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「日本のクラブはもともと米国に比べてホスピタリティがあり、施設も清潔で、米国のブティッククラブと共通する雰囲気を備えています。あとは、テクノロジーを利用して、よりパーソナライズされたマーケティングやコミュニケーション、有料でもクオリティの高いフィットネスプログラムを提供する仕組みを整えることで、米国のブティッククラブが惹き付けたマーケットを、とり込むことができると思います。米国のブティッククラブは月会費制ではなく都度利用制がベースとなっているため、1回1回の利用で参加者に高い満足度を感じていただくことや、SNSやメールでのコミュニケーション、精緻なマーケティングやブランディングで継続して通って貰える努力を非常に行っており、成長しているクラブは、それを効果的に行っています。日本のクラブが特に学べる部分だと感じます。また、ブティッククラブの多くはグループレッスンを商品としています。日本は世界的に見てもグループエクササイズ参加率が高いことも、今後このマーケットを創り、成長させることができる可能性を示していると感じます」 米国では総合クラブやジムスタジオ型クラブの多くが価格競争に追い込まれる中、戦略的にファミリークラブにコンセプトを変えることで再び競争力を高めるクラブが増えている。 特に地方の独立店では、ファミリーメンバーシップ(家族会員)を基軸に据えて、地域のコミュニティセンターとして自クラブをポジショニングすることで、世代を超えてメンバーを惹きつけている。ボードマンさんはその背景をこう話す。「ファミリーコンセプトのクラブは、子どもの利用もウェルカムで、平日は日本の学童のような場所として、スポーツスクールに参加したり、子ども用スペースで宿題をしたり。土日は家族でクラブにでかけて、思い思いのアクティビティに参加する姿が見られます。ティーンエイジャーになり進学などで一度ホームタウンを離れても、家族を持つ年代になると住み慣れた場所に戻る人も多くいます。すると、子どもも含め3世代でクラブに通うことになるわけです。子どもの頃から一生クラブライフが楽しめるのは、総合クラブならではの魅力であり、総合クラブだからこそ提供できる価値なのです」 家族の中で誰かがクラブに通い続けたければメンバーとして継続することになるため、クラブの定着率も高く維持しやすいというメリットもある。またIHRSA消費者レポートでも、メンバーの年齢が高いほど、定着率が高いというデータもあり、複数世代で会員になって貰うことは総合クラブの永遠の課題である定着率にも効果が期待できることになる。ファミリーコンセプトは、今後総合クラブが堅調にビジネスを続ける有効な選択肢として注目されている。 ボードマンさんが、もう一つ注目するのが、フィットネスクラブのサービスとホームフィットネスの連携が進んでいることである。近年高速インターネット環境が整備されて、一般家庭でもネットへの常時接続が常識になったことで、ウェブを通じたインタラクティブなサービスが増えている。そんな中、クラブで提供しているグループエクササイズを自宅でも楽しめることで、クラブメンバーの定着に繋げる一方で、これまでホームフィットネスだけに取り組んでいた人、または家でテレビを見Trend.5総合クラブはファミリーコンセプトへTrend.6フィットネスクラブとホームフィットネスの連携16December,2014 www.fitnessjob.jp

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