子どもは思い通りになりません
2017年1月18日
「うちの子は何回同じことを言っても変わらないのよね…」
こんな台詞を言ったことはありませんか? 言葉に出していなくても、心の中で思っている親は多いのではないでしょうか?
私はたくさん、カウンセリングの場で親のこの台詞を聴いてきました。
でも、変えなければいけないのに変えられないのは、親の方なのです。
なぜ変わらないのでしょうか。
何をどう変えなくてはいけないのでしょうか。
子どもにとって、親は絶対的な存在
幼い子どもは、そもそも親が間違えているという考えはありません。親は絶対に必要な存在だからです。だから、親に注意されて怒られすぎると、なおす部分がわかる前に、自分がすごく駄目な人間だという重荷だけ背負うことも少なくありません。
また、「うちの子は本当に秘密がなくて、嘘をつかなくていい子なの」という親もいますが、これは親が支配的な傾向にあります。
子どもがしかるべき時期に、秘密を持ったり、軽い嘘をついたり、反抗したりすることは、成長なのです。
それを、「それがないからいい子」としていると、子どもは親の世界の中でしか生きられません。自分で判断する力も奪われます。
子育ては、死ぬまで正解がわかりません。
専門家にだって、完璧な子育てなどできないのです。
ひとつ言えることは、子どもの人生は子ども自身が、選んで、コントロールして、感じなければいけないのです。親がずっとハンドルを握ってあげることはできないのですよ。
私と息子のことを「仕事で子どもと離れる時間が多くて大丈夫ですか」と聞かれることもありますが、私は笑顔でその愚問をかわします。
息子は自分で考えて行動するチャンスが多くあり、親以外の人に助けてもらう機会が多いからラッキーじゃないかと見ていて思っているからです。友だちも多く、頼もしい男子になってきました。
「お世話してあげる」ことと「子どもの孤独感」は全く別のことなのです。
(ただ彼の要望で、学校行事にはなるべく参加してほしいということなので、鋭意努力しています・・・)
怒るのではなく、具体的な目標・要望を伝えよう
子どもの忘れ物や遅刻が多くて悩んでいるママ。
旦那さまのお金の使い方や酒癖の悪さで悩んでいる奥さま。
毎回ガミガミ怒っていませんか?
いくら怒っても、言われている方は「これからがんばる」しか言えないのです。だって本人がどうしていいのかわからないのだから。
なおして欲しい相手に私たちができること。それは、具体的な行動の目標を立ててあげること、具体的な要望を示すことです。
「明日の支度は、19時までに終わらせよう」
「爪は毎週日曜にチェックしよう」
「呑んで帰りが遅くなりそうな場合は、12時に1回連絡してね」
このように、具体的な数字などを入れて、習慣化するのです。そうすれば、本人は自分で行動が起こせます。そして、なぜできなかったのかという理由を答えやすいはずです。
子育てしている皆さん自身も、今年は具体的な目標を立てて何かに挑戦してみましょう。
人にばかり注意して、怒り、疲れる人生でなくてもいいのです。
大人が目標を持ってがんばっている姿は、意外といいものです。
☆土屋 未来