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【キッズ・ジュニア・ファミリー向けスクール】子どもフィットネス・キッドビクス|トレンド

2016.03.25 金 トレンドサービス

【キッズ・ジュニア・ファミリー向けスクール】

フィットネスクラブにおいて、キッズ・ジュニア・ファミリー向けスクールは伸びている分野であり、欠かせない事業のひとつである。 現在のフィットネスクラブでは、子どもの習い事第1位であるスイミングスクールはもちろん、第2位英語、身体の基礎をつくるプログラムなど幅広いスクールをお客さまに提供している。本特集では、集客力のあるキッズ・ジュニア・ファミリー向けプログラムを紹介する。

子どもたちの健やかな成長をサポートするために、一般社団法人日本こどもフィットネス協会は、楽しく安全で効果的な「子どもフィットネス・キッドビクス(以下、キッドビクス)」のプログラムを2〜12歳に提供している。同時に、母親の心身の健康を目指す親子のプログラムも充実させ、子育てをサポートしている。

生活やスポーツで重要な握力を向上させるプログラム

1985年ごろから子どもの、走る・投げる・握る力が低下傾向にあり、運動に親しむための体力と健康に生活するための体力の向上が求められている。キッドビクスは、歌遊び、手遊び、身体遊びから始まる、子ども同士の人間関係を築きながら、正しい姿勢、リズム感、持久力、柔軟性などを高めるプログラムである。エアロビクスやダンスの要素を取り入れ、ボールやフープを使った全身運動を行う。

未就園児にはスキンシップをベースにした親子で行うリズム体操などのプログラムを、就園児には母子のスキンシップやコミュニケーションを育みながら母子分離を目指すプログラムなどを、小学生にはエアロビクス、アクティビティ、ヒップホップなどのダンスプログラムを提供している。

また、エアロビクスやダンスだけでは子どもの握力が向上しないことに着目し、「握力向上プログラム」を開発。クラスのなかで取り入れている。

「2010年に親子フィットネスエクササイズが親子の心身に与える影響について調査したところ、親子ともほぼすべての項目で数値が上昇したなか、握力だけは変化していませんでした。握力は、生活やスポーツのなかで重要な役割を果たしますから、これを向上させるために、一人ひとりに適した空気圧に調整できる“マイボール”を掴んでフィットネスを行うプログラムを開発しました」(渡辺氏)

このプログラムは広く評価されており、オリンピック・パラリンピック教育を行っている中央区有馬幼稚園でも、「キッズフィットネス」「親子フィットネス」として取り入れられている。

5日間・40時間でライセンス取得子ども・親子に質の高い指導を提供

フィットネスクラブがキッドビクスを導入する場合には、クラスの対象年齢や目的を決め、それに適した、キッドビクスライセンスを取得するインストラクターにプログラムを展開してもらう方法と、自社のスタッフがキッドクスのライセンスを取得する方法がある。

キッドビクスライセンスの取得をするには、5日間、40時間の講習会を受講する。講習会では、エクササイズの要素であるエアロビクス・アクティビティ、筋コンディショニング、ストレッチ、ダンス、リズム遊び、子どもの心と身体などについて学ぶ。クラブスタッフ複数名が同時にライセンスを取得する場合は、同協会が出向いて講習会を行うことも可能である。今年3月には鹿児島県で講習会を行い、県内で4クラブを運営するセイカスポーツクラブのスタッフ3名を含め、約25名が講習会に参加した。

親子からジュニアまで人気継続率の高いプログラム

キッドビクスを採り入れている東京都の区立体育館では、親子向けに「よちよち親子体操」(1歳・プレキッドビクス)、「わんぱく親子体操」(2〜3歳)、「親子フィット&ダンス」(就園児)、キッズ・ジュニア向けに「キッズダンス」(4〜7歳)、「ジュニアダンス」(小学生)を展開している。
「区の施設ですから、赤ちゃんから高齢者まで楽しめるプログラムを揃えています。親子のクラスは、遊びを通して子どものリズム感や協調性を育てるとともに、子育て中の母親の運動不足解消やストレス発散につながるプログラムです。キッズダンス、ジュニアダンスは、ダンスの基礎、リズム感を養うとともに基礎体力づくりにつながります。身体を動かせる場所が少ないですから、補講のような役割も果たしているようです。いずれも、対象年齢と目的を伝え、プログラムとインストラクターを提供してもらっています」(同体育館館長)

各クラスとも25名の定員に対し、充足率は7〜8割ほど。ジュニアダンスはキャンセル待ちが発生し、4月に増設したが、4月からさらに増設する。このクラスは、小学5〜6年生も多いことが特長だ。また各クラスとも利用者は3ヶ月ごとの更新が必要だが、毎回約8割が継続している。楽しみながら心身ともに成長させることができるキッドビクスは、子どもの体力低下が問題となっている昨今、子どもそして母親にとって必要なプログラムといえるだろう。

【取材】
剣持 真由

【インタビュー・協力】
一般社団法人日本こどもフィットネス協会 代表理事 渡辺みどり氏