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お話を聞いた方 百瀬恵さん大妻女子大学家政学部で栄養学を学び、栄養士免許を取得。大手百貨店内の店舗でヒットメニューを開発し、都内飲食店のメニュー開発等に携わる。現在は医師や大学教授、パーソナルトレーナーと共同のダイエット商品の開発を手がける。様々な施設にてエイジングケアを取り入れた栄養指導、ボディメイクのためのアドバイスを行っている。一般社団法人アンチエイジング振興会アンチエイジングプランナー、野菜ソムリエ。同博士は、三大栄養素を食べた際に、ホルモン類(インスリン、グルカゴン、エイコサノイド)が、どのような反応を起こすのかを研究し、炭水化物:たんぱく質:脂質のカロリー比率を4:3:3で摂ることにより、重要なホルモン類が一定の範囲内に入るということを発見した。この、重要なホルモン類が適正な範囲内に入っている生理的状態をZONE状態とよび、米国では「4:3:3ダイエット」として広く普及しているという。 FiNCダイエット家庭教師では、これを「ワン・ツー・スリー」理論として、手のひらの大きさで1回の食事で摂取する食品の種類と量が分かるように指導している。例えば、「ワン:炭水化物は手の平の半分の量」、「ツー:たんぱく質は手のひら全体」「スリー:野菜は両手の平いっぱいに乗るくらい」として、参加者がみた目で判断できるようにした。そのうえで、各食事の写真を専用アプリ上にアップロードして貰い、担当栄養士が食事の内容や量、食事のタイミングなどをアドバイスしている。継続を促すテクノロジーとホスピタリティ 本サービスでは、ダイエットやボディメイクにおける〝挫折〞の予防に、特に細心の注意を払っている。同社社長としてサービス開発についても指揮をとる溝口勇児さんは、フィットネスクラブのトレーナーからマネジャーの経験を持ち、現場で多くのお客様と接してきた。フィットネスクラブで永遠の課題となっている「継続」に関する課題を、一つひとつ解決していくようにサービスを拡充させてきた。 例えばアプリの利用を継続できるよう、メールのやりとりや画像のやりとりが少ない動作で行えることはもちろん、LINEのような専用「スタンプ」も開発。特に栄養士が参加者に伝えたいアドバイスをイラストにしたスタンプで送ることで、親しみとともにメッセージを受け取って貰えるようにした。栄養士にとってはスタンプを選ぶことで、より短時間に効果的なアドバイスや応援メールが出せることになり、タイムリーできめ細かいコミュニケーションが提供できる。また、「楽しい」と感じることが継続のモチベーションになることから、教育系ICTサービスでも注目されている「ゲーミフィケーション」と呼ばれるゲーム業界のノウハウを用いている。さらに、計画したことを実行することでポイントが得られて、ポイントが貯まるとアマゾンで買い物ができるといったインセンティブによるモチベーション維持の仕組みも採り入れている。 だが、参加者にとって最も継続率に寄与するのが、栄養士のヒューマンタッチなサポートであるという。特に取り組み始めてから2週間目までは習慣を変えていくうえで心理的なストレスを感じやすい期間。特にこの期間を重視して、担当栄養士用にメンタルサポート用のガイドラインを整備。その他、栄養士同士でケーススタディを共有して、どのような人にどのような状況でどのような言葉がけをしたらよいのかを常に学び合える環境も用意している。 「オンラインサービスでありながら、いかに対面サービスに近づけられるかが、継続や成果に直結します。これから参加者が増えるにしたがって、サービスの維持向上を実現しつつ、今後は姿勢チェックやコレクティブエクササイズなど、運動面の指導コンテンツも拡充していきたいと準備を進めています。現在、企業の福利厚生サービスとしてもご活用いただいていますが、これまでフィットネスに接点のなかった方々にも、このサービスをきっかけに、自分に合った食事や運動の選び方を学んでいただき、適切な生活習慣を継続的に維持していただきたいと思います。それをサポートする食事や運動のサービスや商品をご提供していきたいと考えています」 今後FiNCでは、全国のフィットネスクラブやトレーナーなどリアルの運動指導者とも連携しながら、さらにサービスの拡充を進めていくことを計画している。担当栄養士がオリジナルのスタンプを活用して親しみやすくアドバイスSeptember,2014 www.fitnessjob.jp25

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