経験から生み出した ビューティービルディング
2016年8月19日
【進化する女性のためのフィットネス(7)】
日本女性の美を支えるトレーナー・インストラクターたち。 自身も輝き続ける女性指導者に、進化する日本女性のトレーニング・フィットネスについて話を伺った。年齢とともに、時代とともに、進化し続ける女性が輝き続ける秘訣とは。
(「月刊ネクスト」特集より)
<お話を聞いた方>
Shieca さん フィットネスライフコーディネーター/ フィットネスモデル
1979 年生まれ、運動不足から体型の崩れやセルライト・体力低下に悩み、27 歳から本格的な筋力トレーニングを開始。
鍛え上げられた体を競うコンテスト「ボディフィットネス」へ出場し競技に打ち込む。その実績から、ボディメイクセミナーの依頼を受け発信する側へと人生の変化が起こる。
その後も新たなボディラインを作り上げる為にトレーニングを実践中。実体験を基に、個性美を作り上げる楽しさを伝える為に「BeautyBuilding」を掲げ活動中。
普通の女の子の経験が生かせる仕事
Shiecaさんの肩書きは「フィットネスコーディネーター」。あまり耳にしたことがない肩書きである。
ご本人も、「私はインストラクターでもないしトレーナーでもないんです。1フィットネスファンというのがもっとも近いかなと思います」と言う。
小柄で笑顔がキュートな女性だ。しかし、彼女は、知る人ぞ知る、元ボディフィットネス選手。2008年~2010年「JBBF ボディフィットネス」に出場し東京、関東、東日本大会優勝、全日本大会準優勝という素晴らしい成績を残している。当時の写真を見ると、今とは別人。バルキーな身体である。
「じつは私はスポーツ経験もなく、どちらかというと身体を動かすのが苦手で、本を読んだり映画を見たりすることが好きな文化系女子だったんです。27歳の時、体型の崩れとスタミナ不足を感じて、たまたま友人の紹介でゴールドジムに入会しました。そんな性格でしたからエアロビクスのようなプログラムについていけず、自分のペースで黙々とできる筋トレをやっていたんです。」しばらくすると、やればやっただけ自分の身体が変わっていくことに気づいた。しかも、筋肉がついていくことが嬉しくてたまらなかったという。
「明確な目標を持とうと、憧れのアメリカンフィットネスロールモデルのモニカ・ブラントを目標に本格的に競技生活に入りました。これが思ったより大変で(笑)、ものすごく苦労しました。それでもなんとか1年目で結果を出せたので、もういいかな、とも思っていたんです」
でもその時、憧れの先輩から『Shiecaちゃんがトレーニングしていたらきっと多くの女性たちもトレーニングがしたくなると思うよ』と言われたという。
その言葉が心に響いた。その後2年間の競技生活を続け、現在のShiecaさんへと繋がっていく。コンテストから離れて5年。筋トレ漬けだった生活から、新しいボディメイクに挑戦し、女性らしい身体をつくるオリジナルメソッド『美ツイスト・ストレッチ』の開発に至る。Shiecaさん自身、毎日欠かさないというストレッチ。その経験から、日々気軽に取り組めるメソッドにまとめ上げた。
仕事場は、自分にとっての学びの場でもある
現在の活動は、フィットネスクラブや商業施設などでセミナーをしたり、女性誌、専門誌をはじめメディアでのボディメイクエクササイズを監修したり。また正しいフォームの実践指導者としてフィットネスモデルとしても活躍中だ。
「最初、セミナーのお話を頂いた時、私はインストラクターやトレーナーという指導者の道を通ってきていないので自信がないとお断りしていたんです。でも、私みたいな普通の人が筋トレをして心身ともに変わっていく話が面白いと言ってくださったので、それでいいならとジム内でのセミナーをお引き受けしたんです」
今の仕事の中で、とくに楽しいというのが大学での女子トレ部。Shiecaさんが監督となり、女子大生と筋トレの部活動を行っている。
「筋トレに興味を持ってくれた女子大生が集まり、トレーニングを通して視野を広げたり、様々な経験をしてもらう場です。私にとっても学びの場になっています。将来的には、彼女たちのようにフィットネスに興味を持ってくれた子たちと一緒に仕事をしたいなと夢も広がっているんです。こんな風に、フィットネスの入り口にいる方々にフィットネスライフの楽しさを伝え、またそれをすでに楽しんでいる方やプロの方々から情報や刺激を受けて、勉強しながら今の仕事をさせていただいているんです」
今の女性はそれぞれに答えを持っている
そんな活動を通してShiecaさんが感じる今の女性観とは。
「私が筋トレを始めた頃と比べると、女性のフィットネスに対するニーズがすごく変わってきたなという印象があります。私自身もそうですが、以前は自分の身体をどこか否定していて漠然と痩せたらいいなという意識があったように思います。でも今の女性たちの話を聞いていると、今の自分を良しとしつつ、自分はもう少しこうありたい、という理想がハッキリしていている気がします」
これは、パーソナルトレーニングが一般的になってきた背景にも深く関係しているのだろう。Shiecaさんもそんな女性たちの気持を大切にしている。「私は競技者だった時に、筋トレを自分の中ではふりきれるくらいに頑張りました。競技を離れて新たな身体づくりに目標を設定した時、試行錯誤しながらもエクササイズや食事を変えていくことも楽しめました。その経験から、女性たちには『今より少し頑張ることで積み重ねが糧となり、その後、頑張り過ぎないことも楽しめるようになりますよ』と伝えています。
私は自分の身体で勉強していると思っています。その個性美を創り上げることをビューティービルディングと表現し伝えています。指導というよりも、一緒にフィットネスを楽しく共有していきたい。これからもまだまだ勉強です」
☆LIVE編集部