【NEXT 12月特集】世界に学ぶ保険のしくみとフィットネス "アメリカ"篇
2016.11.25 金 スキルアップ
シルバースニーカーズ
“保険で通える”
アメリカの高齢者対象の公的保険メディケアの中でも追加オプションのパートCプランに加入すると参加費がカバーされる フィットネスプログラムがいくつかある。その中でも、最大の参加者を集めているのが、このシルバースニーカーズ。プログラム開発から30年の歴史を持ち、全米10,000以上のジムで提供されており、高齢者がアクセスしやすいネットワークがある。現在全米1,350万人の高齢者が参加している。
シルバースニーカーでのエクササイズの様子
メディケアに加入する高齢者の健康維持に効果的な機能改善エクササイズを多く含むとともに、社交的なアクティビティも楽しめるようにプログラムされている。イベントとして、ラインダンスやウォーキング、アウトドアアクティビティなどの企画もある。外出が苦手、または環境的に難しい高齢者には、DVDの「シルバースニーカーズステップ」プログラムの配信も行っている。
ヘルシーコントリビューションズ
“フィットネスクラブと民間保険加入者のマッチングサービス”
民間保険によるフィットネス参加のインセンティブをきっかけにフィットネスに参加し定着する人が増えている。それを受けて米国のフィットネスクラブ運営企業は、民間保険会社に加入する人々へのマーケティングを強化している。そこに生まれたのが、フィットネスクラブと民間保険会社のマッチングサービス「ヘルシーコントリビューション」。
大手民間保険会社と提携し、フィットネス利用にインセンティブを出す民間保険プラン加入者のデータを持ち、入会を促進したいクラブ経営者とマッチングする。このサービスを通じてフィットネス参加へのインセンティブを受け取るユーザー数は105,000人にのぼる。全米4,200のフィットネスクラブが、民間保険会社から補助として受ける会費の総額は年間1億3,000万円以上にのぼる。
「ヘルスコントリビューション」 のログイン画面
クラブ運営者は、このサイトを通じて自クラブの近くの保険加入者にコンタクトできるとともに、保険加入者がフィットネスクラブを利用して補助金を受け取るまでの保険会社との手続きや、保険加入者のクラブ利用状況の報告業務のサポートなどもして貰うことができる。
現状では保険加入者の47%が、月12回以上クラブを利用しており、保険会社からの補助を最大限活用している。月12回以上の利用は年間で100回以上の利用となり、IHRSAの定着に関する調査から、年間利用回数が100回以上の人は定着率が高い(クラブの在籍期間が長くなる)という調査結果もある。クラブ集客定着をはじめ数々の経営上のメリットが得られている。
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【記事出典】
月刊NEXT 2016/December No.117
【企画・構成】
株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子 悟