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【シニアマーケティング】ラウンドフィットネス-限られたスペースを活用し、公共施設でサーキットトレーニングを提供

2017.03.18 土 トレンドサービス
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【シニアマーケティング】
年々、日本の高齢化は進み介護予防ビジネスが大きな広がりをみせている。これに伴い、高齢者特化型ジム、デイサービス施設、地域支援事業の受託などを行うフィットネスクラブ運営事業者も増えている。本稿では、高齢者層にフォーカスしたプレイヤーが提供するプログラムと施設を紹介する。

限られたスペースを活用し、公共施設でサーキットトレーニングを提供


指定管理施設の管理・運営事業を行うシンコースポーツ株式会社。同社では公共施設を中心に「ラウンドフィットネス」と呼ばれるサーキットトレーニングを提供し、好評を得ている。

【今回お話しを伺った方】
シンコースポーツ株式会社 執行役員 埼玉支店 支店長 日笠秀人氏

公共施設ならではの課題を解決


ラウンドフィットネスは、2012年から同社が受託している公共施設にて提供を開始し、現在、全国27ヶ所の施設に導入され、これまでに約20万人が利用している。

プログラム内容としては、油圧抵抗式のトレーニングマシンを用いた筋力運動とボードの上でマーチやステップなどの有酸素運動30秒ずつ交互に行うサーキットトレーニング。1回のトレーニング時間の目安は20~30分程度。筋力運動により、筋肉量や基礎代謝量の増加、肩こりや腰痛などの改善、冷え症改善などに効果を得られるだけでなく、有酸素運動により呼吸循環(心肺)機能の向上、脂肪燃焼効果、筋持久力の向上効果も期待できる。

プログラムは同社執行役員埼玉支店支店長である日笠秀人氏が発案し、自社で管理・運営を行う公共施設への導入に向け、自ら行政に働きかけた。

「当社が県や市区町村から受託している指定管理施設の中には、施設内に専用のトレーニングスペースがない場合や、もともとは会議用につくられた場所をジムスペースとして活用しなければならないケースも多くありました。そこで、限られたスペースでも効果的な運動を行っていただけるプログラムとして、サーキットトレーニングが最適だと考え、各施設に提案を行いました」(日笠氏)

折しも、世間ではシニア層の女性をターゲットとした「カーブス」が新規出店を加速しており、「サーキットトレーニング」という言葉や、運動効果も認知されはじめてきた時期であったため、提案先の行政や老若男女問わずすべての利用者に対して、抵抗なく受け入れてもらうことができた。

s_DSC00744シンコースポーツ株式会社 執行役員 埼玉支店 支店長の日笠氏

省スペースで効果的な運動を実施


公共施設からラウンドフィットネスが支持されるのは、大きく2つ理由がある。まずは、トレーニング中に怪我をするリスクが低いこと、次に既存のスペースを有効活用できることだ。

「公共施設の運営を受託する際に、受託元の施設担当者は、“安全に運動を行うことができるか”という点を非常に重視します。ラウンドフィットネスの場合には油圧抵抗式のマシンを利用してトレーニングを行うため、バーベル式のマシンよりも怪我をするリスクが格段に低くなります。

また、既存スペースの活用という点では、油圧抵抗式マシン5機種、ステップ台5台の標準設備を5m×5mの25㎡という省スペースで設置することができます。そのため、これまで運動専用のスペースをもっていなかった施設でも、使用されていない会議室や講義室などを利用することで簡単にトレーニングルームとして有効活用することが可能になります(写真)」(日笠氏)

このほかにも、導入施設での周知方法やトレーニング内容が標準化されていることも、公共施設への導入が広がる要因といえよう。ラウンドフィットネスの場合には専属のトレーナーがいなくても、プログラムを提供することができるため、施設側のスタッフの負担はほとんどない。利用者に対しては体験会への事前参加を必須とし、基本的にはフリーでの利用を促している。

RF運動専用のスペースをもっていなくても設置することが出来る


公共施設のトレーニングルームの場合には、最低でも1~2名以上の専任スタッフが必要である。一方、ラウンドフィットネスは専用のオリジナルDVDを再生し、30秒ごとに笛の音がなるため、それを合図に利用者は次の種目へ移動する。こうしたオペーレーションの確立により、専任スタッフの数を必要最低限に抑えることができるため、結果として人件費の削減にもつながっている。

今後、高齢者の健康寿命を延ばし、生活の質を高めていくためには、公共施設での運動支援事業も重要性を増すであろう。ラウンドフィットネスのように誰でも簡単にできるプログラムはフィットネス参加へのハードルを下げ、これまで積極的に運動を実施してこなかった高齢者層に対しても有効なアプローチといえるのではないだろうか。



【企画・取材】
株式会社クラブビジネスジャパン
オンライン事業部フィットネスビジネス編集部:庄子 悟