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せたり、手入れをすることが中心でした。でもどんなに素晴らしい車でも「運転手」がしっかりしていないと車はすぐに壊れたり傷んでしまいます。身体も同じです。身体をどのように使うか?自分の身体をコントロールするのが運転手でもある脳です。脳へのアプローチを学ぶことで、日々のレッスンの指導法にも磨きがかかり、社会の中での人間関係やコミュニケーションにも活用でき、さらに自分自身のライフスタイルにも影響を及ぼしていくのです。 人間の脳の素晴らしさ、身体の面白さに出会って、もっともっと学びたくなるはずです。私にとっては、特に脳内ホルモンでもある神経伝達物質の働きや心との関係がこの本を読んで腑に落ちることがいっぱいで、心の勉強も同時進行で進めることができるようになりました。 2010年代は「心の時代」といわれるくらいですから、やはり脳のことを運動指導者として知っておくことは不可欠かもしれません。ぜひ、手に取ってみてくださいね。 今話題の「シナプソロジー」という脳の認知機能を向上させるためのエクササイズ開発に関わってから、勉強しだした時に読んだ本の1冊を紹介します。筋肉など解剖学や運動生理学を学んでは来たものの、脳、神経と聞くと「難しそう…」と敬遠しがちの私でした。耳慣れない言葉がたくさん出てくると思っただけで、やる気が失せてしまいます。そんな私が、本屋さんに行って手に取った本はどれも難しく、なかなか読む気がおこりませんでした。そんな時に、ネットで検索して見つけた本です。「マンガ」という言葉に引っかかって、「これならわかるかも?」とすぐ取り寄せました。アリスという女の子が登場して、脳の世界をわかりやすく案内してくれます。 目次が問いかけになっていて、2ページほどに1つのテーマが簡潔にまとめられているのでとっても読みやすい本です。日常生活のできごとや、日ごろ感じていた疑問がするりと解けていく、「へぇ~~そうなんだ!」と相槌を思わずついてしまうネタがいっぱいです。高齢者指導をしている方やパーソナル指導をしている方が参加者に興味づけたり、クライアントの方のモチベーションを上げたいときにショートスピーチとして使える情報が満載です。何よりも読みやすく、活字が苦手な方でも楽しく脳のことを学べるのがおススメです。 今までのフィットネスは、身体へのアプローチが中心で、車で言うと「車体」の機能を向上さ有限会社アクトスペース企画代表取締役NPO法人いきいき・のびのび健康づくり協会会長Studio fi ve fにて、パーソナルセッションからセミグループレッスンまで指導中。機能改善体操の普及に邁進中!Profile尾陰由美子著者:野口哲典出版社:ソフトバンククリエイティブ㈱第4回マンガでわかる神経伝達物質の働き 心と身体を磨くオススメ本インストラクターのための出版社:出版社:出版社:ソフトバンククリエイティブ㈱ソフトバンククリエイティブ㈱ソフトバンククリエイティブ㈱ソフトバンククリエイティブ㈱ソフトバンククリエイティブ㈱ソフトバンククリエイティブ㈱ソフトバンククリエイティブ㈱ソフトバンククリエイティブ㈱ソフトバンククリエイティブ㈱ソフトバンククリエイティブ㈱ソフトバンククリエイティブ㈱ソフトバンククリエイティブ㈱ソフトバンククリエイティブ㈱ソフトバンククリエイティブ㈱ソフトバンククリエイティブ㈱ソフトバンククリエイティブ㈱44December,2013 www.fitnessjob.jp 今回は、私の人生の中で、親のフィットネスに関わった話です。母が50代の頃、周囲の方や母にも運動をしてもらいたいと、プレビギナークラスを開設しました。母達が、エアロビクスをしているのを見て感動したのを、覚えています。続けて来ていたのですが、お互いに忙しくなってしまって、母もレッスンに来られなくなった時期が有り、瞬く間に10年経っていました。まだまだ元気と思っていたのですが、子どもたちが成長し、一段落してふと気が付いたら、両親は、体力気力共に、かなり衰えていました。それまで、行事毎にプレゼントをしたり食事をしたりして、つかず離れず見てきたつもりですが、10年以上レッスンのブランクを作らせてしまったことを悔やんでいます。体力、筋力が落ちて、体重は27kgまで、減ってしまっていたのです。このまま放ってはおけないと、昨年、娘の大学が決まったのを機に、母を自宅に呼び寄せて一緒に生活することにしました。エクササイズを再開させ、料理や洗濯、日記を書いたり、家の階段を昇降させたり、三度の食事をバランスよく摂らせたりしました。母スタジオ sunset代表・チーフインストラクターJMFA/日本マタニティ・F協会 MB・AB・MY、JAFA/ADD・代議員、トニーTパルスリズムトレーナー、ACSM/アメリカスポーツ医学会HFI、インストラクター・オブ・ザ・イヤー2012最優秀賞受賞日置智子Profi leは徐々に良くなり、2か月余りで30kg台になりました。しかし、父のこともあり、その生活を続けることはできず、また、両親2人だけの生活に戻ると様々な問題が起こってきました。色々手続きを踏んで、現在では、2人でデイサービスや、訪問看護なども利用するようになりました。そんな中、9月、何とか両親が元気なうちに、と姉妹で計画し旅行に連れて行った先で、食事中に母が窒息死しかけるという、大変な事が起こりました。私や娘の即座の救急処置と心肺蘇生、人口呼吸、救急搬送と病院の処置で、奇跡的に命は取り留めました。しかしながら、搬送された時は、瞳孔は開き、意識もなく自呼吸さえもしていなくて、医師からは希望が持てる事は何一つ聞くことが出来ない状態でした。しかし、諦めずに、姉妹で協力して、交代でつき添い、声をかけ続けました。何と、母は日を追うごとに、少しずつ意識も呼吸も戻ってきたのです。また、後で知ったことですが、転院された先は、救急病院として、設備も整った全国屈指の県立病院だったのです。母にとって、孫が、大学で窒息の救急実習をしたばかりだったことも強運といえるでしょう。回復経過において、人間は、おかれた状況によって力を発揮出来るものだと痛感しました。自呼吸が出来ないため、のどに管が通っていて声が出せない時は、目でものを言い、筆談を要求し、震える字で思いを伝えようとした事。管をとって、声を出せるようになりたいと要求する母に、自呼吸が出来るようになったら外せるんだよ、と言い聞かせます。口から食事が摂れないため、鼻から管を入れて栄養を補給していた1週間余りは、ご飯が欲しいと、見舞いに行くたびに訴えていました。この食に対する思いが強い人ほど、回復が早い、と看護師さんは言います。私も日常で感じていましたが、大食漢は元気な人が多いようです。食べる事は、生きる力なのです!声を出し、リハビリを頑張れば、食べられるようになるよと、説得します。現在、何の後遺症もなく、ミキサー食を頂けるまでになりました。まだ、入院中ですが、リハビリで体力を取り戻して、また、レッスンに来られるようにヘルプしていきたいし、日常生活そのものが、エクササイズだよ、と伝えています。第4回 中高年のフィットネス①

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