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【NEXT 3月特集】 マインドフルネス ヨガ&ピラティス "Pilates"篇

2017.02.25 土 スキルアップ
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「マインドフルネス」という概念とともに、改めてヨガ・ピラティスが注目を浴び、一般生活者から、エリートビジネスパーソンに至るまで、ヨガやピラティスを日常に採り入れようとする動きが見られている。「マインドフルネス」は、意識を「今」に集中することで、集中力向上やストレス軽減に効果がある瞑想法。ヨガやピラティスは、意識を身体に向けることで、瞑想同様のマインドフルネス効果が得られることで注目されている。今回はマインドフルネスとしてヨガやピラティスを実践している指導者に話を訊いた。

【Pilates】

CASE #1 - 第二世代ピラティスティーチャー櫻井淳子さんに学ぶマインドフルネス
 
CASE #2 - ピラティススタジオを展開する株式会社ぜんにおけるマインドフルネス
 
CASE #3 - ピラティスの大手流派STOTTピラティスにおけるマインドフルネス
 
CASE #4 - 生理心理の研究を行うピラティスティーチャー高田香代子さんに学ぶマインドフルネス
 
CASE #5 - 米国でピラティスとヨガ両方に精通するトップインストラクターゾーイ・トラップさんの特別インタビュー

 ※特集内容はインストラクター・トレーナーのキャリアマガジン誌「月刊NEXT3月号」でもご覧いただけます。

CASE #1 第二世代ピラティスティーチャー櫻井淳子さんに学ぶマインドフルネス


第二世代ピラティス指導者として、日本に本質的なピラティスの普及を目指して活動を続ける櫻井淳子さん。地元沼津でスタジオを経営する傍ら、ジョセフ・ピラティス氏から公式に認定を受けた、現在では唯一となった指導者であるロリータ・サン・ミゲルさんから直接教えと認定を受け、「ロリータズ・レガシー」として、指導者育成を行っている。マインドフルネスは、ピラティスに貫かれているという。

ピラティスにおけるマインドフルネスの重要性

櫻井さんが、「マインドフルネス」という言葉に出会ったのは2015年のこと。テレビ番組で新たに注目される健康法として紹介されていたことがきっかけだった。

そのテレビでは、マインドフルネスについて「今ここに意識を向ける」「身体を動かしてみて、どんな感じがするかに意識を向ける」紹介されていた。その後、マインドフルネスについて書籍などで調べるほどに、「これはピラティスでいつもやってることだ」と思うようになった。

改めてピラティスの経典とも言えるジョセフ・ピラティスの著書「ユアセルフ」を紐解くと、序文に共通するコンセプトが書かれていた。

「心と身体のバランスが大切で、そのバランスをつくる方法が、自分の意識を自分に向けること」。そこには「マインドフルネス」という言葉こそないものの、同じコンセプトが、ピラティスには貫かれていたのである。

もちろん、このコンセプトは、ロリータズピラティスにも受け継がれており、「今ここに意識を向けなさい」という指針が示されている。また、「未来や過去への雑念をいったん全て取り除いてから、スタジオに入りなさい」という教えもある。

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一方、現在のマインドフルネスのコンセプトにより近いのは、タイやミャンマー、スリランカで実践されている上座部仏教の流れで、ブッダの教えをヴィパッサナー瞑想として受け継いできています」つまり、マインドフルネスのコンセプトは、「仏教の瞑想法の逆輸入」だと説明する。

現在日本で人気のヨガも、「仏教の修行法の逆輸入」。インドで生まれたヨガから宗教色をなくし、アメリカでフィットネスプログラムとして日本に輸入された。今、瞑想も、宗教色をなくして、アメリカでプログラム化されて、日本に輸入され始めているのがマインドフルネスだと考えると理解しやすい。

松村さんによると、近年のマインドフルネスに注目が集まる立役者として2人挙げられるという。一人は、マインドフルネスを医科学的にも検証して数々の著書などで啓発している前述のジョン・カバット教授。もう一人が、グーグルにも招かれてマインドフル瞑想を教えた、ベトナム禅の僧侶のティクナット・ハン氏。

そして、このグーグルの取り組みに着目し、著書『サーチ・インサイド・ユアセルフ』にまとめたチャディー・メン・タン氏も、もう一人の立役者と言えよう。

その後も、脳科学などの研究も進み、マインドフルネスは心理療法やビジネス、教育を始め益々広がりを見せている。

マインドフルネスを追求するピラティス指導法

櫻井さんが継承するロリータズピラティスには、「プレピラティス」というマインドフルネスの時間が、ワークアウトに入る前に必ず設けられている。5分程度を使って、座位や仰向けの状態で呼吸に意識を向けた後に、身体を動かしながら、身体がどのように動いているかに意識を向け、心と身体を統合していく。

ピラティスに取り組む時には、この時間が最も大事だとも言われている。そのうえで、ワークアウトに入るが、ここでも2つの大切なことがあるという。一つは、「ピラティス指導者はマインドフルでありなさい」ということ。もう一つは、「指導者と生徒の両方がマインドフルであること」。

つまり、指導者は、生徒が自分自身に意識を向けることができる環境をつくり、指導していくことが大切だということである。

具体的に、マインドフルな指導スキルとしては「簡潔な言葉づかい」「明確な指示」「自分自身の心が安定してそこにいること」などいくかのチェック項目があるものの、実際に指導者として自身も生徒もマインドフルな状態をつくるには、その指導を体験することが最も近道となる。

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ロリータズピラティスでは、認定指導者のレッスンを受け体験から学ぶことを重視しているという。レッスンの最後には立位の状態で「ポストピラティス」を行い、改めて心と身体を統合させて日常に戻ることで、マインドフルネスを日常に活かすことができる。

櫻井さん自身も、改めて「マインドフルネス」を意識してピラティスレッスンを提供しており、その視点からお客さまをみると、心への効果も確かに確認できるという。レッスンが始まる前にざわついていたり、落ち着かない雰囲気があるときも、プレピラティスをしていくうちに、雰囲気が静まり、お客さまの目線が定まってくるという。

そしてレッスン後には、明らかに会話の中にポジティブワードが多くなる。櫻井さんは、マインドフルネスという概念が広がることで、その効果的な方法の一つとしてピラティスがさらに多くの人の習慣に採り入れられるようになることを期待している。

【ストレッチーズ】

呼吸を意識したり、ピラティスで身体を意識するのが難しいという人も少なくないが、そうした人にはストレッチーズの使用を勧めている。

布が全身を包み、動きとともに肌に圧がかかることで固有受動器が刺激され、身体の動きを意識しやすくなる。呼吸するだけでも身体を覆う布が圧を感じさせて、呼吸が意識しやすい。指導者にとっても、クライアントが自分の身体に意識を向けやすくなることで、マインドフルネスなレッスンが提供しやすくなる。

レッスンは、通常50分程度で、全身を布に包んだ状態で身体への意識を高めるところから始まり、徐々に力強い動きとなり、最後は立位での身体感覚を高める、という構成となっている。ピラティスレッスンの前後に組み合わせて利用することもでき、布状なので持ち運びもしやすく、自宅や旅先でのマインドフルネスにも活用できる。

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お話を聞いた方 櫻井淳子さん
ピラティスメソッドジャパン株式会社代表取締役、元物理学研究者。妊娠・出産における酷い体調不良をきっかけにピラティスに出会う。日本にピラティスの真髄を伝えたいという信念のもと、第一世代指導者のロリータ・サン・ミゲェルさんに師事。第二世代ピラティスティーチャーとして、ピラティスの普及に努めている。

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