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2015.10.24 土

セイバーメトリクスで見る野球 – 古い慣習や常識を捨てて見直そう-CNC mag

トレーニング

アスリートパフォーマンス情報サイト『CNC mag』の中からスポーツパフォーマンス向上に役立つ記事をご紹介します。

CNCmag

セイバーメトリクスを活用することでこれまでの常識や慣習が如何に間違っているかがわかります。大切なことはセイバーメトリクスは野球選手の人材価値を測る上でも活用されていること。トレーナーやコーチもこれまでの常識を疑い、データを客観的に見ながら指導しなければいけません。

ビッグデータがはじき出した確率で攻略するべきかもしれない!?

今年の甲子園は例年に増して人気があったようですね。

早稲田実業の清宮幸太郎選手、関東一高のオコエ瑠偉選手、東海大相模の小笠原慎之介選手と吉田凌選手など、超高校級の選手が多く集まり迫力あった大会のイメージでした。

なかでも一番注目されていた選手は清宮幸太郎選手でした。一年生であるにも関わらず、2015甲子園での成績は、元来の数字で述べると、

  1. 打率:0.474
  2. HR:2
  3. 打点:8

が主要データになります。

やはり、超高校級として注目される成績ですよね。

以下に非常に参考になるデータが掲載されていましたので、参照してください。

http://full-count.jp/2015/08/22/post16311/

上から叩いてボールを転がせ!の嘘

ここからはセイバーメトリクスに沿ってバッテリーの考え方について話を進めます。

先ず、高めのストレート勝負が多かった事。これは日本のプロ野球で言える事なのですが、ストレートに関してはホームランやフライになる確率が非常に高いと既にデータ化されています。

セイバーメトリクスでは、バッターが打つべきなのは

”フライやライナー > ゴロ” 

という方程式になっています。

今でも指導者が選手に「上から叩いてボールを転がせ!!」なんて言うフレーズをよく聞きますが、それは少年野球において、エラーを誘う前提でしかなく、ハイレベルになりつつある子供たちの守備能力において、ヒットになる確率は非常に低くなりつつあるということです。

つまり、フライやライナーは長打につながる確率が高く、ゴロよりも進塁率を高めるということです。

逆に一番ホームランを打たれにくいのがフォークであったと言うことも分かっています。ですから、バッテリーとしては基本的に変化球で攻めながら、カウントを有利にした状況を作り、低めのフォークで勝負するという試みが必要であるということです。

投球数が多い日本人ピッチャーは既に投資リスクが高いと見られている

上記のような甲子園で活躍する選手が日本のプロ野球(以下:NPB)に上がり、そして最終的にはメジャーリーグ(以下:MLB)で勝負して、それが日本の野球のステータスを上げていくことになることは疑問の余地もありません。

しかし、既にアメリカではセイバーメトリクスを通じて、日本の野球界、とりわけピッチャーに関して警鐘を唱え始めています。※1

※1 参考ソース:Investing in the Japanese pitching market

この内容を要約しますと、2007年からMLBで活躍するNPBの選手のセイバーメトリクスからはじき出されたデータを一覧表にして数値化し、投資額に対する貢献度を表しています。まさに経営とも一体化してくるビッグデータです。

更に重要なのは、これらのデータが蓄積されていきトラッキングされていることです。データから日本のピッチャーの投球数が多いがゆえに、将来の怪我のリスクを予測しています。MLBが積極的に投資を行うことを避ける可能性を含み始めた「既に起こった未来」なのです。

これからMLBに挑戦するであろう大谷翔平選手など有望な野球選手のためにも日本の野球も様々な部分で分岐点にあると言えるでしょう。

選手だけでなく、トレーナーもこれまでの常識を見直そう

バッターのこれまでの常識が異なること、そしてピッチャーの慣習が投資リスクとして見られていることを紹介しましたが、データ集積と分析が進み始めた今、これまでの常識が間違っていることがわかってきました。特に選手の怪我のリスクについては深刻な問題です。

特にセイバーメトリクスで見られる各データは、今後、益々選手の人材価値を測る上で活用されていくでしょう。人材価値を測る上でのパフォーマンスインディケーターであるからこそ、各選手のパフォーマンス向上は、これらの数値の向上が最終目標であると言えるのです。

選手自身はもちろんのこと、トレーナーもしっかりと認識した上でクライアントとなる選手のトレーニングを考えていかなければいけないことは言うまでもありません。そのトレーニングは、選手のパフォーマンス、そして人材価値を高めるのか?

日本のトレーナーに突きつけられた課題でもあるのです。

>>Write By ROKIYA WASEDA

rikiya-150x150専門はストレングス&コンディショニング。プロ格闘技の選手及びキッズアスリートの指導が中心。それと並行して、アメリカの最新スポーツビジネスにおけるサービスを幅広く手掛けるネットワークが強み。現在、ELEMENT ATHLETIX、STROOPSなどを国内へ導入しライセンス普及を推進。また、スポーツに欠かせない身体パフォーマンス向上をデータで実証するコーチング事業を展開する株式会社CORE N’ CODEを設立し、日米の企業から様々なオファーを受けている。STROOPS Master Trainer, NSCA-CSCS

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