出産・産後に必要な5つの要素が組み込まれている、マタニティビクス
2017年7月3日
妊婦の皆さん、マタニティビクスを知っていますか?
マタニティビクスとは、35年以上前に医師と運動の専門家が妊娠中の女性のために開発した安心・安全の運動プログラムです。
妊娠13週から行うことができ、お産に必要な体力づくりやお腹の赤ちゃんの発育のための良い環境をつくることができるほか、産後の回復をスムーズにすることで元気に育児ができる体力をつけます。
マタニティビクスのプログラムには妊娠中、出産、産後に必要な体力「5つの要素」がバランス良く組み込まれています。
①筋力「マタニティスロートレーニング」
マタニティスロートレーニングとは、妊娠中でも安心して行うことができるトレーニングです。
主に下半身の大腿四頭筋を使い、ゆっくりとおこなうことで加圧トレーニングと同じ効果が得られ、体重が増えていく妊娠中でも関節に無理なく行えます。
また、有酸素運動の効果を上げられることもわかっているので、体重コントロールもしやすくなります。
②全身持久力「有酸素運動」
マタニティビクスではタイプに合せた有酸素運動があります。
筋力の少ない方向けの「ロコモ」、体重コントロールが必要な肥満の方向けの「メタボ」、運動に慣れた方向けの「アンチル」。
それぞれのタイプにとって最大限の効果を引き出せるよう、プログラミングしています。
③柔軟性「ストレッチ」
妊娠中は無意識のうちに身体の使い方が制限されるだけでなく、子宮が大きくなり、お腹が大きくなることで重心が変わるため、腰背痛が起こりやすくなります。
その他にも妊娠経過に伴う不定愁訴(不快な症状)が出ます。
ママの身体の状態を良くすることは、お腹の中の赤ちゃんの環境を良くすることになりますので、ストレッチや血行を促すエクササイズをします。
④調整力「お産に関わる部位のエクササイズ」
お産や産後に備えて体力を向上させていくとともにお産に直接関係のある部位の機能を高めるエクササイズで身体の準備をしておくことが大切です。
出産時の娩出力を高めるための腹筋群のエクササイズや産道の準備や産後に備えるための骨盤底筋群のエクササイズ、分娩体位をとりやすくするための股関節周囲のストレッチや骨盤傾斜のエクササイズを行います。
お産に向けての準備のエクササイズを行うことで身体だけでなく、心の準備にもなりますので自信がもてるようになり、前向きなお産につなげることができます。
⑤防衛体力「抵抗力・免疫力」
体力とは①~④以外に病気やウイルスなどに対する抵抗力、精神的ストレスに耐える能力(防衛体力)も含まれます。
産後はお休みなしの育児がスタートしますので、妊娠中からそれらトータルでの体力の向上を目指す必要があるのです。
マタニティビクスにはお産に必要な体力がバランス良く組み込まれているだけでなく、産後やその後にも良い影響があるといえます。
家庭の中でママが心身共に健康であることが、家族にとっての幸せにつながるのです。
☆山口 真澄