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運動指導者の活躍モデル イタリア生まれのマシンメーカーであるテクノジムは、フィットネス業界にトータルソリューションを提供すべく、3つの柱で事業を発展させてきている。1つには世界的にもシェアを伸ばしているトレーニングマシンの開発、2つめに進化するITやクラウドとフィットネスの融合、そして3つ目が市場ニーズに合うサービスの開発提供である。その日本法人であるテクノジムジャパンは、市場ニーズに合わせたサービス提供の一環として、2011年に日本メディカルフィットネス研究会を立ち上げ、その一環として「ロコモ予防運動指導士」や「高齢者運動プログラム」などのソフト開発も進めてきている。その経緯について、同社HCP事業部の藤本浩也さんはこう話す。 「研究会社を立ち上げた2011年は介護法が制定された翌年で、当時は『介護予防』も『ロコモ』も、一般的にはまだ全く浸透していない状況でした。『ロコモ』は、整形外科学会がこの概念をPRしていたことから、当時メディカルフィットネスの分野で注目されていた『メタボ』の次に来るのは、これだろうと見て、いち早く指導者認定をスタートしました。また、高齢者運動プログラムについては、メディカルフィットネスの分野で活躍できる指導者育成を目指して、筑波大学の田中喜代次教授監修のもとに開発しました。ともに、メディカルフィットネスの視点で開発してきているので、これらの運動指導者が、医師や理学療法士の話を理解して指導できることが特徴です。今後、介護予防だけでなく介護やメディカル領域でも活用できる指導者資格でありプログラムとなっています」 メディカルフィットネスの定義は、狭義では「医療機関が提供するフィットネス」、広義では「医学的要素を導入したフィットネス」とされているが、近年医療機関が介護予防や介護ビジネスに参入しようとする動きも強まっており、今後、こうした資格やプログラムへのニーズも高まることが予想されている。藤本さんは今後の展望についてこう話している。 「今注目されている用語は『フレイル』。2014年に日本老年医学会が高齢者の虚弱に関する概念を、身体的な問題だけでなく、認知機能障害やうつなど精神的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題も含む内容で提唱するものですが、今後も、医学会からの情報発信に対応して、各種のソリューションサービスが生み出されていくと考えられます。『メタボ』も『ロコモ』もそうでしたが、予防医療の分野でフィットネス業界ができることは数多くあります。2014年6月に『地域医療・介護総合確保推進法』が施行されたことで、今後医療と介護の連携が深まります。ともにその予防分野に運動サービスが位置づけられていますから、今後は、医療、介護、フィットネスの融合が進んでいくと考えられます。医療・介護関係者の視点からフィットネスサービスを提案しながら、その融合への橋渡しをしていければと考えています」 京都産業大学(法学部法律学科)を卒業後、卓球の実業団選手として石川県にて勤務。その後関西へ戻り、福祉関係の職へ就く。初めは支援相談員として入所者様や入院患者様と接する機会も多かったため、その方々の「生い立ち・これまでの生活」に興味を持つようになり、「これからの生活」を活き活きと過ごしていただくためにはどういったサービスが必要であろうか…と考えていたところ、私の幼少の頃から大変お世話になっている医療法人社団青山会 理事長 田場隆介Dr.より「介護予防の事業で筋肉だけでなく動作も同時に鍛える運動に特化したデイサービスを展開しようと考えている。」とのお話を頂き、加えて私自身選手時代の経験から、「これからの生活」には一層運動(トレーニング)は欠かせないものと考え現職に就く。現在、介護保険を使った要支援者に対しての運動を提供するとともにフィットネス事業も展開している。Message 現在(いま)をひらく存在でありたい。 そのような想いから墾(ひらく)は生まれました。墾の運営方針として、①一人一人の未来をひらく②お互いがつながる道をひらく③笑顔で暮らせる社会をひらくの3本の柱があります。今や日本は世界一の長寿大国であります。しかしながら健康寿命と平均寿命の差はどうしても生じてきます。 運動(トレーニング)を通してその差を出来る限り縮め、健康で自立した日常生活が営めるように、介護予防事業ではいつまでも歩ける身体づくり(介護保険からの卒業)を目指し、50歳からのフィットネス事業では生活習慣病を予防することを目的とし、そえぞれの1次予防に焦点を当てた取り組みをさせていただいています。そこにやりがいを強く感じています。 運動を通して生活全体を見直すきっかけとなるよう全力でサポートしています。お話を聞いた方藤本浩也さんテクノジムジャパン株式会社HCP事業部部長 ロコモ予防運動指導士、高齢者運動プログラムProfi le名前 岡田真治さん※写真左(29歳)肩書き 施設長資格 ロコモ予防運動指導士 介護予防運動トレーナー22November,2014 www.fitnessjob.jp

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