FITNESS BUSINESS

facebook twitter googleplus

新たなアイデアでこれまでにない施設運営の実現を目指す 東急スポーツシステム株式会社

2018.11.25 日 業界動向 スポーツクラブ情報 オリジナル連載

東急スポーツシステム株式会社(以下、東急スポーツシステム)がいよいよ指定管理事業に着手する。同社では今年、町田中央公園グループの指定管理事業に応募。無事運営を受託することに成功し、来年4月から運営を開始する。今回はアシックスジャパン株式会社(以下、アシックスジャパン)および株式会社協栄(以下、協栄)との共同運営となる。ここで実績を積み重ねることで、受託事業拡大につなげていきたい考えだ。

指定管理事業に向け専任部署を設置

東急スポーツシステムでは、指定管理事業に本格的に取り組むため、今年4月に専任部署である開発本部を設置。過去に他社にて指定管理事業に携わった経験がある河合氏ほか4名が在籍する。今回、受託した施設は、体育館のほか野球場やテニスコート、複数の公園も含んでおり、アシックスジャパンが代表企業として主要な指定管理業務を担当し、協栄が施設・設備の維持管理を、そして東急スポーツシステムが教室などの自主事業やトレーニング室の管理運営を行う。河合氏は、「当社はフィットネスクラブ運営のみならず、ゴルフやテニス、フットボール事業など多様なスポーツ事業を行っており、これらのノウハウを、公園を利用した教室やイベントに活かすことができると思います」と同社がもつ強みに自信をのぞかせる。なお、同氏は、過去に受託した施設の運営に携わったことはあるが、応募に向けた資料づくりやプレゼンテーションを担当したのは今回が初めてであった。

事前の募集に関する説明会より、自治体が自主事業についての提案を大きく期待していることを感じ、同社の運営実績を基に、自主事業に注力した提案書を作成した。結果、選考結果では自主事業の項目で大きく点数を取得することに成功し、4月からの指定管理者に選考された。体育館をはじめとし、公園の活用法が重視されたことで、同社の強みがよく伝わったのではないかと河合氏は分析している。東急スポーツシステムでは、今回の受託を機に、東急沿線を中心に各地へのサービス拡充を進めていきたいと考えている。

「公共施設を運営することのメリットの1つは、民間施設ではできない方法や媒体で告知を行えるなど、地域に広く活動をアピールできることがあります。小学校へのチラシ配布や広報誌などへの掲載が代表的な例です。地域住民に対しての直接的な広告宣伝が行えることで、利用者を伸ばすとともに指定管理者としての認知拡大が期待できます」実際に運営することにより、一般的な市場調査ではわからない、その地の特性もより理解できるようになる。河合氏は、「そこで市場機会があれば、当社のフィットネスクラブやスポーツ施設の出店候補地として検討でき、精度の高い事業計画が策定できる」と語る。活動範囲が広がることは、東急スポーツシステムの経営理念である「スポーツを通して人々の人生を幸せにする」ことの実現につながるとともに、それが東急線の沿線ともなれば、親会社である東京急行電鉄株式会社が目的とする沿線の街づくりや地域住民の健康にも貢献できることになる。

柔軟な発想が求められる指定管理事業

民間のフィットネスクラブとはまた違うサービス提供ができる面白さがある公共施設の運営であるが、一方で参加費や実施プログラムに様々な制約もつきまとう。河合氏はその点について、次のように語った。「広い視野をもって、制約のかからない部分を探す努力をするといいかもしれません。以前在籍していた企業が受託していた様々な施設では、教室事業や施設利用料について、条例などによる制約があったうえ、各自治体によっても内容が異なりました。そのなかで制約を受けないスペースやサービスを見つけ出し、自主事業を展開し集客していく術が必要だと考えています。そのためのアイデアや経験が重要であり、利用者の拡大や増収などに直接的に影響します。そこが指定管理事業の面白さであり、やりがいだと思います」公共施設の運営には柔軟な発想が求められそうだ。河合氏は「指定管理事業には、フィットネスクラブ事業のみ経験してきた人よりも、ほかの様々な経験を積んだ人のほうが向いているかもしれない」と語っていた。

実績を積みさらなる事業拡大を目指す

東急スポーツシステムでは、今回の受託を機に、積極的に指定管理事業に取り組んでいく意向だ。「まずは実績がなければ始まらない。当社はすでに取り組んでいる他企業より出遅れてしまった分、まずはここから、ノウハウや知識を蓄積していきたいと思います。アリーナなどのインドア施設に限らず、公園施設などのアウトドア施設まで幅広く可能性を追求していきたいと思います。新しいアイデアで、今までの指定管理の概念を覆すようなことにも積極的に挑戦していきたい」と、意気込みを語っていた。

スポーツ事業にも長年取り組んできた同社だからこそ、フィットネスクラブの会員とは異なる、一般ユーザー向けのサービス提供にも期待がもてそうだ。同社の今後の活動に引き続き注目していきたい。