FITNESS BUSINESS

facebook twitter googleplus

指定管理者制度の課題と今後の施設ビジネス

2018.11.25 日 オリジナル連載

4.包括施設管理委託

業務ごとに発注していた設備点検や保守管理などの業務について、複数の施設・業務を一括して委託する手法を「包括施設管理業務委託」という。特に、設備などの保守管理、点検、法定検査、維持管理を包括的に業務委託することで、保守管理業務の質向上・事務量の低減・コスト縮減を図ることが可能となる。流山市では、従来単独発注していた市役所他33施設の設備保守管理業務などを包括的に業務委託しており、東村山市他多くの自治体でもこの手法を導入している(従来の指定管理者は、多機能の施設を複数の事業者で運営していた)。効果的に経費縮減を図れることから、この流れは今後指定管理者制度にも波及してくることは当然であり、複数のスポーツ施設を「運営・マネジメント・自主事業」「維持管理・保守点検」「警備」「清掃」と別々に契約されていくことが予想される。

5.まとめ

行財政の効率化といった命題による、公共施設関連ビジネスは今後もさらに拡大していくことは間違いない。その出発点(初歩)は指定管理者であり、その先には「RO方式」(施設改修や付加価値を付けて提案)や「PFI」(施設の設計・建設~運営)、学校跡地活用、東京五輪施設で導入される「コンセッション方式」、「特区」を活用した街づくりなど、PPPのメニューは多数存在する。特に少子化によって学校統廃合が進むなか、全国で4,000以上の小学校が廃校となっており、その活用方法に苦慮している自治体も少なくない。人里離れた学校跡地は企業の産業拠点が有効であるが、都心で人口が集積する地域では、スポーツや健康、福祉、交流などをキーワードとした事業展開が十分可能である。地域社会の課題解決や街づくりに対し、健康づくりに精通しているフィットネス関連事業者に期待されるところは大きい。

< 前のページ2 / 2次のページ >