NEXT74号
40/60

摩訶不思議?摩訶不思議?常識?トレーナー業界の常識?非常識?して、以前から注目されていました。また、PC筋は、体幹の中心深部に位置するため骨盤の安定や腰痛との相関性も高く、「コアトレの基本」として10年ほど前から私自身も取り組んできました。PC筋トレの方法は至ってシンプルで、「排尿中の中断感覚(もしくは意識)」の繰り返しです。その際の、注意点は大殿筋などの他の筋肉と連動させないことです。PC筋のみのアイソレーショントレーニングに慣れたら、セカンドステップは運動の起点に「PC筋意識」もってくることです。特に、股関節の屈伸運動とのコンビネーションは有効です。具体的には、スクワットのボトムに向かう過程で「排尿意識」をもち、ボトムに到達したら「排尿中断意識」をもってから立ち上がり始めるといった具合です。運動中の骨盤の安定、腰痛の改善、男女ともに性機能の向上など効果は絶大です。また、歩行中は勿論、立位、座位など場所や時間にとらわれず、誰にも気づかれず行えるのも「PC筋トレ」の特徴でしょう。“PC筋を制する者が、コアトレを制する”皆さんも「コアトレの基本」として、明日からの指導に取り入れてみてください。S.Dream有限会社代表、NESTA JAPAN理事、太田情報専門学校講師。「Drive your HEART&BODY」をテーマにパーソナルトレーナー、チームコーチ、クラブスーパーバイザー、メーカーコンサルタント活動中。雑誌、DVD、TVCM出演多数。Profi le 木内周史 皆様、こんにちは。日増しに暖かくなってきて、身体が動きだしたくてうずうずしているのを自然と感じられますね。ビジネスでもプライベートでも、家中(ホームトレーニング)・街中(散歩に自転車)・日本中・世界中を動きまりましょうね! 今回のテーマは、「筋肉」です。我々の仕事にとって筋肉が最重要要素の1つであることは、異論のないところだと思います。筋出力が筋力を決め、筋の柔軟性がROMの決定を大きく左右します。私自身がこの仕事に携わるようになってから27年間、その筋肉には常に流行のようなものがあったように感じます。お尻(大殿筋)が大きいことが選手の優劣を現すだとか、ローテーターカフが肩の障害の原因であるとか、走力に一番重要なのはハムであるとか大腰筋であるとか、やっぱりインナーマッスルだの腹横筋だの…。このように時代時代により、流行の筋肉は移り変わってきました。本来は人の体がここ20~30年で劇的な変化を遂げたわけではありませんので、筋肉に流行のようなものがあるのはおかしな話です。とはいえ、今まで陽の目を見なかった色々な筋肉が注目・研究され、現場で試行錯誤が繰り返されるのはいいことだと思います。これら日本における“流行筋”は、実はそのほとんど(全て?)がアメリカから5~10年遅れて入ってきたものばかりです。近年においては、留学者の増加、情報網の発達などによりそのスパンが短くなったものの、未だその感は拭えません。 ただし、私が知る限りアメリカで注目され、日本でほぼ無関心の筋肉が1つだけあるのです。何故かは今回の不思議ポイントですが、筋の部位的な問題で日本ではタブー意識のようなものがあるのでしょうか? それは「恥骨尾骨筋」です。英語では一般的に PC muscle(pubocoxygeal m.) と言われます。PC筋は、3つある肛門挙筋の内の1つです。肛門挙筋は、運動学から見ると骨盤底筋群の中でも中核をなす筋肉です。元々は、医療分野で注目され始め、産婦人科ではお産によるPC筋の損傷や過度の伸張(元来、柔軟性が高い筋肉だが出産により過度の伸張を起こす)に対するリハビリテーションとして、泌尿器科では加齢による勃起力の低下やEDに対する運動療法とvol.10RefineBody代表、動きを通して洗練されたココロとカラダ創りを提唱。北海道体育大学校非常勤講師、一人でも多くの方に運動を通して幸せを提供するために活動中!ブログ【札幌 田中宏明】で検索田中宏明Hiroaki Tanaka道産子がゆく!ピラティスパーソナルトレーニングと40May,2013 www.fitnessjob.jp尻を持ち上げてしまう 3つは連動していることもありますが、1つ目を例に出し掘り下げると股関節の屈筋群(腸腰筋)が硬く、お尻に相反抑制がかかり(股関節が伸びたくても伸びない)お尻が使えないのでハムストリングスや脊柱起立筋、または大腿四頭筋で代償してしまうケースです。 お客様によって身体状況は違いますから、対処の仕方も変わってきます。「ヒップリフト」の前に、どんなストレッチをするか、どんな意識を持って頂くかによって同じ動作でも、中身は別物となるのです。 このように「形」はあっていても「質」がともなっていないケースはヒップリフトだけではなく、各マシントレーニング、フリーウエイト、自体重エクササイズでも多く見られます。 私は、ピラティスを通して運動指導の概念が大きく覆されました。 科学的根拠に基づく運動指導が出来るようになり、お客様へ効果を提供出来るようになっていきました。 多くのフィットネスクラブでは、「マシンの使い方」はしっかり指導されているものの、「身体の使い方」を指導されているところは少ないと感じています。「身体の使い方」がわかることで、マシントレーニングやスタジオプログラムでの運動効果をより引き出すことができ、お客様自身が「自分の身体が変わった」という効果を発見し、運動継続にもつながっていきます。(やはり効果を一番に求められるお客様が多いですから) 私はピラティスを通して、一人でも多くのインストラクターやトレーナーが「科学的根拠に基づいた楽しい運動」を指導できるようきっかけを提供し、その先にいらっしゃるお客様が運動を通して幸せになって頂くことを実現させたいと思っています。 1年間、未熟者の私の連載をお読み頂いた皆様、本当に有難うございました!!これからも、ブログやフェイスブックでお待ちしております。 NEXTをご覧の皆様、こんにちは! 早いもので、昨年この賞を受賞させて頂いた時から一年の時が経過しました。 2012年のオブザイヤーも発表され、より一層この賞にふさわしいトレーナーになろうと身が引き締まる思いです。 今回は、前回にお伝えしきれなかった部分についてご紹介させて頂きます。※前回の記事をお読みになられていない方は、前々号(第72号)をご覧下さい「股関節の伸展が引き出せず、大臀筋が使われないのはなぜでしょうか?」という問いの続きです。 様々な要因が考えられますが、現場で多く見られるケースとしては以下の3つです。①股関節伸展動作に抑制をかける股関節屈筋群が硬い(またはハムストリングスが極端に硬い)②腹圧が上手にかけられずに、腰椎の伸展が出てしまっている③股関節を動かす意識がなく、膝や腰の力でお~第6回 ピラティスを使った機能評価法②(まとめ)~「流行の筋肉?すたれる筋肉?」の巻~

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です