フィットネスクラブのある生活
編集長が、まだフィットネスクラブに行ったことのない、
バリバリのビジネスマンの方々にメッセージを贈ります。
変わるフィットネスクラブ利用者

「フィットネスクラブ」(以下、クラブ)と聞いて、どんなイメージを抱きますか?
若い女性たちがエアロビクスをする光景?筋骨隆々の男たちがバーベルを上げている姿?それともスイマーが魚のように泳いでいる様子?
10数年前は確かにそうでした。でも、今は違います。
スタジオでは40〜50歳代の男性も、頭にタオルを巻きながらグループエクササイズや格闘技のクラスを受けています。ジムでもテレビを見ながら軽快に走ったり、本や新聞を読みながら自転車をこぐ男性の姿が見られます。プールには「泳がない人」がたくさんいます。60歳代の男性が歩いたり、女性たちにまじって水中エアロビクスを楽しんでいたりするのです。
一昔前と比べるとクラブには中高年の男性が随分と来はじめているのです(別表1参照)。若年層に比べて利用回数も多く、中には毎日来るという人もいます。
表1 年齢別会員構成比の推移(単位:%)
| |
平成7年度 |
平成10年度 |
平成13年度 |
平成16年度 |
| 〜40歳未満 |
52.7 |
55.0 |
50.8 |
40.8 |
| 40歳以上 |
47.3 |
45.0 |
49.2 |
59.2 |
*FIA刊『フィットネス産業基礎データ資料』よりフィットネスビジネス編集部作成
身近になったクラブ
中高年層の参加と利用が盛んになってきている背景には、生活者側の健康意識の高まりもありますが、クラブ側の努力もあります。クラブはこの数年間にサービス内容を大きく充実させてきています。施設や設備は新設・増改築を行い、その量と質を高めてきています。一方、料金はライフスタイルに応じた会員種別を増やすと同時に、以前よりお手頃なものとなっています。エグゼクティブクラス向けクラブを除いた一般的なクラブでは、6,000〜10,000円程度の月会費になっています。グループプログラムも多種多様に揃え、中高年層が興味を持てるものがたくさん開発されています。営業時間も長くなり、中には24時間営業のクラブも出てきています。
特にツールを使ったシンプルなプログラムに人気があります。例えば、バーベルを使って音楽に合わせてエクササイズするグループプログラムや大きなボールを使って筋肉のコンディショニングを整えるもの、わざとアンバランスにしたボードの上にのり、音楽に合わせてエクササイズするもの、ツボを刺激する特別な器具を使って全身のコンディショニングを整えるものなどです。
グループプログラムの時間も参加しやすいように「15分間」といった短い時間のものもつくられるようになっています。こうしたプログラムは「最初は抵抗があったが、知り合いに促されて1回参加してみたら意外におもしろかったので続けている」という人が多く、ごく自然に運動を習慣化するのに最適です。最近のクラブは中高年層のニーズに合うようにどんどんその姿を変えてきています。
ビジネスマンのクラブ活用術

中高年層に相応しいグループプログラムが数多く開発されてきているとはいえ、やはり入会初日から、進んでそれに参加したいという人は少ないと思います。まずはできそうなもの――例えば、ジムでのランニングマシンで走ることやプールで歩くことなど――にひとつずつトライしてみたらいいと思います。話のしやすいスタッフを見つけたりしながらクラブの雰囲気になれることが大事です。暫く運動をしていなかった人は運動した日から数日後に筋肉痛をおこすかもしれません。決して無理は禁物です。最近はお風呂やサウナ、マッサージなど、運動後のリラセーション施設が充実したクラブも多いですから、入会当初は運動した自分の身体に「ごほうび」をあげるつもりでこうしたアイテムとセットで利用すると長く運動を続けられるかもしれません。また、最近は利用者や身体の状態、目的に合ったトレーニング方法をアドバイスしてくれる「パーソナルトレーニング」というサービスや身体をほぐすストレッチを手伝ってくれる「ペアストレッチ」といったサービスを提供するクラブが増えています。若干料金がかかりますが、やはりプロフェッショナルと一緒に行いますので、自分ひとりだけでやるのとは、効果もやる気も違ってきます。受けてみるのもいいでしょう。
運動は特効薬
会社の健康診断などで「生活習慣病」を指摘され、医師に「こりゃもう、運動するしかありませんよ」と言われて、仕方なくクラブ通いを始める方は意外に多いのです。最初は「危機感」からいやいやながら運動を始めますが、やがてそれが「快楽感」に変わり、いつの間にかフィットネスフリークになっているというビジネスマンの方は、実はたくさんいます。そう、そうなってしまえば“フィットネス”はもう、その人にとって立派なライフスタイルです。「毎日たばこを吸ったり大酒を飲んでいた昔の自分が信じられません。やっぱり健康が一番ですね。フィットネスクラブのない生活なんて考えられませんよ。」そんなふうに言われる方もいます。運動の効果は継続していれば必ず出てきます。「生活習慣病」は生活習慣が原因の病いですから、裏を返せば生活習慣を改めれば治る病いということです。生活に運動を採り入れることが、弱った身体への一番の特効薬といえるでしょう。
クラブは第2の我が家

さて、クラブは「運動」だけを提供しているわけではありません。それ以外にもたくさんのサービスを提供しています。健康に関するセミナーやゴルフコンペ、トレッキング、小旅行、パーティなどたくさんのサービスを定期的に提供しています。特に、秋は様々なイベントが盛りだくさんにあります。また、共通の趣味を持つ人同士でつくるサークル活動をサポートしているクラブもあります。こうしたイベントやサークル活動などをきっかけに新しい仲間ができたりします。仕事仲間とはちょっと違ったスポーツ・フィットネスを通じた友人というのはいいものです。
新しい友との出逢いや、新しい自分を発見できることもクラブに入会して得られるメリットの一つなのかもしれません。1〜2年も在籍していると、クラブが「第2の我が家」のように思えてくるはずです。新しい価値観が芽生え始め、きっと仕事にもそれは活きてくるのではないでしょうか。健康であってはじめてビジネスを含めて人生が満喫できるものと思えます。
まだ一度もクラブを訪れたことのない方はぜひ一度家の近くのクラブを訪ねてみられてはどうでしょうか。見学も自由にさせてくれますし、希望すれば体験をさせてくれるクラブもあります。さあ、思い切ってクラブの扉をたたいてみてください。その扉は新しい人生の扉に通じているはずです。