FITNESS BUSINESS

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成功するマイクロジムの教育・ノウハウ -前編

2016.07.25 月 TR-キャリアビジョン

まずは “身体の現状把握”の徹底を

当社はトレーナーである私がつくったトレーナーカンパニーとして、大きく次の3つの事業を手がけています。

1.施設運営
2.人材育成
3.運営委託

この3つのなかで、独立される方にとって一番のハードルは施設でしょう。できることならここを軽くしたいと思うはずです。私も最初はそう思いましたが、実は違うのです。

私はトレーナーになった約20年前から、「トップアスリートに提供するコンディショニングサービスは一般の方にも応用できるはず。一般の方に向けてトレーナーサービスを提供したい」と言い続けていて、周囲もそのコンセプトを褒めてくれたのですが、いざ施設をつくる段階となったら、誰1人として賛同してくれませんでした。会社はつくったが施設がない期間が10ヶ月ほどあり、投資を募るためにいろいろな企業でプレゼンテーションを行いましたが、「よくわからない。そんな施設は見たこともないし、無理でしょう」と言われ、挙句の果てには「こっちのほうが儲かりそうだから」と、タイ式マッサージに投資されてしまったこともありました。

まったく相手にされませんでしたね。それが、施設をつくった途端、皆が私の話に耳を傾けてくれるようになりました。

要するに、人は「かたち」を目にして初めて耳を傾けてくれるということです。それまでの私は、知識と技術があればそれで十分勝負できると思っていたのですが、それに対して「いいね」 と言ってもらえるのも「箱」があってこそ。「箱」があるから自分の考えを実現でき、人々にアピールしていくことができるのだと、今ではその重要性を感じています。 当施設は「コンディショニングセンター」を謳っており、スポーツ選手 (トップアスリートのほか運動を楽しむ一般の方も含む)のパフォーマンスアップに向けた指導や、身体の問題点を改善する機能改善トレーニングの提供を主としています。

通常、日本では、身体に痛みを感じた方は病院や治療院へ行き、フィットネスクラブには、健康な方々が筋トレやリフレッシュ、ダイエットなどの目的で通っていると思います。しかし、先日ある大手クラブの方から、近年は「機能改善」を目的にフィットネスクラブに入会する方もいると聞き、本当のトレーナーの時代がやってくると思いました。本日ここにいる皆さんはご存じだと思いますが、腰痛の直接の原因は、実は腰そのものにはなく、足首や肩などにある場合があります。

正直、それを学生のアルバイトが見つけられるとは思いません。また、身体に疾患を抱える方と健康な方、そのどちらにも入らない“半健康人”の方も実は結構多く、そのような方の問題を解決できるのも、私たちトレーナーだと考えています。機能改善トレーニングを提供するに あたってまず大切なのは、その方の身体の現状を把握することです。しかし、多くのトレーナーは、痛みがある場合は現状把握を一所懸命行いますが、どこも痛くない方の場合はそれを忘れてしまうのです。

現状がわからないのにトレーニングを行っても結果は出ません。当施設ではどのような方でも、必ず現状をチェックすることから始めます。現状把握の方法は、私がもともと手書きで行っていたものをIT化した「S・O・A・P」というシステムを使っています。最初にお客さまの動きを動画で撮影し、どこに問題があるのかを明確化し、問題点が判明したら、サーバーに登録されている約2,000あるトレーニングメニューからその方に一番適したものを抽出する仕組みです。クライアントは、システムにログインすればいつでもメニューを確認できるので、施設に来られないときでもトレーニングを続けることができます。

1週間や1ヶ月のなかの一瞬だけトレーニングを行っても成果は出ませんから、日々のトレーニングをサポートできるシステムがあることはとても大切だと思います。ここで、1つ失敗談を紹介したいと思います。施設をつくる際、知識と技術があれば、お客さまの目的が何であれ対応できるからと、私は特に「何用」というのを謳わず、ダイエット、リフレッシュ、機能改善、パフォーマンスアップ…「どんな目的にも対応します」とアピールしたのですが、それは最もお客さまが来ない方法だということが後からわかりました。「なんでもやります」では、お客さまは大手クラブに行ってしまいます。小さな施設は「○○をやります」と明確にアピールすることが大切です。


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【企画・構成】
株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子  悟

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