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クライアントが継続するために西村講平さんがやっていること本人の目標と、もっと高い目標の2つをたてる毎日1日の流れをシミュレーションするクライアントに安心感を与える超人気パーソナルトレーナーがやっていることクブクブク~」という西村さんの掛け声を合図に、水に潜って息を吐く。 そしてクロールの腕の動かし方。水中で立位のまま、左右の腕をまっすぐ振り下ろすようにして水を左右でかく練習。手のかえし方にも細かい注意点を教えてくれた。 「いよいよ息継ぎにいきましょう。これができれば、クロールはできます」 左、右、左と腕を返して、ブクブクと息を水中ではいたら、次の右に腕を返したときに、顔を右側にあげて息を吸う。難しいが、これも何度も繰り返した。 「さて」と西村さんがニンマリする。 「今までバラバラに教えた事を、全部意識してまたクロールをやってみましょう。今回は短時間で教えましたが、アナタならできますよ」 え~いきなり? 頭の中で姿勢、呼吸の仕方、腕の動かし方、息継ぎを復習しながらいざ、挑戦。何か1つを忘れると、西村さんからチェックが入る。しかしながら、何度かやるうちに「OK」が出た。すごくウレシイ!自分自身をマネジメントして常に高い所へ 「僕は、クライアントの方が現時点でイビングにも挑戦しているという。「高齢の方でも、普通にマリンスポーツを楽しむことができる。それが僕の目標でした。諦めなければ必ずできる。そして何歳でも楽しい人生を送ることができる。誰にでもセッションではそういうことをお伝えしたいんです」 この考え方のベースは、学生時代に競泳選手として人一倍努力していた時に培われた。「常に今の自分を超える」ことが信条。トレーナーという職業についてからも、その気持ちは変わらない。先月より今月のセッション数を増やすために、イベント時には、自分の泳法をDVDに収めて流したり、YouTubeにアップしたり。自分に興味を持ってくれるクライアントの方々にわかりやすい泳ぎ方、フォーム、そしてレッスン内容を伝えようと努力を続けてきた。トレーナーになって5年。現在1日に約8セッション、年間2000セッションを超えるほど、超がつく人気トレーナーになった。 「トレーナーになったら、人気を得ることは早く目指すべきだと思います。そのためには、自分の中でトレーナーという部分とマネジメントの役割が必要だと思います。どうやったら人気トレーナーになれるかを考え、今できると思うことはとにかく急いでやる。諦めずにコツコツやっていけば、必ず目標を達成できる。さらにやればもっと高い夢も実現できる。自分自身の挑戦もクライアントの方にお伝えすることも同じことなのです。1つ1つに喜びを感じ、ウレシイから頑張れる。そういう楽しい努力をするべきですね」出来ることをまず把握してから、2つの目標をたてます」と西村さんはいう。どういうことかといえば、多くの人は「こうなりたい」という目標があるが、じつはもっと高い目標が目指せるという。しかし「そこまで私はできない」と思い込んでいるためなかなか進まない。 「そこで、本人の目標と、僕ができると思うもっと高い目標の2つを持っておき、まずはクライアントの方が目にみえている目標に向かって、できることを一つひとつ増やしていくようにします。そして、いつしか僕が思っていた高い目標まで導いていくようにしているのです」 たとえば、66歳の女性の例。 「彼女はジムに通っていましたが、ある日、退会手続きをしていました。その時、フロントスタッフが、やり残したことはないですか、と質問をすると、『生まれてからずっと顔を水につけることができないんです。実は沖縄で泳ぐことが私の夢でした』と言ったんです。それを聞いた僕は、退会前に1回だけ僕のパーソナルセッションを受けてみませんかと勧めてみたんですよ」 最初は洗面器に顔をつけるところからスタート。それからもセッションを受け続けてくれたその女性は、1年後に沖縄の海で泳いだ。この時点で彼女の夢は実現した。しかし、西村さんはもっと先の目標を持っていた。彼女は、現在はスキューバダ出来た!という喜び 水に入るなり「まずはクロールで向こうまで泳いでみましょうか」と、ニッコリと笑顔で反対側サイドを指さす西村さん。久しぶりのプール。水は怖いわけではないが、25mも泳げるわけはない。あきらめ顔でとりあえず泳いでみる。息継ぎもままならないし、バシャバシャと数メートル進んだ時に、足をひょいと西村さんにつかまれた。 「ハイ、わかりました。それでは、今日1日でクロールをきれいに泳げるようになりましょう」 西村さんの言葉にちょっと驚く。今日1日で、ですか? 「ハイ、できますよ」 それでは、まず浮かぶ練習から。両腕を耳の横に着けるように挙げた姿勢で、水に倒れていく。すると西村さんが手を引っ張って進ませてくれる。頭の傾き具合の微妙な位置を調整したり、腕の伸ばし方や手の合わせ方なども細かく指示をしてくれる。すると、体が水に水平になって浮かび、まっすぐ進んでいくような感覚になっていく。これを何度か繰り返す。 次に、呼吸の仕方。水の中では口で息を吐く。それに慣れるために、「ブ今できることを一つひとつ実現して、大きな目標まで導いていくSeptember,2013 www.fitnessjob.jp11

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