疲労感が抜けない人におすすめの、胸郭を広げるエクササイズ
2017年2月13日
前回、「あなたの猫背・肩こり・腰痛・疲労感etc、すべて呼吸が問題?」と投げかけをさせていただきました。
「腰が痛いって言ってるじゃん!」
「私が痛いのは肩なの!呼吸はちゃんとしています(怒)」
「疲れが抜けないのは、年だからでしょ」
そう思った方、今回はその疑問にお答えします。
正しい呼吸で身体の機能が改善
トレーナーの岩切です。
私は、自分のジムや外部でのトレーナー活動中に「呼吸がうまくできていなくて、腰痛や肩痛に悩まされている方」を多くみかけます。
そして呼吸を改善することによって、改善するケースが多いのも事実です。
ここで質問です。
「あなたは、1日に何回呼吸を行っていますか?」
生まれて最初に動く機能は「呼吸」です。そして、起きているときも寝ているときも、休む間もなく行っている動作が呼吸です。
前回もいいましたが、人にとって最も重要な機能が「呼吸」なのです。
質問の答えですが、人は「1日に2万回から3万回の呼吸」を行っているといわれています。
間違っている呼吸の仕方で3万回も行っていたら身体がおかしくなると思いませんか?
では、間違っている呼吸って何?という疑問を考えてみましょう!
呼吸の仕組み
呼吸をするのは肺の仕事です。
肺が大きく膨らむと空気が流れ込んできます。これが「息を吸う」と言われているものです。
逆に、肺が小さくなると空気が吐き出されていきます。これが「息を吐く」です。
では、肺を大きくしたり小さくしたりする仕事はどこの部位が頑張っているのでしょうか。
まずは、「空気を吸う」という機能を考えてみましょう。
重要な部位の1つは、肺の入れ物である「胸郭(肋骨で囲まれているスペース)」の下の部分を蓋している「横隔膜」です。
ドームのような形状をしている横隔膜が緊張すると、ドームの屋根が落ちてきてぺちゃんこになったような形状に変化します。
そうすると、肺の容量が大きくなり空気が入ってきます。
もう1つの重要な部位は、胸郭を広げる役割をしている「外肋間筋(肋骨と肋骨の隙間を覆っている筋肉)」です。
主にこの2つが頑張ることによって空気が肺に入ってきます。
一方、「空気を吐く」という機能は、お腹に力が入ることによって行われます。
ぺしゃんこになったドーム(横隔膜)が緩むことによって、ドームの天井が上がっていきます。
もう1つ、肋骨と肋骨の間は、「外肋間筋」の内側にある「内肋間筋」が頑張ることによって、胸郭を小さくします。
腹筋は、息を深く吐くときに使われます。
つまり、肺の容量が小さくなるので、空気は外へ出ていきます。これが吐くという動作です。
呼吸の仕組みが少しわかってきたと思います。
呼吸が浅いと疲労感が抜けません
冒頭に話した身体の問題は、横隔膜・肋間筋・腹筋群の働きが悪くなっていることに起因します。
まずは、「疲労感が抜けない」。
前述したように、肺を大きくしたり、小さくしたりするための筋肉が動かなくなると、呼吸が浅くなります。
つまり、身体に酸素を取り入れて、二酸化炭素を排出するという「ガス交換の機能」が働かなくなるということです。
ガス交換の機能が落ちてくると、身体の末端まで、酸素を届けることができなくなり、身体はリカバリーしにくくなります。そして次第に免疫力も落ちてくるので、体調不良に陥りやすくなります。
そして、浅い呼吸を繰り返すようになると交感神経優位になり、睡眠も浅くなります。
肋間筋を活発に動かして、胸郭を広げるエクササイズ
疲労を回復させるためにおすすめの、サイドベンドというエクササイズを紹介します。
①骨盤を立てて座り、胸を開いて手を後頭部に当てます
②わきの下の肋骨を広げるように身体を横に倒します。
左右に交互に5回ずつを3セット行いましょう
①の姿勢から③斜め後ろに倒していきます(②よりも前側の肋骨を広げるようにします)
左右に交互に5回ずつを3セット行いましょう。
注意点:ターゲットは胸郭なので、下写真のように股関節から曲がらないように注意しましょう。
次回は、「腰痛・肩こり」及ぼす悪影響のお話です。
お楽しみに
(TEXT/岩切 誠 LIVEonline編集部)
☆岩切 誠