドやブームにも流されず、自分で考えて決められるようになります。自分の価値観を確かめられるようなセミナーも数多くありますので、一度受けておくことをお勧めします。 僕の場合は、よく自分ひとりで振り返る時間を設けるようにしています。スーパー銭湯にひとりで行って、長湯ができる適温の風呂につかって自分と会話をします。「自分がどこに充実感を感じるのか」「どんな時テンションがあがるのか」。自分らしさを見つけ、それに正直になるようにすることが、結果的に長く、ハッピーにこの仕事を続けられることに繋がると思います。 また、近年勉強会やインストラクターのネットワークが数多く生まれ、お互いに情報交換をしたり切磋琢磨できるいい環境ができてきていると思います。あとは、そこに安住しないで、自分でどんどん行動を起こしていくことが重要です。行動することで次の地平が見えてきます。自分の価値観を明確にもって行動する島田厚さん インストラクターの多くの人が個人事業主として活動しているので、「個人」で仕事が成り立つと思いがちですが、実はその仕事に多くの人が関わっていることを改めて理解しておくことが大切だと思います。 イベントなどを主催すると、それが実感できます。インストラクターがイベントを企画実施するうえでは、仲間とのつながりや、クラブや参加者などから協力を得ることが必要です。そこでは、自分の気持ちや企画を的確に相手に伝えることや、組織を運営する力が必要です。今はインストラクター同志、協力したり協力されたりの関係。イベントごとにリーダーとフォロワーの役割認識を持ちながら、力を合わせていくことで、お互いに成長できたり、活躍の場を広げられることに繋がると思います。“個人”事業主でも、組織の中での役割を認識する石塚直樹さん 常に「人生を楽しく生きたい」ということをコンセプトに活動しています。現時点では、エアロビクス以上好きだと思えるものや、これ以上やっていて幸せを感じられるものはありません。でも常に人生を楽しくできるものへのアンテナを張っています。そして、これをやったら、お客様にもインストラクターにも喜んで貰えて、自分も楽しい、みんながハッピーになれると思ったら、すぐに形にできるように行動に移します。 会社を立ち上げたのは、企業に頼らず、自分で仕事をつくっていこうと思ったのが、きっかけとなりました。以来、イベントや合宿、海外ツアーや、チームで競うコンテストなども企画しています。最近注目しているのは、阿波踊りへの参加。高円寺の阿波踊りに参加するチームを募って、全国から応募があります。事前にDVDで踊りを覚えて貰って、当日はみんなでその楽しさを共有します。踊りにエアロビクスの要素をアレンジして入れることで、エアロビクスに親しみのない一般の方にもエアロに親しんで貰える機会になればと思います。 レンタルスタジオを利用したスクール事業なども事業化させて、仲間のインストラクターとそのビジネスモデルを共有して、新たな可能性が開けるお手伝いもしていきたいです。「人生を楽しく生きたい」自分の信条をとことん追求三木侑平さん フリーという立場で、クラブのイベント企画に携わっています。クラブの支店長から企画書の書き方や、イベント運営などについて教えて貰える環境をとてもありがたく思います。自分からクラブの仕事にも積極的に関わっていくことで、フリーでも、組織人としてのビジネスマナーや仕事術を学べる環境が得られます。 2010年から自らが主催するイベントを実施するようになり、インストラクターが企画するイベントもかなり増えました。今後は、淘汰が始まるでしょう。選ばれるイベントにしていくために、イベントへの思いを強く持つことや、協力してくださる方にメールや電話だけでなく、直接会って依頼やお礼をするといった基本的な礼儀を守ることも大切にしていきたいと思います。 一見遠回りと感じても、目の前のことをしっかりやっていると、見ている人は見ていてくれて、その努力は将来に必ず繋がると思います。同期が自分よりも活躍していると感じると焦る気持ちもわかります。そんな時こそ、今の自分の仕事を一つひとつ大事にすることが大切だと思います。目の前の仕事から、将来に繋がる多くのことが学べる藤原一也さん 若いうちは身体も心も動くので、目の前のことを精いっぱいやることが重要ですが、30代に差し掛かったら、将来のことを考えることも重要です。どんなにトレーニングを続けていても、年相応に体力は落ちていきます。「今動けるからいい」ではなく、「動けなくなる時が来る」と考えて、エアロビクスインストラクターという活動プラスαを常に考えるべきです。 ここ数年、フィットネス業界、はたまた日本の発展に不安要素が多くみられることから、インストラクターとして業界の発展に寄与できることを考えたり、活動ステージをスポーツクラブ以外に求めることも重要でしょう。業界内外の人とも積極的に情報交換をして、景気がどうなっているのか、業界がどうなっているのか、他業界がどうなっているのかといった社会全体の動きを知り、自分の将来を考えることも必要です。動けるうちに、将来の準備を樋口敬勇さん やってみなければ分からないことはたくさんあります。やってみて、反省したところを修正していくことで自分がイメージしたものに近づけるものです。 地方で活動していると特にですが、自分から行動しないと、待っていても自分が成長できる機会は得られません。環境は自分で整えられる。積極的に自分から人に会いにいったり情報を発信したり、情報が得られる場をつくるなど、自分ができることから行動に移していきましょう。 「頼まれ事は試され事」という言葉があります。頼まれたことは、多少きついなぁと思った内容でも「試されてる」と思って相手の期待を上回るつもりで行う。 それによって、また仕事のチャンスが巡ってくるのです。待っていてもチャンスはこない。自ら行動を起こす“おっさん”インストラクターが伝授するビジネスマナーと仕事術24February,2011 www.fitnessjob.jp

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