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実は、妊娠をきっかけに運動を始める人が多い!?


【女性のライフステージとフィットネス(2)】

マタニティビクス指導歴25年の小林香織さんに訊く

「妊娠中は安静に」と言われていた時代に生まれたマタニティビクス。現在では、 妊娠したことをきっかけに運動を始める人も多い。日本マタニティフィットネ ス協会も、ライフステージごとに大きな変化を受ける女性の身体に合わせたプ ログラムを拡充してきている。

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<お話を聞いた方 小林香織さん> 
日本マタニティフィットネス協会
マタニティビクス、マタニティヨガ、ママフィット等、妊婦や産後の女性をはじめ、妊活中や更年期など女性のライフステージに合わせた専門の運動プログラムを企画・開発し、約25年間業界を牽引。チーフディレクターとして助産師や看護師、スポーツインストラクターらの指導者育成に注力するとともに、企業や病院、自治体での講演およびイベントに出演。また、書籍・DVDの監修やリリースも行い、TVや雑誌など各種メディアでも活躍中。

"女性である自分"は、自分で守る

「近年、女性が描くライフプランと、社会環境にギャップが生まれている ことを感じます。女性たちは自由にライフプランを描き始めているのに、 社会環境や人々の意識は半世紀前のまま。そのギャップが、知らず知ら ずのうちに女性たちにストレスを与えています。社会環境や人々の意識 が、女性たちの意識に追いつくまでは、女性一人ひとりが、“女性である 自分”の心と身体を守っていくことが必要です」。

小林さんは、女性が自分で自分を守る第一歩として、女性としての自 分の性と身体のメカニズムを知ることの重要性を訴える。

半世紀前の女性のライフプランと言えば、「20歳前後で結婚し、30歳 頃までに出産を終え、育児を経て50歳頃には孫ができて老後を過ごす」と いうのが一般的。社会の仕組みも、人々の意識もそれにぴたりと合って いた。身体の変化も、このライフプランと合っていたため、女性自身が 身体のメカニズムを知らずとも、思い描くライフプランを実現しやすい 環境にあった。

それが、近年になって女性に「働く」というステージが加わるようになっ たことで、ライフプランにおける「結婚」や「出産」のタイミングが遅れ がちになっている。以前は産科的にみて、理想的な時期にできていた「出 産」が、現在ではキャリアを積み重ねる時期と重なり、仕事や人間関係 などの心理的ストレスにさらされて しまっている。

このため、女性のライフステージの中でも出産に適した 性成熟期に、本来女性が持っている機能をフルに働かせることができないまま、年を重ねてしまう。過度のストレスは中枢神経を疲れさせ、そ れにより女性ホルモンを含むホルモンバランスが崩れる。近年、月経不 順や心身の不調を訴える女性が増えているが、その状態で「妊娠~出産 ~育児」をプランしても、思うような結果がでない可能性が高まってし まうのだ。

現在日本のカップルの6組に1組は不妊に悩んでいると言わ れているが、その背景にはこうした状況がある。

月経は健康のバロメーター

小林さんは、「月経は健康のバロメーター」 という。

月経をもっと大切に考えるべきと、女性の身体のメカニズムを こう説明する。 「女性は、生まれる前、お母さんのお腹の中にいる段階では800万個 の卵子(原始卵胞)を持っていると言われています。生まれた段階で 200万個に減り、思春期までにさらに減り、12歳頃、初潮を迎えます。

1回の排卵には複数の卵子が準備をして、卵巣で一番大きく成長した卵 子が排卵して精子を待ちます。受精まで至らないと子宮内膜とともに排 泄されます。これが月経です。

男性の精子と違い、女性は生まれた時か ら赤ちゃんの元になる原始卵胞を身体の中にもっています

。その数を徐々 に減らしながら、妊娠のための準備を毎月繰り返しているのです。つま り、女性の健康状態がすなわち、卵子の保存状態なのです。だから、生 まれてから思春期を迎えるまでの期間も、その後も、健康状態を良くし ておくことは、とても大切なんです」。

 月経のサイクルや状態を確認し、よりよい状況を維持しようとするこ とで、健康だけでなく、女性らしく輝けることにも繋がる。月経をつかさどる女性ホルモンがきちんと分泌されることで、髪の毛のツヤや、肌 の状態も良くなり、女性的な身体づくりにも関与する。そこで小林さん が女性に勧めるのは、「よい月経を迎えるためのフィットネス」だ。

よい月経を迎えるためのフィットネスとは

では具体的に、女性のそれぞれのライフステージで、よい月経を迎え るために、どのようにフィットネスを採り入れたらいいのか。小林さん はこう解説する。

「ホルモンと睡眠は密接な関係にあるので、まずぐっすり寝ることです。 良質な眠りを得るために生活のオン・オフのリズムを整えることを心が けてください。昼間は活動的な生活を送り、運動も積極的に生活にとり いれ、夜は心身を休ませることでホルモン分泌を司る自律神経を整える 生活をしたいものです。

そして、身体の機能がしっかりと機能するため の十分な栄養をとること。本来であれば難しいことではない、「睡眠、運 動、栄養」と、規則正しい生活という、当たり前のことをする、という極め てシンプルなことなんです」。 

これにより、生理のリズムが整ったり、身体の不調が改善することが 期待できる。しかし、生理で気になることがあれば、将来のことも考え 婦人科で受診はすべきだとも話す。また、現在の生活が更年期にも影響 することも知っておいて欲しいという。

マタニティフィットネス協会の プログラムでは、こうした基本的な内容に加えて、体内の臓器を適切な 位置に安定させるための体幹トレーニングや、正しい姿勢を維持するた めのトレーニング、血行を良くするストレッチ、自律神経を整えるため の呼吸法や自律訓練法なども採り入ている。

女性の身体を知ることの重要性

女性が自分の身体を守り、ライフ プランを実現していくために、小林さんは「適切な情報に触れる機会を 増やすことが大切」として、男女を問わず、女性の身体について理解 を深めて貰える機会をつくることを、フィットネス指導者にも呼びかける。

「現状、女性の身体について初めて学ぶのは『初潮』と『避妊の方法』。小 学校、中学校でそれらを学んだあとは、女性の身体のメカニズムについ て学ぶ機会がありません。少子化問題を解決するためにも、もっと『女 性の身体の神秘』を男女ともに学ぶべきです。

そうすれば、みんなが女 性を大切にするようになる。女性自身も身体のメカニズムを知ることで、 その変化に備えることができ、はるかに快適にしなやかにライフステー ジを移行していけるはずです」

「月刊ネクスト」2016年3月号 No.108より



☆LIVE編集部

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