FITNESS BUSINESS

facebook twitter googleplus

【NEXT 1月特集】フィットネス注目動向2016"インストラクター・トレーナー・オブ・ザ・イヤー 受賞者"篇

2016.12.28 水 スキルアップ
2017年に向けて注目した新たな動き

吉田: 私は、ルーキーコンテストで、20代のインストラクターが続々登場してきていることに、心がワクワクしました。2016年は、これまで長くエアロビクスインストラクターとして活動してきた人たちが新しい分野の仕事に挑戦する姿が見られたことはお話しましたが、若いインストラクターたちの個性溢れるリードに、世代交代の時期を迎えていることを感じます。

若い感性と高いオリジナリティでエアロビクスを次世代に引き継いでくれることが期待されます。

田沢: ベストボディやフィジークなどのコンテストも増えましたよね。一般生活者の方々も、指導者の方々も新たな目標に向かってフィットネスに取り組めるようになったことも、新しい動向ですね。

私のまわりでは、アカデミック分野、メディカル分野との関係が近づいたことも感じました。例えば「栄養コンシェルジュ」という資格は、医学博士、臨床検査技師、管理栄養士として病院現場での豊富な経験と生活習慣病予防の研究者としても有名な岩崎真宏さんが2016年から始めた認定講座。

わずか数カ月の間にトップトレーナーの間でいっきに浸透しました。また、2016年8月に臨床スポーツ医学がピラティスを特集し、この号は、発売後2日間で売り切れとなる同誌始まって以来のヒット号となったと聞いています。私自身も現在東京大学大学院で脳障害を持つ人へのピラティスの効果検証を行っていますが、今後ますますアカデミックやメディカル分野とフィットネスやヘルスケア領域が近づいていくことで、フィットネスのエビデンスが増え、フィットネスサービスやコンテンツの価値認識が高まり、市場拡大を後押ししてくれると思います。

自身の理念やコンセプトが問われる時代に

吉田: グループプログラム動向の視点では、2016年サーフフィットや暗闇エクササイズなどアクティブなエクササイズが注目を集めました。前年の2015年は筋膜や呼吸でした。2017年以降も、グループエクササイズもフィットネスも益々多様化を続けることが予想されます。

スタジオオーナーとしては、そうした新プログラムの動向を見つつも、自分たちが軸としてきたエアロビクスやヨガ、ピラティスなど定番エクササイズの価値や強みを改めて見直しながら、今後も女性のライフステージに合わせたフィットネスや働き方の提案やサポートを強化していきたいと思います。

ti%e2%91%a4

田沢: 2016年は社会的には労働環境に関するニュースも多く、今後、労働時間が減っていく傾向にあるといえます。2017年以降、余暇時間が増えれば、その時間で運動しようとか、スポーツ観戦しようとか、フィットネスやスポーツ業界にとっては追い風となります。

ただ その分、新たなプレイヤーも増えますので、一般生活者からすれば、選ぶ情報や参加する場の選択肢が益々増えることになります。その中で選ばれる存在になるためには、やはり自分の理念やコンセプトを明確に持ち、自分の強みを最大限に活かすこと。経営者として働きやすい環境づくりにもさらにチャレンジしていきたいですが、その基盤となるのは経営が安定していることです。フィットネス関係者にとっても、理念やコンセプトなど一般のビジネスで重要とされていることの重要性は、今後益々高まりそうです。

【記事出典】
月刊NEXT 2017/January  No.118 

【企画・構成】
株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子 悟

< 前のページ2 / 2次のページ >