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する拡大高齢者マーケットを狙え!を利用して各地域で支援事業を広めています。現在は大阪での展開に向けて準備しているところです。それ以外のまだ店舗がない拠点でも、保険センターや地域センターに人を派遣したりしています。 また、介護予防事業ではありませんが、親会社がシニア住宅を横浜市を中心に運営しており、そこに当社の運動指導員を派遣して、入居者の方を対象にした体力測定や健康維持増進プログラムの提供なども行っています。シニア住宅は、東京・神奈川・千葉・福岡などがまさに建設ラッシュですが、住居のなかで生活が完結できるようになっているゆえ、入居後に体力が著しく低下する傾向があることがわかっています。シニア住宅のスタッフは日々そのような様子を目の当たりにして、なんとかしてあげたいと思いながらも、どうしていいかわからないのですね。そこで私たちのノウハウが活きるわけです。今は、このような施設以外の場所にも運動指導員を派遣したり、セミナーなどを行っています。 総合フィットネスクラブにおける高齢者施策については、私が入社したときのメンバーの平均年齢が35歳だったものが、現在はどの店舗でも50歳超となっています。特に60歳以上の方の割合が軒並み上昇しています。なかには「体力が続かないから」「通うのがしんどいから」という理由で退会したいという方も出てきていますから、そうした理由で退会される方を増やさないために、クラブ内でも週1回、早稲田大学のエルダリー・ヘルス研究所と共同開発したプログラムを有料スクールとして提供しています。この開発目的の1つには、地域支援事業を終了した方の受け皿としたいという思いがあります。地域支援事業として提供される教室は3ヶ月のものが多く、その教室修了後にクラブに入会してくれることが一番ですが、金銭面や体力面でややハードルが高いため、「まずはここから始めてみませんか?」と提案できればと考えました。内容は椅子に座っての動きが多いですが、店舗によってはバランススティックを使った転倒予防プログラムを提供しているほか、現在も新しいプログラムを開発中です。相川正男さん セントラルスポーツでは介護予防事業部を2012年に設立し、その時から担当しています。当社が介護予防事業に取り組み始めたのはさらに前の1995年。民間の老人ホームから、「利用者に、健康のための運動を指導してほしい」という依頼を受けたことが始まりでした。現在は、立位、座位など、いろいろなプログラムのほか、セミナーなども提供しています。 地域支援事業では、幅広い層や状態の方が一緒に参加しますので、な古屋武範『フィットネスビジネス』編集長かには認知症の方もいます。すると施設の方がびっくりされるのが、認知症で普段まったく反応しない方が何らかの反応をするのです。それだけで結構感動されます。現在は約250施設で指導させていただいています。 2005年からは、東京都健康長寿医療センターからの依頼で、介護予防運動指導員の養成に取り組み始めました。これまでの8年間で約4,300名を育てました。これまでは、地域支援事業において健康運動指導士を配置することが要件として入っていましたが、さらに介護予防運動指導員を配置するという要件が付加される自治体が増えてきました。最近では法改正の問題もあり、老人ホームやデイサービス、特養ホームのほか、デイサービスの開業を検討中の企業からも「運動について勉強したい」ということで、養成講座受講の要望が増えてきています。また社会福祉法人などからも「勉強したいから」ということで依頼をいただいています。 これらの出来事があり、当社の介護予防事業部は一度2005年に設立されました。ただその後、なかなか利益が出ず、撤退も検討しましたが、当時の社長であった後藤忠治からの「たとえ儲からなくても、社会貢献になるのだから地道にやりなさい」というアドバイスを受け、部は一旦なくなったものの、事業としては続けてきました。2006年には、それまでのクラブ運営で培った人材・知識・経験を活かして、フリーのエアロビクスインストラクターで高齢者の指導に興味のある方や、身内相川正男さんセントラルスポーツ株式会社執行役員介護予防事業部長桑田勇人さん株式会社東急スポーツオアシス営業開発部ヘルスケア事業マネジャー安澤嘉丞さん株式会社ルネサンス執行役員経営企画部部長パネリスト司会November,2014 www.fitnessjob.jp15

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