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お客様のカルテを、前日夜・当日朝・セッション直前に見て、その日のセッションをイメージエビデンス(科学的根拠)による裏づけ、トレーニングの実践・体験に基づいたトレーニングの提案。そのお客様のニーズに合う、パーソナルならではの「特異的な」メニュー作成。クライアントが継続するために鈴木紀雄さんがやっていること超人気パーソナルトレーナーがやっていることえきれず、倒れそうになる。「なるほど、わかりました。それでは、いよいよトレーニングに入っていきましょう」 まずは鈴木さんが見本を見せてくれる。真っ直ぐ進むランジとボールを両手で持って体を左、右と捻りながら行うランジの2種類。たぶんできそう。と思いきや、まっすぐ進むのはなんとか出来ても、捻りを入れると、とたんにおかしなことになる。ボールを斜めに振り下ろすように捻ってしまうし、動きもギクシャク。当然ながら、鈴木さんから「進みながらスムーズに捻ってください」とチェックが入る。しかし、「振り下ろす動きも面白い、それもアリですね」と優しい一言。 何度か繰り返し、少しずつだが出来るようになってくる。 「このトレーニングは下半身の筋力をあげ、また体を捻りながらバランスをとり、次の動作に移行する。さまざまなスポーツにも大切なトレーニングのひとつです。自分で1人でもできるようにして帰って下さいね」ダメ出しはしないその人の長所をみつける 鈴木さんはホリスティックコンデくつもりだった」ものの、ダンススタジオに併設されていたジムで体を鍛えたのが転機となる。 「トレーニングがすごく楽しかったのです。とくにそこで親切に教えてくれたトレーナーの影響で、こんなトレーナーになって、個別指導がしたいと思うようになっていったんです」 そうしてトレーナーに路線変更。 「簡単に変わったようにも思われるかもしれませんが、僕の中では何も変わっていない。とにかく好きなことを一生懸命やって飯が食えることが一番幸せだと十代の頃からずっと思っていましたから」 今は月140本のセッションをこなし、アディダスパフォーマンストレーニングのマスタートレーナーとしても全国を回る多忙な日々。それでも自分の体を鍛えることも忘れない。「エビデンス(科学的根拠)による裏づけと自分の体で実践して効果が確認できたトレーニング法を発信していますからね」 人気の秘訣はと問うと「何ですかね」と少し考え、「人のいいところを見るのが得意だと思います」と言う。 最後に今後の展望を訊いた。 「僕の年齢だと起業していてもおかしくない。でも、まだ僕はもっと勉強しなくてはいけないことがいっぱいある。だから、一つひとつ好きなトレーニングの勉強を更に積んでいきつつ、トレーニング以外のこともたくさん勉強して、次のステップへと階段を上っていきたいと思います」ィショニングの資格を持つ。力が入りづらい、体がスムーズに動かないといった状態を包括的に判断し、根本的な原因を見出して、修正のアプローチを行い自動的なトレーニング効果を最大限に引き出す。 「自分では気づかずにパワーや可動性が落ちていることも多いのです。ですから基本的にどなたも体のチェックから始めます。次に寝た状態で僕が補助をしながらコンディショニングトレーニングへ。さらに立ち上がって自動的トレーニングに移行していくのです」 鈴木さんのクライアントは現在約40人。年齢は13~80歳と幅広い。 「体作りやダイエットが目的の人もいれば、変形性股関節・膝関節症や腰痛症、メンタルストレスにより体重が減少して悩んでいる人などさまざまな人がいます。それぞれの方の目的にあわせてまずは体の状態を判断し、必要なコンディショニング、筋力トレーニング、障害予防をやります。ただ、自分が出来ないことに関して口を出さない。たとえば、クライアントさんが行っている趣味のスポーツで言えば、技術的なことなどは専門家に任せる。僕の役割の範囲をわきまえ、全力でサポートするだけです」 こう謙虚に話す鈴木さんだが、トレーナーになる前はドレッドヘアで、クラブで踊るハウスダンスにのめり込んでいた。「ダンスで飯を食べてい体のバランスを整えて効率よいトレーニングへ セッションの始まり早々、「ベッドにうつぶせになってください」と言う鈴木さん。マッサージやストレッチをしてくれるのだろうか。私の脚や腰を軽く抑えた後、仰向けになって脚の回旋をしたりする。ツボを押されているようで、なんだか気持ちよくなってくる。すかさず鈴木さんが「眠くならないでくださいね、これからトレーニングですから」と笑う。「骨盤が左に少し傾いているようです。とくに左の股関節の動きが悪い。では、少し体の調整をしていきましょう」と言った。 そのままベッドの上に仰向けの状態で、鈴木さんに脚を押さえられた方向とは逆に力を入れたり、大の字や四つん這いで肘と反対側の膝をつける運動を繰り返す。調整とはいえ、じんわりと汗が出る。 続いて、鏡の前で足の母指とアーチに重心を置いて立ち、骨盤の前傾・後傾、肋骨を閉じる練習をする。また、ボールを持って、スクワットの姿勢に。その状態で、鈴木さんに膝を横に押されたり、肩を後ろに押されたり。これが結構キツイ。踏ん張ろうと思っても脚がガクガクして耐体の不具合を判断して修正し、必要なコンディショニングを行うSeptember,2013 www.fitnessjob.jp15

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