【NEXT 12月特集】世界に学ぶ保険のしくみとフィットネス "オーストラリア"篇
2016.11.25 金 スキルアップ
ピラティス
保険で通える
オーストラリアでは、ピラティスインストラクターは政府公認の国家資格となっており、各種の民間保険はもちろん、政府が運営する公的保険のメディケアでも参加費が一部カバーされるプログラムとなっている。オーストラリア国内でピラティス養成コースが受講できるようになったのは2000年。
その後、ピラティス業界団体Pilates Alliance Australasia(PAA)が設立され、国家資格として認められる条件を揃えたインストラクター養成カリキュラムに内容を拡充。2004年に政府公認資格として認められ、専門学校や短期大学などで資格取得が可能となった。同養成コースでは、ピラティスの指導技術だけでなく、国や民間の保険システムや手続き、規制や法的リスクなどの内容も含まれ、資格取得がすなわち、国家資格保持者として仕事ができる資質を備えていることを意味するものとなっている。
ピラティスを医療システムの一部に位置づけるべく、PAAは、そのエクササイズの価値をGP(家庭医)に啓発すべく、季刊のレポートを作成して配布している。GPは、スポーツ医学的診断や整形外科的障害の理学療法としてピラティスを処方箋に含めることができる。民間保険各社も、予防医療としてピラティスの価値を認めており、多くの民間保険がピラティスの参加費の補助を提供している。
オーストラリアではピラティス業界団体PAAが、GPや保険会社へのピラティスプログラムのマーケティングを行っている。PAAのサイトには、「ヘルスファンド」として、ピラティスプログラムへの参加についての各保険会社から補助が得られる内容と補助金申請の仕方などがまとめられている。
Aligned for Life Pilates
保険で通えるピラティス指導者になれる
ピラティスをオーストラリア政府公認の国家資格にした立役者、カトリナ・エドワーズさんが主宰する、メルボルンにあるAligned for Life Pilates。カトリナさん自身、バレエダンサーとして膝を痛めて理学療法としてピラティスに出会い、その後、自身のスタジオをオープンして理学療法士と連携しながらピラティスの予防医療としての価値認知を広げることに尽力してきている。
カトリナさんは「ヘルス・レボリューション」をビジョンに掲げ、①ピラティスの指導者育成、②大学などでのアカデミックな研究によるエビデンスの拡充、③政治家やGPにピラティスの体験を促しその価値を体感してもらう、というトライアングルを大きくしていくことでその実現を目指す。
「人々が定期的なエクササイズをすることで、将来の医療費が減るというエビデンスは既に数多くあります。それを実現するうえで、指導者、研究者、政治 家が手を組んで取り組みを進めていくことが必要で、現代階では私たち指導者がそのイニシアチブをとる必要があると認識しています」
カトリナ エドワーズさん
PICP(Pilates International Certification Program)トレーナ ー、Aligned for Life Pilates主宰。オーストラリアの政府公認ピラティス資格が取得できる養成コース「National Pilates Training」生みの親。同コースは、2017年1月開校のピラティスコミットメント&アライメント(PCA)銀座校で日本での受講、資格取得が可能になる。
日本初上陸!オーストラリア政府公認 ピラティス国家資格が取得できる養成学校 PCA-Ginza
第1期生(2017年1月スタート)第2期生(2017年4月スタート)募集!
メルボルンの教育機関「ナショナル・ピラティス・トレーニング(NPT)」と提携し、スポーツ科学の分野においても世界的に著名なビクトリア大学の協力を得て、科学的根拠に裏付けされたピラティス・メソッドを提供します。 入学から1年の歳月をかけ技術の取得を目指し、社会問題の解決に貢献する人材を世に送り出すPCAは、第1期生の募集を開始しております。
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【記事出典】
月刊NEXT 2016/December No.117
【企画・構成】
株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子 悟