FITNESS BUSINESS

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リハビリと予防で多くの人の心身を健康にする

2016.08.25 木 TR-キャリアビジョン


現在では、スタッフは5人に増え、月間延約200名にセッションを提供している。トータルリハビリテーションセンターは、主に三次予防を対象としたリハビリ施設だが、一次予防のための施設として、今年5月、横浜市にSCAPULA(スキャプラ)をオープンした。同施設は横浜新都市脳神経外科病院の院長が監修する株式会社BONDCompanyが運営しており、友広さんは取締役CTOとして現場の責任者となっている。「日本の病院は、手術をするか投薬をするかのどちらかです。しかし、投薬では一時的に症状を抑えられても、治すことはできません。よい状態を維持するためには自分で身体を動かすことが必要です。手術、投薬次ぐ3つめの選択肢となる施設としてSCAPULAをつくりました」

現在、日本の医療費は40兆円を超え、このうち約10兆円が調剤費(薬剤処方)であり国家予算を圧迫している。しかし、国民の医療費負担は低いため、予防の観念が低いのである。友広さんは、一次予防を普及させることにより、医療費の負担を軽減させたいと考えている。SCAPULAは、そのための施設として、パッシブケアからアクティブケアへという流れでサービスを提供している。「人間の脳は新しいことを拒否する仕組みになっているので、パッシブケアだけでは一時的な効果しかありません。それを続けると同時に、必要な筋肉をつけることでよい状態を長く保てるようになります。日本には、パッシブケアとアクティブケアの両方を提供できる施設がありません。また、健康で且つ運動が好きな 人が通うフィットネスクラブと、疾患を抱える人が通う病院の中間(ハブ)となる施設がほとんどありません。病院で運動を勧められても何をしていいかわからないという人もたくさんいます。病院からの紹介でSCAPULAに来ていただき、ここで運動を学んでもらい、自分でできるようになれば卒業してフィットネスクラブに通うという流れができるとよいと考えています」

お客さまの身体がよくなり元気になることがやりがい


仕事を始めてから「いつも楽しい」と話す友広さん。「リハビリに来るお客さまは、世界で一番不幸という顔で来ることが多いのですが、何回か通ううちに顔が変わっていきます。それを見ると嬉しいですし、この仕事をしていてよかったと思います。お金をもらって『ありがとう』と言ってもらえるすばらしい仕事です。このような場所をもっと増やしていかなくてはいけないと思っています」

SCAPULAは国内大手の医療法人IMSグループが全面的にバックアップしているため、今後同グループの施設に隣接して多店舗展開することを視野に入れている。そのために必要なのが、スタッフの育成だ。現在6ヶ月間の研修パッケージができており、同施設が軌道に乗ったら研修を行い、スタッフを増やしていく。

s_%e5%8f%8b%e5%ba%83%e2%91%a0-1お客さまの「ありがとう」の言葉が何よりもうれしいと語る、友広氏

リハビリをパッケージ化 有資格者が全国展開


人々を健康にするという目標に貪欲な友広さんは、新しい取り組みとして2015年にAub株式会社を設立、岡山大学の研究室と組んで腸内細菌の研究を行っている。すでに、アスリートにパフォーマンス向上のためのサービスを提供しており、今年10月には一般向けサービスもリリースする予定だ。

さらに、脳外科のリハビリをパッケージ化して全国展開することも進めている。「医療制度による制限があるため、リハビリをしたくてもできない人がたくさんいます。その人たちにリハビリを提供できる人を育てています。柔整および鍼灸の施設を持っている人に資格をとってもらいたいと考えています。このままではいずれ保険制度は崩壊してしまうでしょう。鍼灸や柔整の資格保持者のなかには、保険適用外の自由診療では経営が立ち行かなくなってしまう人もいるので、彼らを育てるのです。それができれば、皆にとってプラスになります。これからはお金で健康を買う時代が必ずきます」日本で予防医療とリハビリを定着させていくために、友広さんは様々な構想をもち、具現化させていく。

【Organizetion Data】

株式会社トータルリハビリテーション
所在地: 東京都八王子市万町38-1
ホームページ:http://total-reha.com/
設立: 2012年3月 資本金 1,000万円 組織5人
収支構造:【売上】 診療及びリハビリテーション(アクティブケア)の提供 【経費】人件費、施設運営

株式会社 Bond Company
設立: 2016年1月
資本金: 2,000万円
組織:  8人
収支構造:【売上】診療及びリハビリテーション(アクティブケア)の提供 【経費】人件費、施設運営費

【記事出典】
月刊NEXT 2015/May No.114 My Dream,My Business

【企画・構成】
株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子  悟

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