FITNESS BUSINESS

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【NEXT 2月特集】 テクノロジーが変える ジム運営 "総合フィットネスクラブ"篇

2017.01.25 水 スキルアップ

CASE #2 フィットネス&スパ マグレブ

マイウェルネスクラウドとは?

「マイウェルネスクラウド」は、マシンメーカーのテクノジムが、クラブメンバーのフィットネス習慣の継続と、クラブの運営効率化を目的に開発を続けるシステム。テクノジムは世界のマシンメーカーの中でもテクノロジーの活用でリードしており、世界のフィットネスクラブのメンバー動向やクラブ運営動向に合わせた機能開発が重ねられている。

テクノジムでは、2000年に「ウェルネスシステム」をリリースし、マシン利用履歴を自動的にデータ化して残し、専用端末で履歴を確認したり、専用ソフトウェアやマシンのインターフェース上で、クラブやトレーナー、メンバー同士がコミュニケーションできる機能を搭載した。

2013年にはマシンのIoT化を実現。同時にウェルネスシステムもクラウド化して、マシンの利用データだけでなく、クラブの利用状況、日常の活動量などを統合して管理できるようになり、生活者はスマホやPCでいつでも自身の健康状態や活動量を確認できることを可能にした。

さらに、クラブの運営オペレーションをサポートする機能も豊富にそろえており、クラブでのカウンセリングやイベント集客、スタジオプログラムやパーソナルセッションへの誘客や、スタッフの業務効率を高める機能も用意されている。

IMG_3188カーディオマシン用 コンソール画面

マシンの設定から記録まで。データが残りストレスフリーに使えるから続けられる

マグレブがウェルネスシステムを導入したのは10年前。現在までに全会員の7割の人がウェルネスキーを利用している。2016年にマシンジムのフルリニューアルを実施し、同時にマイウェルネスクラウドを導入した。クラブ運営に合わせたコンテンツの完成度が高く、中でもストレスなくクラブやマシンが利用できるコンテンツが、入会初期メンバーの利用継続をサポートしている。

マグレブでは、入会初期の方が入会オリエンテーションに参加しやすいように、30分ずつ2回に分けて提供している。1回めは、「アスピレーションマップ」というオンライン心理テストを行う。マシンのバイクをこぎながら、コンソール画面上に表示される質問に答えていくことで、その人の志向や課題に合った運動メニューがレコメンドされ、その内容がキーに記録される。

そのキーを持って初心者用マシンエリアに行き、スタッフが各個人にあった重さ、シート設定を登録すると、トレーニング後には、行った回数とセット数がキーに自動的に記録される。

2回目以降はマシンにキーを設定すると登録した内容が表示されるため、安心して自分に合ったトレーニングを思い出すことができる。2回目のオリエンテーションでは、体組成測定なども行い、目的に合ったプログラムへとアレンジしていく。体組成結果もクラウドと同期しており、専用アプリ、もしくはPCで随時確認することができる。

イベント設定ができる「チャレンジアプリ」機能も活用している。マグレブで2016年11月24日からの1ヶ月で行った「LET’S MOVEイベント」には、305名が参加した。プレコリオプログラムの参加者でチームを組み、チームの総MOVEポイントで競う内容。

イベントもマシンのコンソールで告知し、参加表明は、コンソール上もしくはスマホの専用アプリからでもワンタッチで行える。手続きがシンプルなので、初心者でもイベントに気軽に参加でき、クラブライフの楽しさに触れやすくなる。運動量はMOVEポイントとして記録されていき、MOVEポイントがたまっていくことを楽しみにしているメンバーも多い。

スタッフとの情報共有、意識づけで、定着策がより有効に

マグレブにとっては、すべてのマシンがインターネットに繋がっていることで、館内でのメンバーとのタッチポイントとしても利用している。コンソールは、マシンの利用がない間はデジタルサイネージの役割を果たし、クラブからのお知らせを常に表示。有酸素マシンでは利用中にもレッスン情報やイベント情報も表示でき、プログラムへの参加率や来館頻度を高め、定着を促すことに繋げられる。

イベント機能はスタッフ評価にも利用できる。イベントへの初心者の参加者数や初心者の獲得MOVEポイントに応じて、スタッフ向けのポイント設定をすることで、初心者対応への意識が高められる。

また、2017年には1月入会者に限定したイベントを実施予定で、メンバーの属性ごとにイベントを設定できることも、テクノロジー活用のメリットとなっている。

マグレブ-IMG_3185コンソールがデジタルサイネージに

今後は、「コーチアプリ」を活用して、よりきめ細かいサポートを付加した有料プログラムも計画している。運動履歴のデータ分析~閲覧機能の完成度も高く、チャット機能もついていることから、メンバーが来館していないときでもコミュニケーションをとることができる。スマホに内蔵されている活動量計とデータ連携でき、日常の活動量も含めたアドバイスもできることになる。

既にテクノジムクラウドには、数多くのコンテンツが高い完成度で揃えられており、クラブ運営者の発想や実行力次第で、クラブ運営の生産性を向上できる可能性は高い。クラブスタッフやトレーナー、メンバーたちがテクノロジーを活用できるよう、優先順位の高い活用法から順に紹介していくことを計画している。


お話を訊いた方 鈴木裕文さん
フィットネス&スパマグレブ支配人

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