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私の体調管理

身体がラクになることが美の軸をつくる


【進化する女性のためのフィットネス(2)】

日本女性の美を支えるトレーナー・インストラクターたち。 自身も輝き続ける女性指導者に、進化する日本女性のトレーニング・フィットネスについて話を伺った。年齢とともに、時代とともに、進化し続ける女性が輝き続ける秘訣とは。

(「月刊ネクスト」特集より)

<お話を聞いた方>

樫木裕実さん *ボディメイクトレーナー
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1963 年生まれ。代表作「樫木式カーヴィーダンス」。2012 年11 月育児雑誌が選ぶ子育てトレンド第5 回ペアレンティングアワード受賞(文化部門)。ダンスやフィットネス業界に31 年間携わり、その経験から樫木式メソッドを考案。多くの方々の美を作り出し、タレントなどからも厚い信頼を受ける傍ら、トップアスリートのトレーニング指導、リハビリなど幅広い分野で活躍中。個人の目的に合わせて展開するメソッドは的確で発想力豊かだと雑誌やテレビでも定評があり、累計部数、約500 万部突破したDVD 付著書は「自宅でも楽しく続けられる」と老若男女幅広い層の支持を得ている。

樫木裕実オフィシャルHP http://kashiki.net/

「身体がラクになる」究極のメソッド

 「私、意思のある何でも屋なんです」と話し始めた樫木裕実さん。

 今や誰もが知っているカーヴィーメソッドの考案者であり、日本各地から熱いオファーを受け全国をとびまわっては講演活動・イベントに出演。その一方で、著名人のクライアントを多数持つパーソナルトレーナーでもある。

 「その時々のニーズに合わせて七変化するんですよ。どんなきっかけで皆さんが身体を動かすことの素晴らしさを知ってくれるかわからないですからね。多くの方々が楽しく取り組めるDVDを毎年発信したり、アスリートや一般の方々のケガなどの調整パフォーマンス向上のためのトレーニング、全国各地の看護師、医師、福祉従事者などへの講演、さらに企業セミナーやマタニティ(産前、産中、産後)のトレーニング指導、カーヴィグループレッスン、メディアを通じた楽しいエクササイズの発信。様々なシチュエーションで指導をさせていただいていますが、すべて芯は一緒なんですよ」。

 その芯とは何かと尋ねると、いつもニコニコしている樫木さんとは別人のような真剣な表情でこう話し始めた。


 「長年ボディメイクに携わらせていただいて感じた事は、アプローチの仕方こそ違えど根本の『こうあるべき』という身体作りの在り方は、つだったんです。トレーニングやエクササイズを通して『身体がラクになった』という実感を感じること。それこそが、良い方向へ身体が軌道修正されたという証です。身体がラクになることが究極のトレーニング。そこに導くトレーナーであり続けたいと思っています」


感度を高めて、身体の軸を取り戻す

 樫木さんは今年から、ラジオ番組で『妄想カーヴィー』という新しい試みをスタートしている。


 「毎週、ラジオの前で私の言葉を聴いてイメージを膨らませながら身体を動かしてもらうのです。翌日に番組のフェイスブックでエクササイズの動画や写真を掲載しています。皆さんがラジオからイメージして、こんな風に動いたというコメントはとっても興味深く面白い反応をくださいます。」
この試みの狙いは、「感度」を高めてもらうことだという。「今の時代は情報社会であるがゆえに情報量も多く、人に聞けばすぐに答えてくれたり、時には幾通りの答えが返ってきたり。私の時代は人に聞くよりも目で盗んで感覚でひろって感性を高めて自分の身体に養ってきました。今は便利になった分、身体の感度も鈍くなっているように思うんです。身体づくりの本質はイメージを膨らませて自身の身体に問いかけて感じること」。

感度が低いままでは、本当に自分に合うものを見極められないうえ、正しいかどうかもわからず、あれこれ手を出してしまう。そういう人が増えてきているというのだ。

 「トレーナーの仕事は、まず自身が感度を高めることです。そうしないと人にマニュアル通りでしか伝えられなくなってしまうから。人の身体は千差万別ですからマニュアル通りにいかないことばかり。人の身体を変えていくのは身体だけではありません。本来人間が大切にしなければいけない身体の動作や、人が痛いと思った時にしてしまいがちな誤った動作などを正しく身体にインプットさせていくには、脳にもたたき込んで育てていかなければいけないんです。

 私は例えばケガをした選手がいて、術後のトレーニングを任されたら、その選手がケガや手術をしたことさえ脳から忘れるぐらいにする事が究の“完治”の在り方だと思っています。そう考えるとトレーナの仕事は、身体だけでなく脳にもインプットしていける力量が必要です。
キャリアを積んでも一生研究です」。「身体がラク」な状態に導くには、身体の正しい軸が必要で、その軸とは、骨盤を立たせて、背骨が気持ちよく真っすぐに乗っている状態と樫木さんは定義する。


 「これを自然に自分の身体に植えつけることは、簡単で当たり前なように思えて、実はそれを本当の意味で理解して身体にインプットさせるには時間がかかります。一時これが気持ちいい状態だとわかっても、少し経つと崩れて忘れてしまう。人は様々な生活習慣や身体のクセ・特徴から微妙に身体の方向がずれていくんです。重心が背中や前腿に偏る人も多く、そのままの状態で身体を動かしている人も多く見られます。

 また力みのある力任せのパワーは、その時は発揮できても後々ケガや記録が伸びない原因にもなります。女性はホルモンの関係からも周期的に身体に不調が起こりやすい。私のメソッドでは、動きの中でいろいろな動作があっても必ず身体が正しいポジションに戻り、動きながら力みを開放し、関節の可動域を徐々に広げていき、緩める所と効かせる所のメリハリをつけていきます。その一連の動きが終わった後はいつの間にか正しい軸が備わっている。結果、身体がラクに、強くなるのです」

培ってきたメソッドを書き残す
 

 今年の4月で52歳になるという樫木さん。今もなお、現場に立つのが大好きだという。「この歳になると、裏方に回るころだと思うのですが、自分の実力は現場を踏んでこそ。身体づくりは、いろいろな人の心と身体に携わることで、つねに進化がある。だから自分の腕を鈍らせないためにも、この仕事を続けている限り生涯、現場にいようと思っているんです」。


 そして、今後の目標は、自身のメソッドを生み出した視方、考え方を書き残すことだという。それを樫木さんは「遺書」と表現する。
「人間は明日どうなるかわからないと強く感じています。それは、私が携わっている多くのリハビリの方々から学びました。昨日までなんでもなかった方が突然予期せぬ事故や病気やケガに見舞われる。これは他人事ではなく、自分にも、全員にあてはまることです。私はリハビリを通して、彼らが少しずつ動けるようになっていく姿にいつもエネルギーをもらっています。

 これまで培ってきたこと、そして今日、明日、明後日、学んだことすべてが私の財産です。それを1つずつきちんと書き残し、発信しておこうと思っているんです」。

(「月刊ネクスト」2015年3月号No.96より)



☆LIVE編集部

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