FITNESS BUSINESS

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リニューアル事例からみた 各社のリニューアル ポイント

2016.07.20 水 トレンドサービス

トレンドアイテムの投入 ホット、バイク、ファンクショナル

今回3クラブで共通して導入していたのがホットスタジオだ。ホットヨガは、2000年代後半から流行り始め、ホット専用のスタジオなどがつくられていった。この流れを受け、5年ほど前からは総合フィットネスクラブに付帯させる動きが出てきた。コストをかけずに導入するのであれば、自社で設置することもよいだろう。3クラブに限らず、リニューアルでホットヨガスタジオを導入するクラブは非常に多く、すでにフィットネスクラブの1アイテムとして定番化しているといえるだろう。

ほかに、現在のトレンドとなっているのは、6年前から都心部を中心に運営されている「フィールサイクル」のオープン以降人気が高まっている、バイクスタジオである。ビッグエスでは、「エキサイトライドスタジオ」として、照明や音響などを変更して、2種類のプログラムを展開し、若年層と高齢者層の両方にアプローチできている。

朝日スポーツクラブ BIG-S竹の塚「エキサイトライドスタジオ」

ハクヨプロデュースシステムでも、今回のリニューアルでは導入には至らなかったものの、検討アイテムとして挙がっていたという。バイクプログラムの人気の高まりの要因として考えられるのは、ダンス系プログラムやエアロビクスと違い、ジム中心で利用していた会員さまや新規にフィットネスを始めたいと考える会員さまが参加しやすいプログラムであることが挙げられよう。

今回取材したクラブに限らずバイクスタジオを導入しているクラブは、ほかのプログラムと比較して男性比率が高いことが多い。バイクプログラムについては、スタジオをつくらずにジム内でプログラム展開しているクラブもある。音響など気になるところだが、ジム内が活気づくというメリットもある。 さらに、6〜7年ほど数年前から徐々に増えているのが、ファンクショナルトレーニングエリアだ。ジム内にグリーンを敷くなど、広めのフリースペースを設けることは、もはや多くのクラブの定番となっている。

さらに、そのフリースペースで効果的にスモールグループプログラムを提供するために、セントラルスポーツが導入しているQueenax(プリコー)をはじめとした様々なツールをマシンメーカー各社は展開している。ILEX FITのパーソナ ルジムに導入されているキネシス(テクノジム)もファンクショナルな動作を向上させるためにつくられたマシンである。このほか、ジョンソンヘルステックなどもマトリックス・コネクサスの提供を始めている。

定期的な小規模リニューアルとソフトの刷新

リニューアルというと、内装の変化や新規アイテムの投入、マシンの入れ替えなどを思い浮かべることが多いが、それ以上に大切なことは、施設を維持するための設備の更新やクレンリネス、少ないコストで行えるトレーニングツールの導入などを定期的に行い、常に会員さまに新鮮さを提供すること。

大規模リニューアルによって長期間休館などする場合、会員さまの期待度は高くなる。その期待に応えるような、見るからに施設の変化を感じられるリニューアルを行うためにも、定期的なメンテナンスを行うことは不可欠だ。プールや空調の設備は、高効率機器を導入することで水光熱費の削減につながり、利益に直結することからも、定期的な更新が必要といえる。

セントラルスポーツ「Queenax」

施設やマシンは、リニューアルをしたその瞬間から古くなっていく。それを補うのが、ソフトのリニューアルとスタッフの意識の向上だ。例えば、ビッグエス竹の塚ではエキサイトライドスタジオの内装をリニューアルするとともに、プログラム展開も1種類から2種類に増やし、参加者の層を広げている。ハクヨプロデュースシステムでも、レンタルウェアの渡し方を変える、クレンリネスを強化するなどの取り組みを行っている。セントラルスポーツも、真新しいプログラムを導入する、ジムのフリースペースで使うツールの更新など行っている。

【取材・編集】
フィットネスビジネス編集部:剣持 真由

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