FITNESS BUSINESS

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【NEXT 2月特集】 テクノロジーが変える ジム運営 "マイクロジム"篇

2017.01.26 木 スキルアップ

CASE #7 SAWAKI GYM 澤木一貴トレーナー

Fizitとは?

「Fizit」は、インターネットの環境を活用して、いつでもどこでもパーソナルセッションが受けられるサービス。「筋トレ文化を広げたい」と、NTTレゾナントの平野雄三さん、北村良明さんが新規事業の社内コンテストに提案。第1号案件として選ばれ、2017年1月にローンチされたばかりの新サービスである。

仕組みは、Fizitが、オンライン上のパーソナルジム運営会社としてトレーナーを募集し、オンライン面接に合格したトレーナーを契約トレーナーとしてFizitサイトで紹介、予約を受け付ける。ユーザーはFizit に会員登録し、教えてもらいたいトレーナーを選び、オンラインで予約を入れる。トレーニングのサービスはスカイプを通じて行い、トレーニングが実施されるとオンラインで決済される。指導料は、数十パーセントの手数料が引かれた後、トレーナーに支払われる。

トレーニングは、トレーナー側もユーザー側も、動けるスペースとインターネット環境、PCかスマホさえあれば利用が可能。予約時間に、トレーナーがユーザーをスカイプで呼び出し、1セッション45分で提供する。近年英会話市場で利用者が増えている「スカイプ英会話」のパーソナルトレーニング版となる。ジムを持たないパーソナルトレーニングジムの新業態となる。

より安価に、安全に、タイムリーに、出張パーソナルトレーニングが受けられる

Fizitでトレーニングディレクターを務める澤木一貴さんは、オンラインパーソナルトレーニングが提供する主な顧客価値として次の5点を挙げる。


①対面式のパーソナルトレーニングと同じクオリティのサービスが自宅で受けられる。

②日本全国、どこでも最先端のパーソナルトレーニングが受けられる。

③自宅なので、出かける手間や、交通費が掛からない。

④トレーニングや栄養のことを手軽に質問できる。

⑤短期間で目標とする体形に近づける。

オンライントレーニングはスカイプを活用するため、インタ ーネットやアプリの利用に、ある程度のリテラシーが必要となることから、当初ターゲットする顧客層は、スカイプ英会話を利用する層と近く、限られた時間で自己投資をしたいビジネスパーソンを中心としたニーズに応えていく。

一方で、日本でも富裕層の間で出張パーソナルのニーズも高まってきていることを受けて、この層もターゲットに置いている。現状出張パーソナルトレーニングの顧客にとっての課題として、トレーナーの出張交通費を負担する必要があることや、自宅に人を入れるうえでのリスクが伴うことなどがある。

特に少子高齢化社会が進む中、子どもの世話や親の介護でジムに通えないという人も増えており、それでも「産後の身体を戻したい」「自分は介護の世話にはなりたくない」と考える人は多い。こうしたニーズに、より安価に、安全に応えていく。

Fizitパーソナルトレーナーの数も今後増やしてく予定だ

時間と空間を超えてトレーナーの生産性が高められる

Fizitでは、次の3つの点でトレーナーの生産性を大きく伸ばせる可能性がある。


①空き時間を有効に活用でき、移動時間が不要となるため、稼働時間を増やせる。

②日本全国、世界中に、顧客ターゲットが広げられる。

③オンラインでのタッチポイントが増えることから、自分のジムや、リアルの指導サービスの認知や集客に繋げられる。

トレーニングの料金設定はトレーナーが決められるため、自身のレベルや、需要と供給のバランスで、自分でマーケティングの戦略を立てられ、自分のジムを持っている人は、ジムの集客にも活用できる。

また、オンラインでの指導経験を積むことで、“伝え方”が鍛えられ、トレーナーとして、リアルの場での指導力も高められると澤木さんは指摘する。オンラインでは3次元の動きを2次元の画面を通して伝えていく必要があるため、正しい動きを前面と側面から分かりやすく見せたり、動きのポイントや、動きの修正も、ポイントを絞って伝えていく必要があることから、的確に言葉を選ぶことになる。

今後、オンラインでの指導マニュアルや、目的別のパッケー ジトレーニングプランなども整備していく計画で、トレーナー にとっては、指導力やコミュニケーション力をはじめ、ビジネス力を高める場としても活用できるサービスとなる。


お話を訊いた方 澤木一貴さん
Fizitトレーニングディレクター SAWAKI GYM代表取締役

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