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【MY POLICY】 大串 達彦さん

2016.11.25 金 IR-キャリアビジョン


「実は過去に役者を目指していた時期がありまして、インストラクターとしてのスキルやキャリアの乏しさを悟られないように、演じることで補ってしまっている自分がいるんです」

インストラクターという仕事は”役”ではないので、演じるにも限界があることは彼も重々承知の上である。「指導者」と「役者」、その溝を埋めるために、既にインストラクターとしてのキャリアをスタートさせて数年が経つ今、本気でエアロビクスの養成コースに入ることも考えているというからその姿勢は大したものだ。そもそも役者を目指すきっかけは何だったのだろうか。

「ある時、突然高校の保健の先生に『あなた、役者を目指してみたら』と言われたんです。そのときは『この人は何を言っているんだ?』位にしか思っていなかったのですが、大学に進学後、表現することの快感を味わったのをきっかけに、保健の先生が言った役者を目指そうと思ったんです」

彼が進学をした大学は外語大ということもあり、毎年英語によるスピーチコンテストに参加しており、大串君が大学の代表として近畿大会に出場することになった。そして、なんとこのスピーチコンテストで彼は優勝してしまった。

「この時、サポートしてくれた外国人の先生の助言もあり、文章構成、発音や抑揚の他に身振り手振りなどにも注意を払い、まさに役者のように表現をしました」

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高校時代の挫折

この時の体験が、役者を目指す大きなきっかけとなり上京。事務所にも所属し、役者の勉強とフィットネスインストラクターの二足のわらじ生活がスタートした。と、ここまでは順風満帆な青春時代のように思えるが、実は高校時代に大きな挫折を経験している。

「高校へはバスケットボール推薦で、地元滋賀で全国大会常連の私立高校に入学しました。しかし、この学校は家から電車を乗り継ぎ片道2時間半以上かかる場所にありました。最初の頃は、推薦で入学させてもらったという思いもあり、きつくても気持ちを強く持ってなんとか頑張れていたのですが、ある時体調を崩してしまったことで心も折れてしまい、推薦入学という重圧に負けてしまいました。そして部活を辞め、学校も転校しました」

転校した学校は県立高校の定時制だったというが、ここで役者を目指すことを進言してくれた保健の先生と出会う。

「保健の先生との出会いもそうなのですが、転校したことで生き方に対する価値観が変わりました。定時制に通う人達は、年代も違えば仕事をしながら 通う方、生活状況が不安定な方など様々な境遇や環境で生きている人が多く、それまでバスケットボールだけが自分を表現する証だと思っていたので、大袈裟かもしれませんが、生きる上での価値観が変わりました」

今でもその当時の同級生達とは連絡を取り合っており、滋賀に帰った際には皆で集まるという。多感な時期を共に過ごした友との関係は、かけがえのないものなのだろう。

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「将来は会社を立ち上げ、フィットネスとメディアを繋げるような仕事をしたいと考えています」役者を目指した大串君だからこそ、メディアの影響力の大きさを知っての目標設定なのだろう。

「フィットネスインストラクターの存在価値を高め、もっと注目されるような仕組みを作ることが理想です」彼の言う“メディア”とは、派手な世界を指しているのではなく、インストラクターの価値訴求を真剣に考えてのものだ。

「日本の健康問題をフィットネスインストラクターの力で変えたいと思います」

MY POLICY

「とにかく挑戦!」

大きな夢を叶えるためにも、まずはルーキーコンテストで優勝しタイトルホルダーになることは有効だと思うが、仮に達成できなかったとしても、今抱いているその思いを中途半端なものにすることなく、これまでと変わりなく、謙虚な姿勢で突き進んで行って欲しいと願う。

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>>Writing & Photo 丸山  寛(Hiroshi Maruyama)

有限会社スポーツゲイト 取締役社長/プーマジャパン㈱ フィットネスアドバイザー/ショップジャパン フィットネスプログラムセクションアドバイザー/㈱ジェイアール東日本スポーツジェクサーフィットネスクラブ プログラムアドバイザー/西武フィットネスクラブ スタジオアドバイザー/㈱東武スポーツ スタジオアドバイザー

【記事出典】
月刊NEXT 2016/December No.117 

【企画・構成】
株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子  悟

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