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February,2014 www.fitnessjob.jp13 ちょうど10年前、21歳で当時日本の最年少日体協ATとなった松沢恵美さん。業界では数少ない「医療資格を持たないAT」「女性AT」として活動を続けてきている。学生時代にATを目指して勉強し始めたときも、医療資格を持たずしてATとして活動し始めた時も、女性ATとしてプロフェッショナルになることを志すことも、いつも周囲に「それは難しいだろう」と言われてきた。だが、そのチャレンジングな環境をバネに自らの道を切り拓いてきた。 現在は、テニスプロやジュニア選手のパーソナルトレーナーとしての仕事を中心に、テニス大会のオフィシャルトレーナーや専門学校非常勤講師なども務める。5年前からNESTAスタッフとしてクラブ運営や資格カリキュラムの開発、一般生活者のパーソナル指導にも関わるなど仕事の幅を広げてきている。 松沢さんは日体協ATの資格を取得したときから、10年間はトレーナーとして活動することを心に決めていた。それをすることで、自分もトレーナーとして自信を持って仕事ができるようになり、また、トレーナーという職業を確立することに寄与できると感じていたからだ。 「当初はATとして実力を高めることをひたすら目指していましたが、5年目に転機がありました。ついていた選手たちの引退が重なり、トレーナーとして活動し続けるうえでは活動領域を広げる必要性を感じはじめたのです。その矢先にNESTAに出会い、地元にオープンする総合クラブの立ち上げから運営、指導者の育成の仕事をいただいたのです。ATの立場でフィットネスの仕事に関われたことで、ATの知識や技術が活かせるフィールドが大きく広がっていることに気づきました。ATの中には仕事に頭打ち感を感じると、医療資格をとり医療従事者としての強みを備えようとする人も多いですが、私は当初からその選択肢を捨てていた分、トレーナーとしてフィットネス分野に広がる大きな可能性を感じられたのかもしれません。その後は10年間という期間を待たずして、トレーナーとしての在り方が見えてきた気がしています」 選手たちとも、新たな関係が築けるようになった。ATの場合、選手たちとの関わりは、チームや大会との団体契約がほとんどで、ボランティアに近い形でサービスを提供することも少なくない。だが、NESTAでビジネスやコミュニケーションを学ぶ中で、提供するサービスに対して相応の対価を貰うプロのトレーナーとしての選手との関わり方がイメージできるようになっていた。このことで、選手たちとパーソナルトレーナーとして関われるようになり、働き方が変わったことで一般生活者から介護予防へも仕事が広がっていった。 「ATとして、選手たちに適切な処置をおこなったり、怪我から復帰までのプログラムを考えていく中で、悩んだり苦労することはまだまだたくさんあります。でもNESTAの先輩方がよく口にする『自分から楽しめるやり方を考えよう』、『みんながハッピーになる方法を考えよう』という言葉に共感して、今はトレーナーとしての働き方、トレーナーとしての価値の提供方法を追求することを考えるようになりました。それも楽しみながら。そう考えるようになってから、ATの強みも改めて見えてきましたし、ATだからできる仕事が大きく広がっていることにわくわくしています。トレーナーの仕事には悩みがつきもの。だからこそ、楽しむ方法も見つけがいがあります。職人的な専門的な知識・技術だけではなく、ビジネススキル、コミニュケーションスキルの全てを持つ〝プロのトレーナー〞をこれからも追求し続けたいと思います。そんな実力あるトレーナー、特に女性トレーナーが、もっとたくさん出てきてほしいですね!」プロトレーナーとしての職業を確立するNESTA PFT日本体育協会公認アスレティックトレーナー松沢恵美さん(32)海外のトレーナーからも学びつつ、プロフェッショナルなトレーナーに近づきたい2014年の目標好きな言葉自分から楽しむ

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