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【Hit Item:ジムの24時間化】ジムスタイル24 順調な運営に、既存総合店の24 時間化も検討

2019.01.25 金 オリジナル連載 スポーツクラブ情報

Hit Item:ジムの24時間化
24時間ジムや総合クラブの24時間化に取り組む企業様に、

導入開始からの変化や今後について伺いました。

お話を訊いた方:ダンロップスポーツクラブ川口元郷 支配人 村瀬直之氏

2015年10月に「ジムスタイル24」1号店(越谷)をオープンさせたダンロップスポーツクラブ。

現在、店舗数は16店舗となり、来年2月には横浜市青葉区あざみ野に17店舗目がオープンする予定だ。若年層の開拓やお客さまのスポーツライフを豊かにするために始めた24時間施設。同様の業態が増えるなかにあっても、顧客の開拓余地はまだ大きいと感じている。

認知進み、不安も払拭

これまでの店舗すべてのオープンを手がけ、“ジムスタイルのエキスパート”と社内で呼ばれる村瀬直之氏。

1号店がオープンする際は「自分も24時間(活動すること)になるのだと覚悟を決めた」と言うが、始めてみると懸念していたことがまったく起こらないどころか、お客さまのマナーのよさに驚いたという。利用者の半数は初心者。年齢層はターゲットとしていた20 ~ 40代が主流であることは、1号店オープン時から変わらない。

男女比は7:3であるが、近年、女性が徐々に増えてきているという。その理由の1つとして、村瀬氏は次のことを挙げる。

「近年24時間ジムが急速に増えて認知が広がったこと、そうであるにもかかわらず大きなトラブルも聞かれないため、不安感が減ったのかもしれません。’15年の開業当初は、『人がいないって、大丈夫なの?』『何かあったらどうするの?』という問い合わせを数多く受けましたが、今ではほとんど聞かれません」

利用のピークは20 ~ 23時と総合スポーツクラブとほぼ同じだが、営業終了時間の遅い飲食業に従事する方など、そのまま深夜になっても途切れることなく利用客が続く。それでも、施設は常に清潔に保たれている。これには、スタッフが常日ごろから隅々まで清掃することを徹底していることもあるようだ。

「割れ窓理論」を引き出すまでもなく、きれいな状態を見れば、人はそれを保とうとするもの。このことが、お客さまに「きれいに使おう」という意識を啓発していると思われる。なお、同社では24時間業態では珍しく、土足も禁止としている。店舗によっては外国人のお客さまも多いが、最初にしっかりとご説明することで、同じくきれいに使っていただけているという。

同社ではそのほか、トレーニングに集中できるようダウンライトにした照明や内装のカラーなど、施設に入った際に思わず驚きを感じるような、高いデザイン性を意識した施設づくりを心がけている。なお、近年開業した施設では、人気の高まっているフリーウエイトのスペースを広くとるため、ジムエリア全体の快適性を犠牲にしないよう配慮しながら、レイアウトを工夫している。

また、施設内にコワーキングデスクスペースも設置しており、ちょっとしたパソコン仕事やカフェ代わりに利用する方も増えているという。24時間利用できて、かつ静かで落ち着ける空間だからこその光景だろう。

流動性の高さが課題

村瀬氏は、会員には初心者が多いことからも、まだまだ顧客開拓の余地はあると考えており、「利用率の低い日中の時間帯に、例えば主婦の方などにもっと利用していただけるようにしたい」と語る。

課題はやはり退会率の高さだ。「スタッフが介入しない、マイペースでトレーニングしたい方のための施設ではありますが、人が介入しなければ退会を減らすことは難しい」と、その矛盾を解決しながらも、退会を減らせる方法を模索している。

さらに「専門的な指導を受けたい」というニーズについても、今後、何らかのサービスを提供するのか、社内で検討していきたいと考えている。小型のスポーツジムが増え、出店候補地となる物件探しは年々厳しさを増してきているが、ダンロップスポーツウエルネスでは、今後も年6~8軒を目標に、出店を続けていきたい意向をもつ。

同時に、現在、同社初となる総合スポーツクラブの一部24時間化にも動き始めたところだ。モデル店での利用状況を見極め、ほかの店舗への導入も検討していくといい、今後もお客さまの利便性向上に向けた取り組みに期待したい。