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サプリメント輸入販売のビジネスを始め、同雑誌に広告を出したところ、想像以上の売り上げをあげた。「雑誌を見て、それよりいいものを販売できる自信がありました。実際、しばらくすると本業として成り立つほど注文が入りましたので、2002年に有限会社ボディプラスインターナショナルを設立しました」 個人輸入代行サービスを始めて約3年経ったころ、いくつかの有名アメリカ製ブランドを大量輸入して、ジムや小売店に販売させる事業をスタート。有限会社ボディプラスディストリビューションを設立した。順調に顧客を増やし、日本にアメリカ製サプリメントを広げていく。 目標通り日本でビジネスをスタートし、顧客も売り上げも右肩上がり。順風満帆かに見えた。しかし、2005年、突然税関からの電話を受ける。これまでの関税率は誤りで、今後、これまでの4倍支払うことが必要だという通知だった。それではビジネスとして成り立たない。在庫は2ヶ月分しかなく、その後の輸入ができない。倒産目前まで追い込まれた。「輸入ができなくなり、もうこのビジネスを続けることはできないだろうと絶望的な気持ちになりました。でも、これは結果的に『自社で製品をつくる』という目標を叶えるきっかけになりました。そして、私が“運”というものを信じることにもなりました」 この状況を食品メーカーで働く知人に相談したところ、彼はサプリメント製造工場のオーナーを紹介してくれた。「6週間で製造できなければ倒産してしまう。そう伝えたデービッドさんをそのオーナーは信用し、後払いで製品を製造してくれることになった。そして、HALEO、バルクスポーツが誕生した。 日本人は、製品の品質はもちろん、ラベルや付属品などについても細かな要望が多い。顧客の要望を受け、デービットさんは以前から自社製品をつくりたいと思っていた。このできごとをきっかけに、日本の顧客が要求する最高級スペックの製品をつくることができるようになり、会社にとって大きな転機となったのだ。 当初、雑誌広告からFAXやハガキで注文を受けていたが、インターネットの普及により販路が拡大。口コミも広まり、同社のサプリメント愛好者はどんどん増えていった。 伸びている理由は、「製品がいいものだから」。それに尽きるという。「今の時代、消費者は何がいいものか、何が悪いものかをよく知っています。それに忠実に、誠実に応えることが必要だと思います。社員にも、その会社の理想を共有していなければなりません。多くの人に感謝してもらえるようなサービスとは何かを考えていれば、自然と成長すると私は思っています」 そんなデービットさんが、今、仕事をしていてもっとも嬉しいのは、社員の成長が見えるとき。「社員が楽しそうに仕事に励み、スキルや人生への情熱を磨くのを見ることは、私の誇りです。お客さまから『ありがとう』と言われることも嬉しいですし、街でHALEOのTシャツを着ている人を見たときも嬉しいですね」 社員の成長のために、デービットさんが大切にしていることは、社員を信頼すること。出張や打ち合わせに同行させて、体得してもらい、ある程度成長したら信頼して任せる。それが、社員の自信と成長につながっているのだ。 2012年11月には東京・代官山にフラッグシップストア「HALEO代官山」をオープンした。同施設はクロスフィットジムに併設されており、HALEOとバルクスポーツ製品がすべてそろっている。施設内にはプロテインバーもあり、トレーニング後に効率よく手軽にサプリメントをとることができることも特長だ。 このようなコミュニティとなる場をつくることは、デービットさんのかねてからの願いであり、今後もこのような場所を増やしていきたい考えだ。「ジム、ショップ、バーがそろった健康になるための場所をつくって、メッセージを発信していきたいと思っています。HALEO代官山で、ジムメンバーがコミュニティを築いていく様子を目にして、その思いは強くなりました。ジムのポジティブなエネルギーをメンバーが共有し、吸収できる場所をつくりたいですね」 また、すでに北米、ヨーロッパ、アジアで販売しているHALEOを全世界に広めていくことにも、今後注力していく。そのために、プロフェッショナルかつグローバルな組織づくりをして、競争力を高めていく。 仙台でスタートした同社は、日本で健康のためのコミュニティの場をつくり、さらに世界に発展していく。製品について意見を出し合い、よりよい製品づくりを行う03社員のレベルアップが誇りであり、やりがい04コミュニティをつくりグローバルな企業へHALEO代官山〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町24-1 ROOBⅡ B1Fリーボッククロスフィット代官山×HALEOジム内に併設され、HALEO・バルクスポーツ製品を直接手に取れるGym02どん底が転換点に自社製品を製造スタート社名の由来 人々のカラダと精神にプラスとなる、グローバルな企業を目指して。所在地 宮城県仙台市宮城野区小田原広丁2-1 アセンドビルTel 022-792-1736webサイト http://www.bodyplusgroup.com/設立 2001年12月資本金 1,000万円組織 30名収支構造 【売上】サプリメント販売、スポーツジム運営 【経費】製造費、人件費、家賃July,2013 www.fitnessjob.jp29Organization Data株式会社ボディプラスインターナショナル

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