痩せすぎ、運動不足は不妊のモト
2017年5月1日
日本マタニティフィットネス協会の山口瞳です。
マタニティビクスやママとベビーのフィットネスの指導をしています。
今回は、若い女性の健康と妊娠についてお話しします。
若い女性の痩せ、運動不足
現在、20代女性の20パーセントがBMI18以下の「痩せ」といわれています。
美への意識が高まり、過度な食事制限によるダイエットなどで、飽食の時代といわれている現代にもかかわらず十分な栄養を摂取していない女性が多く、食べ物があまりなかった終戦後よりも食事からとるエネルギーより少ないといわれています。
運動習慣率を見てみても20代、30代女性は他の年代に比べて低いデータもあります。
仕事、結婚など女性にとって環境が変わる年代でもありますが、これから出産・子育てをしていく大事な時期です。
樹木に例えるなら、栄養たっぷりな土壌づくり、苗木を大切に育てる時期。
結婚後ではなく、それよりもずっと前から女性にとって未来を見据えた健康的な身体づくりが必要といえます。
やせ妊婦の増加とその影響
同若い女性のやせ、運動不足と同時にやせ妊婦も増加しています。
妊娠中十分な栄養をとらないことで2,500g以下の「低体重出生児」が増え、それが産まれてきた赤ちゃんの将来にまで影響があることがわかっています。
1986年英国サウザンプトン大学のDavid Barker教授の「成人病胎児期起源説」がそれです。
胎児期や乳幼児期に低栄養または過栄養なると、将来、成人病になるリスクが高くなるというもの。
また、両親の生活習慣は子供の生活習慣にもなる為、食習慣や運動習慣は当然受け継がれていくことになります。少なくとも妊娠したら、ご自分の健康管理と同時に産まれてくる赤ちゃんの将来を考え、妊娠中の健康管理をしていただきたいと思います。
妊娠中の運動
流産例の90%が妊娠10週までに起こるといわれています。
また妊娠12週頃までは胎児の器官形成期であり、感染や高熱、そのための投薬などは極力避けることが望ましいといわれています。
安心して行うためにも13週頃から運動することをおすすめします。
まずは主治医の先生に妊娠経過が順調で、運動してもよいか確認しましょう。
また、妊娠の経過で運動がストップになる場合もありますので、検診時には運動をしていることを伝えます。
妊娠中は日々体調が変わったり、転倒の危険などがあったりしますから、妊婦のための運動処方が必要です。
妊娠中の運動についての知識をもった指導者の元でおこなうことがより安心です。
次回は妊娠中、お産に必要な体力「5メソッド」が入っている「マタニティビクス」をご紹介いたします。
☆山口 真澄