NEXT70
14/60

14January,2013 www.fitnessjob.jpフィットネス・スポーツ・健康情報誌の機能軸で捉えていく この数年でとても勢いがある「体幹」「ゆがみ」「肩こり」「ストレッチ」などは、ファンクショナルの要素が共通しています。裏テーマとしてのファンクショナルは、来年もさらに拡大していくでしょう。「SASUKE」のアメリカ版みたいなクロスフィットも、ファンクショナルがエンターテインメント化したものだと言えます。 トレーニング以外にも、機能軸で捉えていくと、サプリメントや健康系食品もファンクショナルの一部と言えるでしょう。またベアフットも、一部の人の特殊なトレーニングから、普段のランニングに溶け込ませる動きがあります。声高に「ファンクショナル」と叫ぶわけではなく、カラダにとって自然で必要なものではないかという気付きに繋がっている。普通の人はファンクショナルを意識していませんが、送り手側・フィットネス業界・サプリメント業界・健康産業全体で関心が高まっています。高齢化と連動している現象ですね。健康日本21の今後の方向性も気にはなりますが、我々はあくまでも商業誌・一般誌です。ロコモも、うちのターゲット(30代中盤)とは違う高齢者向けなので、もちろん勉強はしますが、すぐに読者に還元するものではないと思っています。ホルモンと糖質制限のヒット いちばん売れたのは、今年も「腹(を凹ます)」特集でした。やはり気になるところですからね。「細マッチョ」もそうですが、入り口や導入部はトレーニングの動機になるようにわかりやすくして、そこから深い関心に移行していけばいいなと思っています。今年実験的に試みた「ホルモン」特集は、驚くほど売れました。性差はどう生まれるのか、成長ホルモンとは何か——これも広い意味でのファンクショナルというか、見た目よりも、カラダの機能への関心の強さを感じます。 「糖質制限」も良い反応が得られました。ただ、弊社が出した『おやじダイエット部の奇跡』という本もあるように、糖尿病の人たちや中高年のダイエット向けのイメージがついています。だからこそ、一般の読者や女性に向けて作りました。普段から運動している人が三食糖質制限していいのか?僕らも気になっていたので、作るのは面白かったですよ。医学界でも糖質制限は無視できない流れで、実践しているライターさんが学会に聴講に行ったりしています。一般化する手前の段階にきているから、やろう!と。単なる興味や流行り廃りの意識では、作っていませんから。Tarzan編集長大田原透さん1991年、株式会社マガジンハウスに入社。2007年より6代目Tarzan編集長に就任。好きなスポーツはランニング、ロードバイク、スノーボード、トレイルラン、MTBなど。マガジンハウス毎月第2・4木曜日発売500円・550円編集長が注目した2012年のキーワード時代を読み、その先を見据え、新たな流れも作りだす雑誌の編集長。消費者のライフスタイルや嗜好の変化、新しい市場の可能性、ヒット商品、新ジャンル・サービスの広がり方――多くの情報や最先端の動きに触れ、特集記事を組み、読者の反応を確かめている雑誌編集長という立場から、どんなことが感じられたのか。2012年を振り返って目立った動きやキーワード、2013年に繋がる動きや予測も語ってもらった。フィットネス業界がさらに活性化するヒント、インストラクター・トレーナーにとっても役に立つことがあるはずだ。裏テーマとしてのファンクショナルの拡大

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です