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September,2012 www.fitnessjob.jp1919栄養学化学反応を良くする食事日記の使い方ストイックになれない人の食事改善 栄養士の資格を持ち、トレーナーやダンス指導者として活動を続ける竹内しのぶさん。インストラクターとして18年、パーソナルトレーナーとして8年の経験の中で編み出した効果が出る食事指導法は、「化学反応を良くする食生活」。そして、食生活を見直すツールとして、オリジナルのシンプルな食事日記を開発した。食事や栄養について無関心だった人でも気軽に取り組むことができて、3週間で11㎝ウエストが細くなるなど、高い効果を生むことが注目され、数々の雑誌でも紹介されている手法である。竹内さんはこう解説する。 「食事は幸せを感じたり、癒されたりすることは人生にとって、とても重要なものです。食べるものには嗜好品も多く、ある日理想的な食事内容を指導されたとしても、長く続けられないケースがほとんどです。そんな中でも、『お腹をひっこめたい』と思えば、相応に食習慣を良い方向に導く必要があります。私自身、ものごとにストイックに取り組むことができないタイプなので、食事をこまかく考えたり制限したくない気持ちもすごく分かります。そこで、30分程度の説明で、効果的な食事習慣に近づくことができる方法を考えました。ストレスがないだけでなく、一生続けられる食事習慣を見つけることができる方法です」化学反応を良くする食生活 竹内さんが考案した食事日記は、量を調節するのではなく、食べ物の組み合わせとバランスを整えることを促すもの。面倒なカロリー計算や、食物ピラミッドなどを覚える必要もなく、小学生でも取り組めるシンプルさが特徴だ。 「まず、主食(ご飯やパン、麺など)と、主菜(肉、魚、卵など)、副菜(野菜、牛乳など)の3つに大きく分けて、食べたか食べないかだけでも食事日記に記録して貰うようにします。すると、抜けがちなものが一目瞭然なので、とにかく表を埋められるように意識して食べる。そうするだけで、自然に身体の化学反応が活性化されて、身体が変わります。化学反応というのは、例えば、ご飯1杯食べたとしても、それがエネルギーとして使われるためには、ビタミンB1が必要です。ビタミンB1は豚肉やうなぎなどに多く含まれていますが、細かいことは考えず、まずは肉や魚と一緒に食べることでエネルギーとして使われやすくなるという原則を利用します。さらに、食事の際に野菜を摂ることで、繊維質により胃での糖分の吸収速度がゆるやかになり、腹持ちが良くなって、空腹感を感じるまでの時間を長くとることができたり、血糖値も適正にコントロールできます。こうした説明は、相手の方の興味や栄養に関する知識レベルに合わせて分かりやすい範囲に留めますが、要はとにかく『野菜も毎食摂りましょう』ということです」楽しみながら一生続けられる この方法は、シンプルゆえに、指導者が管理しなくても、クライアント自身が自分で取り組めるというメリットもある。自分で気づいて食生活を修正することができ、何かを減らして我慢するのではなく、抜けているところを埋めるという増やす発想なので、ストレスなく取り組めることも、継続できる要因になっている。 例えば、生活習慣病の男性に多い、夜お酒を飲んだ後のラーメン&チャーハンを辞められないというケース。お酒とラーメン&チャーハンだけでは、主食のマスだけが埋まるが、チャーハンを餃子にすれば、主菜と副菜もとれることになる。こう導くことで、我慢することなく、身体の化学反応を活性化させられることになる。女性に多い、スイーツが止められないパターンでも、食事を我慢するのではなく、食事日記のマスをバランス良く埋められるように促すことで、臓器の機能が高まって便通が良くなり、栄養素が腸から吸収されるようになることで、肌や髪もキレイになるといったプラスαの効果にも繋げられる。 「フィットネスに取り組まれている方には『食べちゃダメ』『満腹になっちゃダメ』と思っている方が多いですが、化学反応を良くすることで、空腹感や満腹感も脳が適切に感じられるようになります。食事は一生楽しみたいもの。楽しみながら続けられる食生活をこれからも提案していきたいと思います」化学反応を良くする食事日記を活用した食事指導CASE08お話を聞いた方竹内しのぶさんDEAR BODY代表栄養士、健康運動指導士の資格を持ち、専門学校講師も務める。幼少の頃からクラシックバレエを始め、舞踊歴30年以上、フィットネストレーナー歴13年のキャリアを持つ。キッズダンススクールを運営する傍ら、パーソナルトレーナーとして、芸能人などのボディメイクを成功に導き、テレビや雑誌の出演や監修も多数。著書に「すっきりベルト付き。巻くだけ!腹凹ダイエット」(マガジンハウス)など。主食(ご飯やパン、麺のグループ)、主菜(肉、魚、卵のグループ)、副菜(野菜、牛乳のグループ)の3つに大きく分けて食べたものをシンプルに記入していくとともに、マスがすべて埋まるように毎食3種類の食品を食べるように意識する。これだけで、栄養素のバランスが改善され、体内の化学反応が活性化されて、無理なく身体が変わっていく。朝食内容分量材料・分量主食トースト1枚食パンパン主菜ハムエッグ1皿卵・ハムケチャップ卵・肉副菜野菜ジュースヨーグルト1杯1個トマト系ジュース野菜・乳備考缶コーヒー1缶朝食内容分量材料・分量主食主菜副菜りんご半個果物備考コーヒー朝食内容分量材料・分量主食玄米1杯150g米主菜納豆1個+ネギ豆副菜キムチのり5枚30g5g野菜備考朝食内容分量材料・分量主食主菜副菜ヨーグルト1個乳備考コーヒー昼食内容分量材料・分量主食煮魚定食玄米1杯150g米主菜サバミソ煮半尾100g魚副菜味噌汁ほうれん草1杯1皿ニラ、もやし、人参、キャベツ、もやし野菜備考クッキー3枚、コーヒー1杯昼食内容分量材料・分量主食クリームパスタめん主菜ツナ魚副菜アスパラたまねぎ野菜備考コーヒー昼食内容分量材料・分量主食塩たんめん1杯めん主菜豚肉半尾肉副菜サラダ1人前じゃがいも人参グラッセサラダ野菜備考昼食内容分量材料・分量主食おにぎりメロンパン2個1個米、パン主菜副菜備考缶コーヒー夕食内容分量材料・分量主食ライス1杯150g米主菜鮭ムニエル1皿100gタルタルソース魚副菜じゃがいも人参グラッセサラダ1皿じゃがいも人参、フレンチドレッシング、きゅうり、パプリカ野菜備考ビール350ml夕食内容分量材料・分量主食牛丼1杯米主菜牛肉1個肉副菜備考ビール500ml夕食内容分量材料・分量主食ライス1杯150g米主菜ハンバーグ1人前100g肉副菜かぼちゃサラダ1皿野菜備考ワイン200ml夕食内容分量材料・分量主食主菜牛肉2人前肉副菜サンチュキムチ1皿野菜備考ビール500ml○良い例×悪い例

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