『月刊NEXT』 No.45
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18December,2010 www.fitnessjob.jp「都内にはそういったクラブが約80ありますが、地域への溶け込み具合には自信があります(笑)」 両クラブ合わせて、約70名のスタッフが働いているが、その中には、「スポーツクラブリーダー」という葛飾区認定の資格を持つ者も多い。彼らは、もともと何らかの体育団体やスポーツ協会に所属している人も多いが、規定の講習を受講すれば誰もが活動に参加できる。 正業と両立しているメンバーも多い。フィットネスインストラクターの仕事を持つある女性は、育児休暇中の空いた時間を使って地域の指導員として活躍しているとか。地域の活動への関わり方は多様だ。「これまでは、インストラクター・トレーナーの方が持つ地域貢献の意欲に対して、受け皿がなかった。まだ発展途上ですが、皆さんのスキルを活かせる場ができ始めています。これからどんどん参加、支援してほしいですね」 以前から区内の運動施設の整備などに力を入れていた葛飾区は2008年、「葛飾区スポーツ振興計画」を策定した。「認定指導員を養成し、彼らが活躍できる総合型地域スポーツクラブを立ち上げる、そしてそれらがうまく連動するシステムを作る。この『人づくり・うつわづくり・システムづくり』を重点項目としています」 葛飾区は2008年に「こやのエンジョイくらぶ」、2010年に「オール水元スポーツクラブ」という総合型地域スポーツクラブを開設した。人づくりから始める総合型地域スポーツクラブこやのエンジョイくらぶのプログラム一覧と市民が指導するチアダンスの練習風景Katsushika TOKYOKatsushikaTOKYO葛飾区東京都柴田賢司さんお話を伺った方葛飾区教育委員会事務局生涯スポーツ課長倶楽部の運動指導師の方に巡回していただいているんです」 サロンで運動指導をするスタッフは、地元住民の有償ボランティアの方たち。総勢30名ほどのボランティアスタッフは、各サロン2〜4名で運営されているが、その多くは60代前後の高齢者だという。教える側にとってもこの活動が介護予防になっているのだ。「運動を教えることをやりがいに感じ、皆さん生き生きしてらっしゃいます。指導するといっても完全なる専門家ではないので、運動指導の知識を持ったインストラクター・トレーナーの方に、運動することや仲間作りの楽しさを含めた指導のお手伝いをしてもらえるとよりよい活動になると思います」 栃木県宇都宮市に隣接する芳賀町は、13の自治会から形成される人口約1万7千人の小さな町。栃木県民の生活習慣病の予防と健康の保持増進活動を行う財団法人栃木県健康倶楽部と協力して行っている介護予防の取り組みが自慢だ。 国の定める条件に当てはまるハイリスク高齢者(二次予防事業対象者)と一般の高齢者を対象に、介護予防の運動指導を行っているが、そのためのサロンが芳賀町内に17カ所あり、毎週1回ずつ運動指導教室を開催している。「まずは、高齢者の方々をいかに外出させるか、が大事。でも楽しいだけでなく、きちんとした運動もして介護予防の効果をあげていただきたい。そこで、栃木県健康自宅の近くで介護予防元気アップ教室Haga TOCHIGI小林 しげ子さんお話を伺った方栃木県芳賀町健康福祉課地域包括支援センター係長 保健師HagaTOCHGI芳賀町栃木県特定高齢者のための「元気アップ教室」の様子。町内に17カ所あるので参加者はみんなご近所さん同士

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