FITNESS BUSINESS

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成功するマイクロジムのビジネスモデル -前編

2016.05.25 水 TR-キャリアビジョン

日本のフィットネスへの参加率は3.3%、総売上は4,300億円と、とても小さな市場です。ただし、書店へ行けば健康関連の書籍がたくさん出ていて、テレビからも“腰痛改善”や“肩こり改善”などのことばがほぼ毎日のように聞かれます。なぜそのような人たちはクラブに行かず、病院や整骨院に行ったり、または本などに流れてしまうのでしょうか?また、皆さん方には先輩たちが述べるマーケティング理論に毒されていないか?ということも問いたいです。

ビジネスの基礎知識としてもつことはもちろん大切ですが、フィットネス業界でいわれるマーケティング理論は「3.3%のビジネスモデル」だと私は思うのです。自社独自のものを考えていくことをお勧めします。そのほか、マンションの1室を借りてパーソナルレッスンを提供するトレーナーも多いですが、これも問題ですね。これではほとんど人に会いません。実際、「1日3人程度のお客さまにしか会わない」という話も聞きます。人の動作をみて身体の状態を把握 するトレーナーが、人と会わないのはいけません。これなら、外で歩く人を観察するほうが、まだ勉強になると思います。しかし、そういう人たちは、「先輩もやっているから」と言う。 これは悪しき慣習です。

もっといろいろな人に会って、いろいろなことに興味をもってほしいのです。興味がある物事と、マーケティング含めたビジネスの基礎知識がつながれば、何かが生まれるはずです。「トレーナーにしか興味がありません」。こういう人は本来、独立してはいけないのです。ですから私は皆に独立を勧めるわけではありません。講演の最後にも必ず「私の話を聞いて、『そこまでやりたくないな』と感じた人は独立しないでください」と伝えています。

独立する際に大事なことの1つは、理念と情熱をもつこと。どんなことをしても成功させる、これだけはゆずれない、というものをもつべきです。これがないと、いくらビジネスセンスがあっても、何も残らないと思うのです。

また、何をいわれようが理念だけは変えてはいけません。 本日の講演で、私は当クラブのビジネスモデルを皆さんに学んでほしいわけではなく、私がどういう想いで運営しているのか、それを知ってほしいと思っています。もちろん、当社と同じことをやっても成功は保障できません。私自身、独立した当初は「3年半で50店舗にしたい」と言っていたのですが、こだわりをもって運営しているので、取り組んでみて初めて、これはチェーン化ができるモデルではないと気づきました。

FunCのビジネスモデル 其の一

1.スモールグループセッション

当施設は、基本は6人程度のスモールグループセッションが中心で、大人と子どもが一緒のクラスでトレーニングすることが特徴です。パーソナルトレーニングを(以下、PT)希望される方は「PT会員」になっていただきます。施設の売りは機能改善。ダイエットなどは、結局食事の問題ですから、「ダイエットしたい」という方には「食事を変えればいいのでは?」と言います (笑)。

また、ダイエット希望で来られても、詳しく話を聞くと、実は「腰が痛いから」などの理由が隠れていることも多く、そこにアプローチをかけていくと入会につながることが多いです。当施設では、体験した方の9割以上が入会してくれています。スモールグループセッションは1日約9本で、システムから予約していただきます。初級、中級・上級などレベル分けはしていません。

小学校の子どもとそのお父さん、サッカーに取り組む中学生やプロの格闘家が、一緒になって同じスモールグループレッスンに参加していたりします。動作の可動域や負荷を一人ひとりに合わせることにきちんと対応すれば、問題はないですね。これにはお客さまも最初はびっくりしますが。 先ほど述べたように、「PT会員」も設けていますが、選ぶ方は少ないです。

自分で自分の身体をきちんとみられるようになったら、たとえ単価が減ろうとも、私もグループレッスンへ移ることを勧めているんです。当施設では、「スモールグループレッスンへ早く移りたい」が「PT会員」のお客さまたちのモチベーションになっています。フィットネスクラブは逆ですよね。

2.月会費制度

これをいうと少し語弊があるかもしれませんが、私は独立するときに、「フィットネスクラブで行っていたことの逆のことをやろう」と考えました。フィットネスクラブが悪いといっているわけではありません。月会費制度などはすばらしいシステムですから、そこは残しました。パーソナルトレーナーにとって一番不安なのは、自分が怪我などでセッションができなくなったり、クライアントが入院するなどして収入が途絶えることだと思います。月会費制度であれば、通えなくなったクライアントにトレーニングビデオを送るなどの対応をすることができます。今はスマホで動画も撮れるから便利になりましたね。お客さまに私の動きを撮ってもらったり、反対に私がお客さまの姿を撮影して前回の動きと比較したりなど、いろいろと活用しています。

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株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子  悟

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