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【24 時間セルフ型ジムの現状と未来】FASTGYM24 都心部から郊外へ。出店を増やし、フィットネス人口増加に寄与

2018.03.20 火 トレンドサービス

 FASTGYM24 株式会社ティップネス

株式会社ティップネスは、2014年3月から24時間型ジム「FASTGYM24(以下、ファストジム)」を運営している。現在80店舗を展開しており、都心から郊外へと出店の立地も広げている。

総合クラブと異なる層をターゲット

店舗ネットワークを生かす同社は、総合クラブ周辺に24時間型ジムやホットヨガスタジオなどのバジェット型クラブが増加してきたことから対抗策を迫られていた。加えて、今後の成長のため、総合型とは別のかたちのクラブ展開が必要だと考えるなかで、利便性が高く同社総合型クラブとは異なる層、ニーズにアプローチできる24時間型を展開することとなった。当初は、成功事例を積み上げるために事業採算性向上を狙い、施設規模を小さくしたり、フロアを上層階や多層階にしたりした。また、他社と差別化しようと、マシンのラインナップを変更する、スタジオを併設するなど試みて出店した。成功、失敗の経験を重ね、「多店舗展開を前提としているため、サービス以外のサービスや施設に差別化はそれほど必要ない」というのが三島氏の現在の見解だ。差別化という点では、今年1月から、総合型クラブのお客さまがファストジムを利用できる会員種別を設けた。「今年、ファストジムの店舗数が総合型クラブを超え、店舗ネットワークが拡大しました。お客さまにとっては利便性が上がり、より継続して運動しやすくなるのではないでしょうか。導入後、ファストジムを利用する総合型クラブの会員さまが増えています」(三島氏)

ターゲット層が会員の80% 初心者は約半数

現在の各店舗の会員数は平均で600名ほど。ターゲット層としている20 〜40代男性と20 〜30代女性で約80%を占める。男女比は約7:3、店舗によっては当初の想定より女性が増えてきている。想定外に初心者の割合が多いが、スタッフがいない時間でも、マシンに掲示されている説明を見てトレーニングしている。オープン時には無料のパーソナルトレーニングを提供するほか、スタッフによるマシンの使い方説明を行っている。現状の出店においては、施設の延床面積80坪程度、駅前立地、商圏としている1㎞圏内のターゲット層の人口2万人ということを出店の指標としている。また、これまでの傾向から総合クラブは直接的な競合にはなりにくいことがわかっている。

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施設構成は、トレッドミル8台、バイク4台、クロストレーナー2台、ウエイトマシン10台、フリーウエイトエリアを持つことを基本としている。収容人数を増やすため、当初よりフリーウエイトエリアを広くしている。

速いサイクルでPDCA をまわしビジネスモデルをつくる 

新規ビジネスを展開するにあたって重要視しているのは、担当部署の全員が事業展開の意義を共有すること。また、トライ&エラーのサイクルを速くすること。ファストジムに関しても、既述したように様々な施策を行った結果、現在のかたちができている。また、同事業は3〜4年で回収することを目標としており、「多くの店舗で単年もしくは2年で黒字化、事業全体でも出店費用を併せて投資回収が進んでいる。

今後、事業部として多くの利益を上げ、次の新たな事業開発への投資にも回していきたい」という。

郊外にも広げて出店を加速フィットネス参加率を増やす

今後も、都心を中心に店舗展開を強化すると同時に郊外へも出店し、フィットネス参加率を増やすことが目標だ。とくに、働き世代のニーズを取り込んでいきたい考えをもつ。また、同社の店舗ネットワークを活かし、総合クラブとの相互送客を促進し、継続につながていくことも必要だと三島氏は考えている。「これから市場が成熟すると、ファストジムの会員層のニーズも変化していくでしょう。そうなったときに総合型クラブへ送客できるよう、今から流れをつくっておきたいと考えています」